続いては『君が本当に欲しいもの』。またもや研さんと祐樹君が招き入れられる。ここからは、もう何でもアリの無礼講状態。もともとステージは使われていないので、3人のミュージシャンも観客たちも同じように客席で歌うのだ。今までいろんなライブに行ったけど、こんなのは初めてだぞ。
研さんは、キーボードが置かれている場所に陣取る。そして祐樹君は、カバーのコーナーで卓治が腰掛けたスツールに座る。歌詞をコピーした紙を持っているが、ギターを弾かなきゃならないから手で持つのは無理だ。よっしゃ、こういう時ぐらい役に立たなきゃ。そう思った僕は祐樹君のために歌詞のコピーを掲げた。心の中で「歌詞は暗記しとけよっ」と思いながらね。ははは。ちなみに、カバーのコーナーでは平林ジュニア君が卓治のために歌詞のコピーを持っていた。ったく、客をローディーのように使うミュージシャンどもだぜ。わはは。
この時、名古屋トリビュート組のroad21さんは研さんからギターを託されて弾いていたらしい(僕のいる場所からは見えなかった)。そして、途中で祐樹君が手放したギターを弾くのは、クアトロのスタッフさんだ(と、この時は思った)。ミュージシャンも客もスタッフもごちゃ混ぜ状態。もう楽しいったらありゃしない。これほどの一体感を味わったライブは生まれて初めてだ。
曲の終わり際、祐樹君がステージに上がる。卓治も上がる。この時、このライブでようやくステージが活用されたわけだ。まったくもって愉快。っつーか、ステージを使わない分、会場の使用料を割引してもらえばいいのに、と思っていた僕はセコすぎ?
二度目のアンコールで卓治が歌ったのは、『Passing Bell―帰郷』だ。20年を超える卓治のキャリアの中でも、まさに代表作と呼ぶに相応しい作品である。琴線に触れるどころか、琴線をかき鳴らされるような感覚に襲われる天下一品の名曲だ。
さっきまで大いに沸いていた場内が、今は別種の熱気に包まれている。観客は卓治の言葉に耳を澄ませながらも一緒に口ずさみ、何度も味わったであろう物語を追体験する。自ら命を絶った男の絶望に想いを馳せ、華やかな世界で孤独を味わった女の強がりを讃え、平凡に生きる男の弱音に共感し、裏社会で成功した男が吐く言葉に涙腺を刺激される。
必要以上に抑揚を付けることなく、淡々と卓治は歌う。それが逆に曲の世界観を深め、聴く側の想像力を喚起しているように思える。おそらく観客の半分以上が泣きながら聴いていたんじゃないだろうか。僕? ななな、泣くもんかいっ。男の子だもんっ。ぐすん。
というわけで、あまりにも感動的なライブは終了。『夜明け前』が入ってる鈴木祐樹のCD『東京フォークマン』を買って、僕は会場を後にした。あ~、楽しかった。卓治、祐樹君、研さん、スタッフのみなさん、お疲れ様! 一緒に歌った仲間たち、そして僕らの出番を温かく見守ってくれた観客の皆様に感謝! ホント、ありがとうございました。
その後、SKDさん、Nonたん、おこちゃま、それに東京から遠征してきたiijimaさんと一緒に居酒屋へ。いろいろ話したけど、一番盛り上がったのは何故か『純情きらり』の話題だった。超熱烈な卓治ファンであるiijimaさんがNHKの朝の連ドラの大ファンでもあったとは! ちなみに『純情きらり』では長女役の寺島しのぶに夢中のご様子でした。
* * * * * * * * * *
えー、昨日DVD『Naked“eyes”』が届きました。さっそく見ました。わわわわっ、どえりゃあ恥ずかしい!
ものすごく良いライブだったことは再確認できましたが、自分が画面に出ている箇所は二度と見たくありません。ははは。
<つづく>
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