少年トッパ

サカエスプリング@090530

 今さらながら、5月30日のイベント「サカエスプリング」の感想を。って、もう2週間近く経ってるじゃん。実は、途中まで書いたまま放ったらかしにしてました。



↑特設会場で買った歌姫楽団のシングル『クラムボンウォータードロップス』、アマゾンで買ったズータンズのアルバム『さよならズータンズ、こんにちはズータンズ』、そしてタワレコで買った阿部真央のシングル『伝えたいこと/I wanna see you』ケース入り&DVD付きバージョン。
●歌姫楽団 (CLUB Zion)

<曲目>(公式サイトから拝借)
銀座カンカン娘/雨の夜と薔薇/超特急亜細亜号
クラムボンウォータードロップス/情熱の華/浅草お転婆娘

 前々から気になっていたバンド。しかし、あまりにも昭和歌謡っぽさを前面に打ち出しているので、イマイチ聴く気が起こらなかった。そっち方面の音楽はウルトラ大好きなんだけど、一時期やたらと数が多かったでしょ? なので、ちょいと距離を置きたくなってたのよ。
 でも、今回初めてまともに聴いてみて、大後悔。すげーいいじゃん。見事に昭和歌謡とロックを融合させていて、楽曲も演奏もレベルが高い。妖しくて楽しくて少々不穏な雰囲気があって、まったくもって僕の好みにピッタリだ。こんなことならもっと早くから聴いておくべきだった。
 面白いのは、ボーカルの女性が花柄の派手なピンクのワンピース+髪飾り2つという、いわばバンドの世界観を打ち出しまくりの気合いが入った衣装なのに対して、男性3人はほとんど普段着のような格好であること。その落差が楽しい。

 終わったあと、通路の途中にボーカルの女性がいたので、思い切って話しかけてみた。しかし、思いっきり口下手なので、気の利いたことは言えず。あとからCDを買います、ってことはアピールしたけどね。
 
●ズータンズ (CLUB JB'S)

<曲目>(公式サイトから拝借)
クアトロ/撫子/星降る街/カウボーイ/ムージック/アップライト

 女性ボーカル+ピアノ+ベース+ドラムという4人編成。ギターがいないバンドだ。どんなサウンドなんだろうかと思っていたら、これがものすごく軽快でリズミカルでカッコよく、しかもその中に寂寥感や無常感も込められていて、これまた僕好み。それに、ボーカルの声の揺らぎ具合が最高。穏やかで包容力があって、どこか母性を感じさせる歌声なのだ。えーっと、ものすごく分かりやすく言うと、バーゲンズと松崎ナオを合わせたような感じ。分かる人には分かるよね?
 MCも楽しい。ボーカルだけが喋るのではなく、ステージ上でメンバーが同士がツッコミを入れ合う、というスタイルだ。そういうの、バンドによっては内輪ウケっぽく見えてしまう場合があるのだが、このズータンズに関しては微笑ましく感じられる。その辺は計算ずくなのだろうか。いや、おそらく人柄の良さが反映されているんだろうね。

 どの曲も良かったけど、『クアトロ』という曲が最高。こんな名曲を今まで知らなかったなんて、ちょっと損した気分。

●ジン (CLUB QUATTRO)

<曲目>(公式サイトから拝借)
オープニング~ミッション・ジン・ポッシブル~
スケール/ガンマ(new!)/100万回好きだと言って(new!)
片瞑り/OPTIMIST(new!)/雷音/パラレルワールド(new!)
※(new!)と書かれた曲は未発売の新曲らしい。つまり新曲の方が多いわけだね。

 女性ボーカル+ギター+ベース+ドラムという編成の、いわゆる爆音ロック。ただし、激しく鋭く荒々しいだけでなく、繊細さも感じられる。それはボーカリストの持ち味故だろうか。いわゆるプラスティックな声質(って分かりにくい?)。というか、今風に言うとアニメ声? それでいて、ちょっとハスキー。えーっと、平山三紀とかTOM★CATとか松本伊代とかに近い声質かな? で、歌い方をワイルドにした感じ。
 歌詞はほとんど聞き取れないのだが、歌いっぷりがカッコいいので、ついつい見入ってしまう。長い髪を振り乱して叫ぶように歌う姿が、ものすごく絵になるのだ。思わず、惚れてまうがな~、と言いたくなっちまう。
 パッと見の印象では「面倒見の良い姉貴分」という雰囲気だが、MCによると、かなり内向的かつ悲観的な性格であるらしい。その辺のギャップもファンを夢中にさせるのかもね。「強がってるけどホントは弱く脆い」ってことが言葉の端々から伝わってくるし。あ、そうか、こういうタイプを若者はツンデレと呼ぶのか(違ってたらゴメン)。
 しかし、歌い終えた後のハアハアという声をマイク越しに聴かせるってのは、健全な男子には刺激が強すぎるんじゃない? ドキマギしちゃったじゃん。

●オレスカバンド (CLUB QUATTRO)

 管楽器3人+ギター+ベース+ドラムという編成。評判通り、ものすごく元気で勢いがあり、チームワークもバッチリ。海外でも評価されているそうだけど、それも当然だろうね。客もノリノリ(って死語か?)で、ステージ前2メートル四方の盛り上がりは特にスゴい。ほら、ダイブじゃなくて、胴上げみたいな感じで持ち上げられて観客の頭の上で転がる動き(調べたら「クラウド・サーフ」と呼ぶらしい)、あるでしょ? それをやってる若い衆もいたりして、まさにお祭りムード。わっしょい。「まばゆいばかりの若さ」を絵に描いたようなライブだった。オレスカバンド、見事です。

●HALCALI (OZON)

 今まで見たのは全部バンドだったけど、こちらはいわゆる打ち込み系。HALCALIの2名+DJ1名、という編成だ。こういうライブ、実は初めて。この新しいOZONに来たのも初めてだ(シネプラザ1を改装した初代OZONには行ったことアリ)。
 ものすごく混んでいて、始まる直前までは、まったくステージが見えない場所にいた。しかし、始まった途端、急に後ろの方の人たちが前に押し寄せてきたので、とりあえずステージを見られる位置に移動。ホッ。
 いわゆる「脱力系」っぽい雰囲気を醸し出しながらも、コーラスも振り付けもバッチリ。上手さとプロ意識の高さを感じさせるライブだった。まあ、それはこの日に見たライブすべてに言えることだけどね。

 HALCALIが終わって、急いでブルーノートへ向かった。次は「多和田えみ」というシンガーを見る予定だったのだ。それに、今までブルーノートに足を踏み入れたことがないので、この機会に行ってみたいと思っていたのよ。ほら、ブルーノートでのライブって、けっこう料金が高いじゃん。なので、なかなか行けないもんね。
 しかし、ブルーノートに着いたら、入口には「入場規制」の文字。ええっ、入れないの? スタッフさんに聴いたら「次の回が終わるまでは無理」とのこと。あひゃー。
 仕方なく、クアトロへ。しかし、こちらで行われている「DOPING PANDA」のライブも「入場規制」。まあ、人気があるバンドだから当然だよね。
 こういうクラブサーキット形式のイベントってのは基本的に「入れ替えナシ」だ。ひとつのライブが終わるたびに客を総入れ替えするのではなく「出たい人は出て、残る人は残る」というスタイルなんである。
 なので、よーく考えれば……いや、考えるまでもなく、たとえば17:00からの出演者Aを見たいファンは、その前の16:00からの出演者Bの時にも客席(席はないけど)にいて、そのライブが終わって出演者Bのファンが引き上げるや否やドドドッと前方に陣取る、という行動を取るわけだ。ってことは、20:00からクアトロで阿部真央を見る予定の僕は、19:00からのMichiの時点で、とりあえず入場してなきゃマズいじゃん。まだ昼飯を食べていなかったので、この待ち時間にどこかで軽く済ませようかと思ってたのだが、そんな余裕はまったくないぞ。慌ててMichi待ちの列に並ぶが、なんと最後尾は3階(クアトロは8階)。大丈夫か? 入れるのか?
 結果的には、すんなり入れた。たぶん、DOPING PANDA目当てで早くからクアトロに入っていたファンが一気に帰ったからじゃないかな。DOPING PANDAとMichiでは、かなり客層が違うだろうからね。それでも場内はギュウ詰めだったけど。

●Michi (CLUB QUATTRO)

 そんなわけで、Michiには申し訳ないが、阿部真央見たさの「ついで」で見たライブ。しかし、これが予想以上に良かった。いわゆる打ち込み系主体かと思ってたら、エレキギターがギュンギュン唸るわ、『ROCK YOU!』のカバーはあるわ、髪を振り乱して熱唱するわで、まさに熱いロックねえちゃん。カッコいいですわ。ヒット曲『ChaNge the WoRLd』や『KiSS KiSS xxx』も聴けて満足。
 それにしても、「天は二物を与えず」ってのは絶対ウソだね。ハーフの長身美人で、歌が上手くて、喋ると関西弁で打ち解けやすいイメージを醸し出してと、いくつ長所を与えられとるんじゃい。

●阿部真央 (CLUB QUATTRO)

<曲目>
人見知りの唄 ~共感してもらえたら嬉しいって話です~/ふりぃ
貴方の恋人になりたいのです/母の唄/I wanna see you/伝えたいこと

 さあ、いよいよメインイベント。1月にたまたまラジオで『ふりぃ』を聴いて一発で惚れ、アルバム『ふりぃ』を発売日に買い、それ以来約4ヶ月、毎日欠かさず阿部真央の歌を聴いてきたのだ。これほどワクワクするライブ、いつ以来だろ。もしかしたら初めてかも。そう思いながら開演を待っていると、バックバンドのメンバーたちがステージに現れ、チューニングなどを始めた。その中には、中ノ森BANDのサポートギタリストでもあったJUNさんもいる。相変わらずカッコいいなぁ。この人も、ものすごく絵になるミュージシャンなのだ。

 時間になって、いよいよ阿部真央登場。その瞬間に思ったことは、不覚にも「ものすごく可愛いじゃん」ってことだった。それまでは、別にルックスが好みだったわけじゃなかったのよ。というか、あんまり外見に関心はなかった。しかし、それはもしかすると、見た目の魅力に惹かれないように自分を制御していたのかもしれない。「あくまで音楽が好きなわけであって、アイドル視してるわけじゃないもんね」と自分で自分に言い聞かせていたのかもしれないのだ。って、ややこしいファン心理ですね。ともあれ、現物(って言い方はナンだけど)があまりにも可愛かったので、ちょっと狼狽してしまったのよ。
 1曲目は『人見知りの唄』。たぶん、阿部真央ファンの大多数が共感し、「これは自分のための曲」と思ったんじゃないだろうか。はい、僕もその一人です。ちょっと歌詞を引用させてね。

♪皆で騒ぐ時に フッと感じる虚無感
 まるで私ひとりが 空気に融けてくみたいに

 壁を造っては距離を保って 興味のないフリをしてるんだ
 踏み込ませない、踏み込めない自分にホトホト嫌気がさすよ♪

 続いて『ふりぃ』。うわー、もう最高に幸せ。例の「はぁっ!」という部分では背筋がゾクゾクッとしちまった。生きてて良かった、とマジで思ったもんだ(これで死んでもいい、とも少し思いました)。あ、未だに『ふりぃ』を聴いたことがない方はYouTubeでどうぞ。

 阿部真央の生ギターに、エレキギター2人(片方はJUNさん)、ベース、ドラムという5人編成。息は合ってるし、阿部真央の歌い方も実に堂々としている。しかし、MCになると、途端に初々しさ全開。ちょっと丁寧すぎる言葉遣いで礼を述べ、観客が振ったネタにいちいち反応する、という律儀さだ。いやいや、ますます可愛らしい。
 続いては、まだCD化されていない『貴方の恋人になりたいのです』と『母の唄』。てっきりアルバム『ふりぃ』の曲が続くと思っていたので少し意外だった。『母の唄』を歌う前のMCは、自分の母のこと。ものすごく母親への愛情が強いようで、その想いは楽曲にしっかり反映されている。こんな曲を作ってもらえる親は幸せだよね。
 最後は新曲を2連発。『I wanna see you』は前奏や間奏でドラム以外のメンバーがピョンピョン飛び跳ねる、という振り付けが可愛い(間奏でJUNさんがジャンプするのを忘れてたのも微笑ましい)。『伝えたいこと』はストレートなメッセージが込められたロックチューンで、当然ながら場内は大盛り上がり。僕も大満足。これほど気持ちが昂ったライブ、いつ以来だろ。もしかしたら初めてかも。
 えーっと、もうちょっとまともにライブレポっぽいことを書きたかったんですが、語彙が貧困すぎて無理でした。感じたことといえば「可愛いー」「カッコいー」「すげー」ってことばっかり。中学生以下のオツムですわ。

 というわけで7組のライブを見たわけですが、なんとすべて女性ボーカルじゃん。10代の頃は聴く音楽の9割が男性ボーカルだったけど、歳を食うに従って逆転してきました。ヨボヨボになる頃には、歌のお姉さんが歌うような曲ばっかり聴くようになってたりして。
 さっきも書いたけど、7組のライブ、どれも良かったです。最近の若手ミュージシャンのプロ意識の高さ、演奏や客いじりの上手さは相当なもんですわ。
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