オレンジ屋根のピエール

読書好きの覚書。(過去の日記は老後の楽しみ♪)

「マーリンⅤ 失われた翼の秘密」

2006-02-06 09:53:00 | インポート
T・A・バロン 作
海後 礼子 訳  (主婦の友社)

ハーリアと愛し合うマーリンはいつもいっしょにいたし、この先もずっと二人ともにいられると疑わなかった。が、ある晩ダグダの幻がマーリンの前にあらわれ、黄泉の国とこのフィンカイラが最も近くなる日が訪れようとしていることを告げた。
それは、闇の王リタガウルとの決戦の日が近いことを意味しており、フィンカイラの存亡・運命がマーリン、そしてフィンカイラに住むあらゆる種族にかかっていることを意味していた。
そしてもしリタガウルを倒せるときは同時に失うものもあることをダグダは告げた。

また、ある孤児が突然現れた両腕が剣になっている男に襲われた。他にもあちこちで子どもを襲っているといううわさを耳にする。
他にも、捕らわれていたはずのスタングマー(かつてリタガウルに魂を売った王にしてマーリンの実の父)が見張りを殺して逃亡したという。
おまけにマーリンの母・エレンを探していると。

いくつもの危機が今まさに、マーリンやエレン、そしてフィンカイラ全体に訪れようとしていた。果たしてマーリンはこのフィンカイラを救うことができるのか!?

腕が剣の男の正体は?
ハーリアとの関係は続けられるのか?
いつも肩甲骨の間に痛みを感じる謎は?
なぜフィンカイラ人はかつて持っていた翼をなくしたのか?
ダグダはいったいマーリンに何を学ばせようとしているのか?

この最終巻で様々な謎が解けます。
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「バーティミアスⅢ プトレマイオスの門」

2006-02-02 14:57:00 | インポート
ジョナサン・ストラウド 作
金原 瑞人・松山 美保 訳
理論社

この巻で完結のシリーズ3作目です。国の情報大臣となったマンドレイクはますます自分の地位を守ることに必死だった。
嘘の情報を載せたパンフレットを町中に配り、一般市民の戦意をあおるという仕事をしていたが、しかしその立場も嫉妬深くエリート意識が同じように強い同僚の魔法使いたちに、いつ出し抜かれるともわからないあやうい状態だった。

かれは悪魔たちをこき使うだけこき使っていたが、中でもバーティミアスはずっと地球に拘束され続けているため、日に日にその力が弱まっていた。なぜなら、バーティミアスだけがマンドレイクの真の名前を知っていたため、いつ他の魔法使いに償還さればらされるかもしれないという恐怖にさいなまれていたからだ。
真の名前が他人に知れるということは、魔法使いの致命傷なのだ。

前回の事件で死んだはずのキティは名前を変えて、ひっそりと生きていたが、ある計画を彼女は密かにあたため続けていた。

バーティミアスは、今でも大昔のエジプトの主人だったプトレマイオスは忘れられない存在だった。なぜなら唯一彼だけが、悪魔に信頼をかたむけ、対等の立場でいつづけてくれたからだし、別れるときに最大の贈り物をバーティミアスにくれたからだ。

そして、彼ら(マンドレイク・キティ・バーティミアス)の知らないうちに、ある人物のとてつもない計画がいよいよ始まろうとしていた。それはこの国を、いやこの魔法使いと悪魔の関係を大きく覆そうという大変危険極まりないものだった・・・。

裏で動き続けていたあるあやしい人物は、これまた私が想像していたものだったけど、結末がこう来るとは「まいった!」というしかない。
なんとも憎い終わり方だ。この巻で、バーティミアスとプトレマイオスとの関わり方があちこちに散りばめられていたが、最後でいきてくるとはね。

職場の同僚が、「これってまだ続きそうな予感がしない?」としきりに言う。
「うん、そうねえ。外伝みたいな感じで出るかもね。」と私もやや期待を込めて言った。読まれた方、どう思いますか?
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