彼が入って来てから、もう3ヶ月にもなる。
彼は一つ年上だが僕よりも元気だし、「仲良くやって行ける」そう思って最初は嬉しかった。
でも、過去の話(数年前とか、若かった頃の話)は共通点も多く、楽しかったが昨日・今日の出来事とか、一週間前などの話になると度々つじつまが合わなくなることが多かった。
「清掃責任者のS氏は(このビル内で)一番の古株なので何か分からないことがあって困ったときは、彼に聞くと分かるからね。」
「また、S氏が所属していたT社は今春このビルの清掃業務を返上した。それで新たにK社が参入し、S氏らはK社に新規雇用されたが、まだ試用期間中だから彼らの出・退勤時間の記録、管理については就業規則と齟齬が生じないように十分な配慮が必要だから、気を付けるようにね!」
そう言うと元公務員のG氏は
「へエ~、S氏も(自分と同様に)まだ入って来たばかりですか?」
その返事にはビックリしたが、そのときは問題にせず、話を中断して僕はその場から離れた。
しかし、話は普通にできるが、会話の後の行動が僕の言ったことや期待したことと相反することが多かった・・((+_+))・・。
だから、「違うよ!」「そうじゃないよ。」「そんなことをしたらダメだよ!」、そう言わねばならない日々が続いた。
だから
「午前中に(僕が)説明しただろう? その通りにやってくれよ!」
と言っても
「説明は聞いたと思いますが(どうやったらいいか)分かりませんので、自分はこういう風に(別の方法で)やったらいいと思います。」
そういう(期待とは違う)返事が返って来ることが多かった。
そんなことが2ヶ月近く続いたので、6月に入った頃から彼との会話が急減した。
彼もその異変を感じ取ったのだろう。
6月中旬、彼は退職を申し出た。
彼を指導して行く良い方法が見つからなかったので、僕は何も言わなかった。
そして、明日の仕事が彼との最後の共同作業になる。
彼の言動には不可解な点が多かったので、今月に入ってから色々と調べてみた。
要するに彼は認知症らしい・・(/・ω・)/・・・。
清掃責任者のS氏のことを話をした時も、「試用期間中だから」と話をしたときには既に前段で話した「一番の古株」という言葉が記憶から抜け落ちていたのだろう。
だから、S氏を自分と同じ‘新入り’であるかのように勘違いして返事をしたようだ。
そんなことが何回も、いや何十回も続いた。
数十分説明しても、その内の数分の記憶が抜け落ちているから、残った記憶を繋ぎ合わせて彼が下す結論は、僕が予想したものとは全く異なっていた。
だから彼に仕事を任せることが困難になっていて、僕はほとほと困り果てていた・・(/ω\)・・。
何かを話しても「メモを確認しないと分かりません。」、彼はそういう返事をすることが多かった。
しかし、「覚えていない」とか「記憶していません」とか「忘れた」とか、そういうことは一切言わない。
それどこか「聞いていない」とも言わない。むしろ「聞いたかもしれませんが・・メモを確認しないと・・」というような言い方をする。
さっき話をしたばかりなのに「メモを確認しないと分からない?」・・・なぜ、そういう返事しかできないのか?
僕には理解できない日々が続いた・・・!?
「私は話を聞いても、その話の何割かは記憶に残りません。だから同じことを何回も言ってください。」
最初からそう言ってくれていれば、対応の仕方もあったように思う。
この3ヶ月間の努力が徒労に帰した。
とても残念だ・・(´;ω;`)・・。。
来週からは・・また新人教育に追われそうだ。
ケメちゃん、カキコがいつも飛び飛びになってゴメンね~!?