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支流からの眺め

共産主義(5):現代の共産主義

 現代の共産主義はどうか。まずは、私有財産の否定が曖昧となった。私有財の否定が生産性を低下させ貧困化や経済崩壊を招くからだろう。しかし、この段階で共産主義の中心理念は死んだのである。後は、形骸化して残された専制的な組織を利用し、資本主義と迎合して金儲けや権益拡張を図ることになる。しかも、首領は暴力を使った成り上がり者で、国民に財を公平に分配する気は初めからない。現代の共産主義国では、共産主義を隠れ蓑にして支配層が私利私欲に走るだけとなった。

 現代の共産主義国家と言えば中共国である。その姿には、独善性・暴力性・非人道性などの特徴が明らかである。共産党が政権を握る社会では、法律や制度だけでなく、軍隊・警察・司法などの暴力装置もすべて共産党に支配されている。国民に自由や人権はなく、共産党を批判する言動も許されない。そして、この恐怖の構造に国民が押し込まれるなか、一部の上層部が拝金主義で富を蓄えている。共産主義の唱えた「貧富の格差を解消する」という命題とは真逆の世界が現れている。

 日本においても、暴力性は薄まっているものの、その根幹はやはり日本国の共産化にある。典型的には、皇室を否定し、防衛力の強化に反対する。その一方、反日国の脅威に触れることはしない。戦争反対・平和憲法擁護と美しい理想を語るが、その狙いは日本の自衛権・国家主権の放棄、ひいては中共への属国化による「平和」である。平等を目指した果てに搾取される身となった中国国民と同様に、平和を信じて行動する日本国民は中共に隷属する道を歩んでいる。

 その活動様式の特徴は「否定(批判)」である。否定や批判のネタはいくらでもある。例えば、戦争、貧困、不平等、身近なところで物価や生活環境などである。世には必ず不満があり、一定の支持を得ることができる。議会の場でも否定に終始する(何でも反対)。題材は下世話なことでもよく、議会を紛糾させて行政を滞らせ、民主制への失望や嫌気を起こさせればよいのだ。言論の自由を振りかざし、同じ言論を飽かず繰り返すのも特徴である。その心の頑なさや頭の固さが顔にも出ている。

 最近では、「リベラル」の美称を隠れ蓑にして理想を語っている。例えば、差別の完全撤廃、絶対的な環境保護、家族や性別に関する伝統的な規範の消滅等である。人権を擁護しようとする発想にも見えるが、実は現状を破壊し分裂を誘導し、そこで主導権を握ろうとしている。その特徴は、論調が独善的かつ断定的で、正義を振りかざし人の話を聞かないことである。更には、大義を笠に過激な方法を躊躇なく取りかねない。カタカナ語で偽装した正義感満ちる姿に幻惑されてはいけない。(続く)

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