少年トッパ

ある女の子からの告白

 先日、知人の結婚式の二次会パーティーに出席した。そのパーティーが終わったあとの出来事。

 顔見知りの女の子が僕に話しかけてきた。顔見知りといっても、会うのは数ヶ月ぶりだ。僕が居候している会社の岐阜営業所に彼女は勤めているので、滅多に会うことはないのだ。前に顔を合わせたのは、やはり同じ会社に勤める後輩の結婚式の二次会でだった。その前に会ったのは去年の忘年会の時だろうか。その程度の付き合いである。申し訳ないが、名前さえ正確に覚えていなかった。

 パーティーが終わって外へ出た時、その女の子が僕を見て、こう言ったのだ。
「じがいたい」
 え? 何? じ? ああ、痔が痛い、ってこと? そりゃ大変だ。でも、なぜそれを僕に?
「そ、それはツラいよねぇ」
 月並みな返答をすると、彼女は黙って頷く。う~ん、あとは何を言えばいいんだ? えっと、この子、仕事は事務だったよな。
「仕事でもシンドいよね。座ってるだけでツラいでしょ」
 またも頷く。
「薬とか塗ってんの? ほら、コマーシャルやってる……」
「ポラギノール。塗ってます」
「あれ、やっぱり塗るものなんだよね」
 彼女は頷く。そっか、塗るんだ。勉強になります。
「病院とかは行ってないの?」
「まだ……」
 ここでパーティー会場から他の知人が出てきたので会話は終了。ホッ。そのあとは万博の話をしながら駅までの道を歩いた。

 しかし、なんで彼女は僕に痔の悩みを相談してきたんだろうか。何かを相談されるのは頼りにされてるってことなので、喜ぶべきかもしれない。しかし、あまりにも唐突だと、さすがに戸惑いますわ。まだまだ人間ができてまへん。
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