寺っ娘のつぶやき

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ようやく、”お塔婆”について

2009-08-29 19:46:57 | Weblog
こんにちは。
相変わらずめったに更新されない寺っ娘ブログです…
見捨てられぬよう、ホントに頑張らねば

さて、今日は前回の続きデス。
お盆前の更新を目指しておりましたが「お塔婆」について。

◇◆◇◆◇前回の復習◇◆◇◆◇
お餓鬼の供養について
●施餓鬼壇には飲食を
●お墓の前にはお塔婆を お供えします。
その塔婆は功徳により餓鬼にとっての食べ物、飲み物に変わります。
生前にお墓を建てられた方でも、どなたでもご先祖様がいらっしゃいますので、
お塔婆をお供えして、ご供養することはとても大切なことなのですね。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

さてさてそのお塔婆とは「亡き人の追善供養のために建立する仏塔で、正式には「卒塔婆(そとうば)」といいます。

卒塔婆は古代インドで塔を意味する「ストゥーパ」(サンスクリット語※梵語とも呼ばれます)という言葉を漢字に写した語です。

昔、お釈迦様が入滅したあと、その舎利(遺骨)を納めたストゥーパを建てて供養したのが始まりなそうです。

それがのちに日本に伝わり、三重塔や五重塔、多宝塔の意味となり、五重塔を模して五輪塔が建てられました。

ホント、よくみると五輪塔の形をしているんですよね

鎌倉時代になると「板碑塔婆」(いたひとうば)が、室町時代の終わりごろになると「木柱形の塔婆」が、
そして江戸時代になると、木製の「板塔婆」(いたとうば)が一般的になっていきました。
現在私たちが目にしているものは、この板塔婆です

板塔婆は、先ほども申し上げましたが、元々は五輪の塔でした。
その形は、上から
「宝珠」「半月」「三角」「円形」「方形」を表す刻み込みがあり、
そこに「キャ」「カ」「ラ」「バ」「ア」という梵字が記されています。
パッと見ると暗号みたいですが、ちゃんと意味があるんですよ

この形と文字はこの世界を構成する
「空」「風」「火」「水」「地」の五つの要素(五大または五輪という)を
表していて、それはそのまま、ご本尊さま・大日如来を象徴しています。
お塔婆の表には、胎蔵大日如来の五字真言
「キャ」「カ」「ラ」「バ」「ア」の梵字と、
その下に、年回忌の十三仏や供養仏の種字と真言、戒名を書きます。
これは、大日如来の大いなるいのちの世界で、故人が母親のふところに安らぐように、
ご本尊さまに見守られていることを意味しています。
また、お塔婆の裏には、大日如来を表わす梵字(バンと読みます)、建立年月日、施主名等を書きます。
そして梵字や漢字等の文字が書かれたお塔婆は、僧侶の読経により、
仏の魂が込められます。
そのことを「開眼」といいます

先祖のお墓の傍に建てれば、先祖の霊が安らかに往生できるという深い、尊い意味があり、
亡き人のためのとても大きな功徳となるのです。

年忌法要の時や、春秋の彼岸、お盆、お施餓鬼・・・
その他ご先祖の墓前に特別のご報告などする場合に建てますが、
形の大小にとらわれず、まごころをもって建て、功徳を積むようにしていきたいですね