オレンジ屋根のピエール

読書好きの覚書。(過去の日記は老後の楽しみ♪)

『氷菓』

2017-03-16 17:55:40 | 本と雑誌

『氷菓』 米澤 穂信 著 (角川文庫)

 高校に入学した折木奉太郎は、姉の無茶振りから古典部に入部する羽目になった。いろんなことに無関心、無駄と思うものに活力を示さない彼が、どうせ廃部同然の古典部なら自分ひとりだろうと気楽に考えていた部活動。
ところが、そこにはまさかの別の新入部員がいた。
何やら不思議でいろいろ奇妙な事象が潜んでいそうなこの部活から、ちょっぴりミステリーなことが起こり、そこに決して好んで関わるわけではない、ある意味迷惑だとも感じている奉太郎が巻き込まれ、意外な謎解きの才能を開花させていく。

奉太郎の他に入部することになる登場人物のキャラクターがそれぞれに個性的。
小さい町ながらもその存在感を放っている、「四名家」と言われるなかのひとつ、豪農の千反田家の娘・千反田えるはおとなしいが記憶力抜群で成績優秀、そして好奇心旺盛。
奉太郎の腐れ縁の友人でもある福部里志は、奉太郎とは正反対で何事にも関心を示し、無駄なことにも知識があるが成績はぱっとしないのに飄々としている。
その里志のことが好きでなりゆきで謎解きをともにする漫研の伊原摩耶花は、ころころとかわいい印象の外見とは違い、奉太郎には毒舌を吐くが、勉学には努力を惜しまない。

部室の鍵事件や、貸出不審の本に関する解明、そして古典部に関わる過去の事件など、彼らの謎解きはだんだん規模が大きくなっていく。

シリーズの第一弾の本作がおもしろかったので、第二弾の「愚者のエンドロール」を読んでみたいな。

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1 コメント

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Unknown (神崎和幸)
2017-03-17 09:01:43
おはようございます。

自分も『氷菓』読みましたよ。
面白いですよね。
隙がなく綺麗にまとまった日常ミステリーだと思いました。
その上ひとりひとりのキャラクターに好感を持てたのも良かったです。
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