雑記-白堂別館-

雑記なう
無職止めました。
出来ることからやってみよう

第二十八節

2010-10-14 05:43:01 | Dear to me
気恥ずかしい空気を引きずらないように、カートを押して目的の品へと向かった。

手始めの薄力粉は雄二君家の残りも少ないからと、お家で使っている物をちょっと多めに1kg入りを3袋。
そのまま近くの乳製品のコーナーで手頃な大きさのカットバターと生クリームをカゴに入れる。

「後は?」
「え~・・・と、あと必要なのは卵と苺で全部だね」
カゴの中身を覗きながら確認して、そこで明らかに私が入れた覚えの無い食材を見つける。
(い・・・いつの間に!)
ホントに途中で拾ってるなんて、隣で歩いてたのに全然気付かなかった。
香奈穂が驚いている間にも、雄二は陳列棚からひょいひょいと取ってカートに入れている。
「卵の方が近いからそっちを先に行こうか」
雄二は香奈穂に指で売り場の方向を差した。
「雄二君って、もしかしてどこに何が置いてあるか全部把握してるの?」
「さすがにそれはなー。いつも大体買う物は変わらないからなぁ」
あんまりレパートリー無いんだよと雄二君は苦笑いで続けた。
「家庭科の教科書に載ってるので簡単に出来るのだったり、最近だと・・・姉さんが材料だけ全部持って来て作らされたりとかね」
『雄二君が作ってる後ろで指示を出してるお姉さんの図』が簡単に想像できて、二人して笑ってしまう。

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