1995年11月、パリ滞在中に約一週間イタリアへ旅行したのが初めてのイタリア。
それから22年。そんなに経ってしまったことにまずはびっくり!!
その時は、ナポリ~ローマ~トリノ~ヴェネチアへ。無理すればフィレンツェも行けなくはなかったが、
慌ただしく廻るのが嫌だったので、次のためにとっておこうと思ってあえて行かなかった。
今回、ひょんなことからイタリア旅行に行けることになり、やっとフィレンツェの地を踏むことができた。
まずはホテルに行きチェックインを済ませる。
何よりも駅近優先で選んだホテルは、マンションの部屋を利用したタイプで、最近多いようだ。
角部屋で日当たりも良く、寝に帰るだけには充分なお部屋です。
荷物を置いて、早速街に繰り出します。ミラノの朝から一転していいお天気となしました。
駅を通り越し、お店が立ち並ぶ通りを抜けると、いきなり目の前にドゥオモ現れました。
厳密でありながらシンプル
写真ではわかりづらいですが、イタリアのシンボルカラーである赤・白・緑の大理石で造られており、
それが淡いピンクとグリーンの色合いとなり荘厳な建物を優しい雰囲気に見せてくれます。
かつて広場の見晴らし台だったとされる場所に何気なく点在する彫刻群もひとつひとつが名だたる作品
シニョリーア広場に佇む「ダビデ像」 こちらはレプリカで本物はアカデミア美術館に。
たとえレプリカでもこちらが本来あった位置で、ある意味正しい鑑賞法?!
今ではフィレンツェの街の象徴です。
ちょっとクラシカルな画像に。
以前、モンサンミッシェルのミカエル像を見て「イケメンだね!」と言った友人が見たら、
「ダビデもなかなかのイケメンね!」と言ったに違いない。。。
巨人との戦いを前にした姿とされているが、どこか余裕のあるポーズにも見える・・・。
まずはドゥオモを後にして、予約しておいたウフィツィ美術館へ。
入って間もなく目にする廊下。
こちらの天井画が見事で、最初から溜め息ものです。
重厚な木枠と調和のとれた色彩豊かで繊細な絵画が、長い廊下にぎっしりと描かれています。
絵画そのものは国外の展示で鑑賞することも可能だが、この天井画はここに来ないと
観ることができないと思うと、貴重です。
このあと、傑作が目白押しです!
こちらはトリブーナの間。
夢が実現した部屋といわれるほど、メディチ家の特に貴重なコレクションが集められている。
こちらの部屋だけは中に入れず、入口から眺めるだけ。
イタリアに行く前に録画しておいたドキュメンタリー映画「フィレンツェ メディチ家の至宝 ウフィッツ美術館」
」
それによれば、
天井は彼方の海から運ばれた6千もの貝、壁一面の深紅のヴェルベットの織物は当時の織り方を再生したもの、
そして巨大な大理石との戦いから生まれた数々の彫像。
さらに、ある人の言葉によると、
読み解く力を養って欲しい、と。
詩が言葉を用いてで感情を表現しているように、視覚芸術も同じこと。
ウフィツィを訪れた時、ボッティチェッリを目的として探さずに詩人のボッティチェッリを探してください。
ダヴィンチの作品を観て謎を探さないで詩的表現を探してください、と。
う~ん、難しいです。。。
せめて行く前に、「フィレンツェ メディチ家の至宝 ウフィッツ美術館」、しっかり見ておけばよかった。
空中撮影の映像、作品をあらゆる角度から巧みに捉えた映像、これからフィレンツェに行く人は必見です。
ダヴィンチの「受胎告知」についても
こんな言葉を紹介をしています。
主役は風景である中央の奥にある山である。
遠近法により嫌でも誰もが目を引きつけられる。
地は開き、空から露が注ぎ、大地を生み出す。それはまさに受胎を描写している。
受胎告知の瞬間、山々と空が、露を降らし大地がそれを受け取る、大地はマリアの子宮を示している。
海から盛り上がった山々は我々や異教徒のための世界、海の中の山は世界の中のキリストを意味する。
そして木々の間が空いているのは、絵の中心、物語の中心だから。
番組の中で、もう一つ人々を惹きつける作品として紹介したのが2011年以降、修復中だったレオナルドの作品
『東方の三博士の礼拝』
今年の春から特別展として公開され、ちょど10月から常設されるようになったようだ。
今回観ることができて本当によかった。
修復前の画像を見たが、全体的に暗くい印象で奥行き感があまり感じられないが、今回の修復により
褐色の濃淡が浮き上がり、人物に立体感が生まれているようだ。
他の作品とはかなり雰囲気が違う。未完の作品とされているが、これが初期の作品だというのにも驚かされる。
窓から見えるヴェッキオ橋。川面に赤い屋根がきれいに浮かんでます。
窓から見える風景も含めて、その美術館の価値なのだと思う。
さらに、傑作の数々は続きます。
ラファエロの「ヒワの聖母」
こちらも数年前に修復され、鮮やかな色が見事に蘇っている。
聖母を描く作品は数々あるが、ラファエロの描く聖母の表情はどれよりも穏やかで母性に溢れている。
ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」
なんとも艶めかしい描写だが、婚礼前とされ、忠誠の象徴として犬が傍らに描かれているそうな。
似たような作品にマネの「オランピア」
こちらには黒猫が同じように傍らに描かれている。
「忠実」のシンボルである「犬」と対象的に、「裏切り」のシンボルであった「猫」 が。
確かに、猫はご主人に忠実ではないかもしれないけど、「裏切り」の象徴はひどいわよね。
猫は自分に忠実なだけ?!
ボッティチェッリの春(プリマヴェーラ)
ルネッサンスの最高の傑作ともいわれ、観ているだけで人を幸せな気分にさせてくれるような調和の美が感じられます。
ただ、色々な解説をみてみると、実に様々な解釈があるようで美しさの中に奥深い意味が隠されているようです。
婚礼のために依頼されたものだとか。 また500種類以上の植物が描かれている、というのにも驚かされる。
こちらの「ヴィーナスの誕生」もなんとも優美な色彩で描かれ、浮遊感漂い、うっとりさせられるが、やはり哲学的思想が
隠されているそうな。
いろいろな知識をもって観るのも解釈が深まりいいかもしれないが、中途半端に詰め込むとその解釈の範囲でしか
観れなくなりそうで、その時、その場での感じ方も必要かな、とも思う。
今回のように、観てきた直後に映像とともに色々な解釈を鑑賞できたことはとてもラッキーでした!
あまりの大作や宗教画が続くと、こんな彫刻たちにちょっとほっとさせられたりします。
これらも充分に貴重な作品の数々なのですが。。。
天使もひと休み?!
のびしたり?!
ラブラブだったり?!
道案内してくれたり?!
また昼寝?
ちょっと、色っぽかったり。
足にタコできた?!
上には気持ちのいいテラスとカフェがありました。
多少駆け足ではあったけど、ルーブルとかに比べたらギュっと凝縮されていて見易く、充分に堪能できました。
それにしても、これだけの作品すべて写真撮影OKで、ガラスやロープの仕切りなし、というのはさすがイタリアの寛容さ?!
素晴らしいです! 入場前は行列ができていたのでかなりの混雑かと思ったけど、いざ中に入るとそうでもなくしっかりと見れました。
このあと、小高い丘にあるミケランジェロ広場に行って夕焼けを見よう、ということになり・・・
そこで初日にして早々と、ちょっとしたハプニング?があり、、、
それを書き出すとまた長くなりそうなので、次回へ。。。