オレンジ屋根のピエール

読書好きの覚書。(過去の日記は老後の楽しみ♪)

「龍のすむ家Ⅱ 氷の伝説」

2005-10-31 16:26:00 | インポート
地理学を学ぶ大学生のデービットは下宿人募集の張り紙を見て、エリザベス・ペニーケトルという女性とその娘のルーシーが住む家にやってきた。そこでは何もかもが不思議な世界に満ちていて、リズ(エリザベス)の作る陶器の龍が実は命を持った龍だった。
デービットも自分の特別な龍を作ってもらい、「ガズークス」と名づける。そして、ルーシーの話に出てくる図書館の庭にいるリスたちのことに興味を抱き、お話を書くようになる。
しかし龍のことについては、なかなか詳しいことを話さない母娘だったが、少しずつ伝説を語り始めた・・・。

というのが第1巻目のおおかたのあらすじ。前回はリスというかわいらしい小動物とのちょっとした”事件”でもあり、あったかいなごやかな感じの内容でしたが、今回は龍に関する隠された伝説が明らかになり、そこに関わる人物が入り乱れてきて、なにやら少しダークな感じもし始めました。
そして、北極の氷が最近解け始めてきたという環境破壊に目を向けた著者が、作品を通じて龍の世界に置き換えて静かに環境保護を訴えているようでもあります。

そして、1巻目で芽生えたデービットの恋が、早くも揺らぎ始めるのです・・・。*(驚き)*ええ~?!いったいこの二人、どうなっちゃうの~?と、ちょっぴりドキドキ。まあ、人生いろいろあるさ。あんなことやこんなことも、ね。

*(結晶)*  *(イギリス)*  *(結晶)*  *(イギリス)*  *(結晶)*  *(イギリス)*  *(結晶)*  *(イギリス)*  *(結晶)*  *(イギリス)*  *(結晶)*

「龍のすむ家Ⅱ 氷の伝説」
クリス・ダレーシー 作
三辺 律子 訳
竹書房
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「ねずみの騎士デスペローの物語」

2005-10-15 15:52:00 | インポート
デスペローは生まれたときから他のはつかねずみとは違っていた。体はことのほか小さいし、耳が大きいし、そして物心つくと仲間と住んでいるお城の中を出歩き、たまたま机に開いて置かれてた本を読み始めた。

それはお姫様を守る勇敢な騎士のおはなし。結末は「二人はいつまでも幸せにくらしました。」・・・なんというステキな響きだろう。そんな夢のような物語を心に深く刻んだデスペローはある日、とてもうっとりするような音楽に引き寄せられある部屋に入る。

そこにはギターをつまびく王様とそのお姫様がいた。つい音色につられ二人の間にたってしまったデスペローに気づいたお姫様・ピー姫は、デスペローの頭をそっとなでてくれた。なんと夢のようなひと時だったことだろうか。

そんな風変わりなデスペローは、仲間たちから、ましてや家族からも危険な存在、はつかねずみの社会を壊しかねない犯罪者として扱われ、裁判にかけられてしまう。

ついにお城の地下牢にいかされるはめになったデスペロー。そこはドブネズミたちが巣食う、一度入ったら二度と出てこれるものがいない恐ろしい場所だった。

だから看守のグレゴリーでさえ、迷子にならないように、足に綱をくくりつけているほどだった。そしてそこには、もっと恐ろしいワナ、恐ろしいことを企んでいるドブネズミのキアロスキューロがチャンスを待っていたのだった。
それはある理由で恨みと憎しみを抱く相手、ピー姫を陥れようとする復讐のワナだった・・・。

小学校4年生くらいから読めるでしょうか。とてもテンポよく読めるお話でした。愛と背信(うらぎり)、そして許すという心をテーマにしたお話です。作者が語る口調は、年齢の低い子どもにやさしく諭してあげるような、教えてくれるような感じです。
2004年度アメリカでニューベリー賞をとった作品です。

*(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*  *(本)*

「ねずみの騎士デスペローの物語」
ケイト・ディカミロ  作
ティモシー・バジル・エリング  絵
子安 亜弥  訳
ポプラ社



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