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良い子はみんなご褒美がもらえる

2019-06-16 15:50:28 | 観劇記
良い子はみんなご褒美がもらえる
4月30日マチネ、5月6日マチネ @赤坂ACTシアター

めっちゃ面白かったです!!
やっぱトム・ストッパード大好き!に尽きます。
彼の作品が凄いのは観終わった後の余韻。
観てる最中も頭フル回転なんだけど、観終わった後も数日(いやむしろアルカディアなんて今もだから数年だわw)色々想像して楽しめる奥深さにあるなと。

狂人?狂人じゃない?体制側?体制側でない?死?死んでない?希望?絶望?っ観終わった後、
色々ツイしたり、ツイ漁ったり・・・考えれば考えるほど別の選択肢が出てきて、想像は尽きない。
でもそもそもその「AかAじゃないか」の二択で物事をとらえようとしている事自体、
トム・ストッパードからは「だから君たち凡人は浅いな・・・」と嘲笑われているような気も。

ほんとこの作品色んな視点で色んな議論ができるんだろうなぁと。

その中でも私が一番気になったのはイワノフの存在。

オーケストラが見える彼は本当に狂人なのかな?
オーケストラ=体制であれば、見えること自体はむしろ間違いではなく、支配者側からすれば都合が悪いから、彼を狂人とした?
そうするとイワノフの企み(といえば良いのかちょっと違う気もするけど)が成功したことになるのでは?
アレクサンドルはイワノフから指揮棒を受け取ったよね。
「勇気をもって指揮棒を振るんだ!」のイワノフのセリフ。
イワノフの存在ってすごく怖かった、、、彼は全てをわかってるんじゃないか?って思うんよね。

そしてアレクサンドル。
1回見ただけではアレクサンドルの行動がよくわからなくて、、、イワノフは色んな視点で色んな事考えることができたんですが。

特にラスト。
なぜ彼は指揮棒を振り上げたのか?
1回目観た時は絶望というか、もはやアレクサンドルにとっては死と同じ意味の言論の自由を奪われるということになり、抜け殻となったアレクサンドルがイワノフに導かれるがままに指揮棒を振り上げたように見えたのだけれども、
2回目オペラグラスで堤さんの表情しっかり見てみると、堤さんラストうっすらと笑みを浮かべてるんよね。
その笑みをみると、あっ・・・これは自分の意思での行動なんだなと。

アレクサンドルは最後何を考え指揮棒を振り上げたんだろうか?
「指揮棒を振り上げる」=「体制のトップに立つ」という意味ではなくて、
「自分の頭の中で自分の思想を持つ」ということなのではないかな。

言論の自由を求めるアレクサンドルにとって、
自分の頭の中でしか自分の思想を持つことができないというのは「死」と同じかもしれないけれども、
自分の番が来る(=自分の指揮棒を外で自由に振れる日が来る)前に自分から死んでいってはいけない、生きなければいけないという
生きることを決心したアレクサンドルの合図つまり
「勇気を出して」というサーシャの声に応えた合図なのかなと。

アレクサンドル・イワノフ・サーシャが言う「勇気」と「自由」とはそれぞれ何なのか?
トライアングルの意味は?
良い子って?
ご褒美って?

あぁ~日本語版の戯曲売ってほしいよー。











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