日の浦姫物語

日の浦姫物語
12月15日　夜の部　＠シアターBRAVA!

とてもじっくりと落ち着いて堪能することの出来た作品でした。

テーマがテーマだけに、ずっしりと重く暗いのだろうなぁと思っていたのですが、そこはさすが井上ひさしさん。
絶妙な言葉あそびで所々で笑わせてもらいました。本当に絶妙だなぁとつくづく感心。
要所要所でかかる音楽も幅広く良かったです。
あっここは『オイディプス王』、これは『俊寛』でここは『渡海屋』だなぁという演出も面白かったです。(←他にも色々とあったのだろうな・・・)
現代の魚づくしの台詞にはアンチョビまで出てきました。笑。
単に暗いだけの物語にはしないし、単にハッピーエンドの物語にもしない。
物語の中の二人は浄化されても、その物語を語る説教聖は世間から石を投げつけられる。。。
ラストの日の浦姫物語を語る現実の木場さんのシーンで、ハッと自分の目の前にも現実が突き出されたような気がしました。

『明』と『暗』、『笑い』と『悲しみ』の振り幅がとても大きい。
主演の二人はもちろんのこと、力量のある役者さんが揃ってこそ成立する作品だなと。
主演の人はいいんだけど脇がなぁ・・・という作品も多い中、主演の二人だけが突出することなく脇もベテランでしっかりと固められていたのが良かったです。
(と言っても、相変わらず竜也君はめちゃめちゃ素敵でしたけどね。あの凛々しい立ち姿！！最高でした♪)

全ての要素が高いレベルで調和するとこんなに素敵な作品になるのかと思えた、非常に深みのあるお芝居でした。
いいものを観せて頂きました。