東葛総合法律事務所友の会

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その日「タカオ」が観た映画は~布川事件、1967年8月28日

2011-01-16 19:54:04 | 日記
布川事件は1967年(昭和42年)8月に起きました。

被害者の遺体が発見されたのが8月30日。死亡推定時刻は8月28日の夜。
「ショージとタカオ」の桜井昌司と杉山卓男さんが逮捕されたのは事件発生から1ヶ月以上も経過した10月でした。

 杉山卓男さんは別件逮捕されたとき「1週間くらいで帰ってくるから」と仲間に話しましたが、その1週間が、なんと、29年になってしまったのです。


 四宮鉄男(しのみや・てつお)さんという映画制作者のサイト
愚鉄パラダイス」に、布川事件の起きた8月28日、「タカオ」こと杉山卓男さんは映画を見ていたという記述があります。
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 ところで、アリバイのことに話を戻そう。
 粗編集の記録映画の中で、当時のアリバイを辿るシーンがある。
 その日は、桜井さんも杉山さんも、たまたま東京に来ていて、桜井さんのお兄さんの下宿を訪ねるつもりだったらしい。別々の行動なのだが、偶然の一致なのだろうかたしか、西部新宿線の野方だか、新井だか、どこかだった。

 杉山さんは、そこで、今はもうなくなっているが、当時はあった映画館で映画を見ている。煙草を吸いたくなったが映画館では売ってなくて、もぎりのおばさんに断って煙草を買いに外に出ている。
 そして、煙草を手に入れてまた映画館に戻っている。
 その時、杉山さんは、これが東京でなくて、田舎だったら、アリバイは成立しているのに、と悔しそうに語っていたのが印象的だった。
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この「粗編集の記録映画」というのは「ショージとタカオ」で、「悔しそうに語っていた」のはこの映画の1シーン、ということでしょう。
2月12日の上映会で、みなさんにぜひこのシーンを見つけてほしいのですが、ところで、布川事件のサイトにある「最高裁決定(昭和49年)」に、杉山卓男さんが事件当日に行った映画館と、観た映画についての記述がありました。

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(2) 被告人杉山の供述

 28日は(中略)自分は午後5時ころ近くの銭湯へ行ったあと、午後6時ころまでパチンコ屋で遊び、一旦帰って洗濯をしたあと、西武新宿線新井薬師の薬師東映で『クレージーの黄金作戦』と北島三郎出演のやくざもの1本のほかもう1本を見た。青春をつっぱしれとかいうラグビーものだったと思う。途中午後8時か8時半ごろタバコを買いに館外へ出たが、雨が降っていた。映画か終って賢司の部屋に10時半か11時ごろ帰ったが、そのころ昌司が酔って帰ってきた。
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「新井薬師の薬師東映」とあります。
現在はマンションになっているようです。


ウィキペディアに「1967年の映画」が載っています。

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■1967年 配給収入ランキング

1. 黒部の太陽
2. 007は二度死ぬ
3. グラン・プリ
4. プロフェッショナル
5. 日本のいちばん長い日
6. クレージー黄金作戦
7. 風と共に去りぬ
8. 夕陽のガンマン
9. おしゃれ泥棒
10. クレージーの怪盗ジバコ

(参照:キネマ旬報DB/ Walkerplus.com)

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杉山卓男さんが観た、3本の映画のうち1本がありました。
当時はクレージーキャッツの映画が出せば大当たり、という頃だったのですね。

では、残る2本の映画は、何だったのでしょう。

上映会のあと、トークショーでこの話題に触れられないものかと、
管理者はちょっと期待しているのですが。


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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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