来週は更新できないかもしれないので、2週間分まとめてドドドドッと行きます。
☆『最愛の大地』(アメリカ)127分
アンジェリーナ・ジョリー監督作! ボスニア紛争をテーマにした社会派作品のようです。本人は出演していないようですが、とりあえず観ないわけにゃいきません。
※上映館/伏見ミリオン座
☆『ワールド・ウォー Z』(アメリカ)116分
ブラッド・ピット主演作。謎のウイルスが人類を滅亡へと追い込む様子を描いたパニックスリラー……らしい。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/センチュリーシネマ/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
☆『パシフィック・リム』(アメリカ)131分
世界各国を襲撃する謎の巨大生命体と人型巨大兵器のバトルを描いたSFアクション……らしい。監督は『ヘルボーイ』シリーズなどのギレルモ・デル・トロ。菊地凛子や芦田愛菜など日本の役者も出演しているそうです。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
◎『少年H』(日本)?分
妹尾河童のベストセラー小説の映画化。戦前から戦後までの神戸を舞台にした家族ドラマ……らしい。監督は降旗康男。実際の夫婦である水谷豊と伊藤蘭が主人公の両親役、ってことも話題になってますね。
この原作、ずーっと読もう読もうと思ってたのに、未だに未読のままです。招待券を入手できたので、先に映画の方を観ることになりそう。
※上映館/ピカデリー/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
◎『マジック・マイク』(アメリカ)110分
男性ストリップクラブに集うダンサーたちが様々な出来事を経て自身を見つめ直していくさまを描いた人間ドラマ……らしい。監督はスティーヴン・ソダーバーグ。オトコの裸を見たい人は必見っぽいです。
※上映館/伏見ミリオン座
◎『トゥ・ザ・ワンダー』(アメリカ)?分
テレンス・マリックの新作! 前作『ツリー・オブ・ライフ』では観る者を途方に暮れさせた(よね?)わけですが、今回はどうでしょ。とりあえず映像が美しいのは間違いなさそう。
※上映館/名演小劇場/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
○『たいむすりっぷメガネ』(日本)?分
AeLL.というアイドルユニット主演の青春ファンタジー、らしいです。他愛ないアイドル映画だと思いますが、タイムスリップ映画が大好きでメガネをかけた女性も大好きなので、このタイトルにはそそられます。
※上映館/中川コロナシネマワールド
○『ムービー43』(アメリカ)94分
全米映画史上かつてない3G(下品、下劣、下衆)コメディ映画、だそうです。でもキャストはヒュー・ジャックマン、ケイト・ウィンスレット、リチャード・ギアなどなど超豪華。
※上映館/センチュリーシネマ
○『3人のアンヌ』(韓国)89分
韓国の異才ホン・サンス監督によるオムニバスで、主演は『ピアニスト』などのイザベル・ユペール。ちょい気になります。
※上映館/名古屋シネマテーク
『カルト』(日本)84分
白石晃士監督の新作。もちろん、ホラーです。
※上映館/シネマスコーレ
<桃まつり presents なみだ>
女性監督作品の特集上映。もう5回目になるそうです。4プログラム、計11作品を上映。
※上映館/名古屋シネマテーク
<韓国映画セレクション>
『僕の妻のすべて』『恋は命がけ』『ヨンガシ 変種増殖』の3本を上映。
※上映館/シネマスコーレ
<ショートトライアルプロジェクト>
※上映館/中川コロナシネマワールド
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<2013年8月16・17日公開作>
◎『タイピスト!』(フランス)111分
1950年代ノフランスを舞台に、ドジで不器用なヒロインがタイプ早打ち世界大会優勝を目指して奮闘する姿を描いたラブコメディー……らしい。
※上映館/伏見ミリオン座
◎『スクールガール・コンプレックス~放送部篇~』(日本)96分
女子高生をテーマにした写真集『スクールガールズ・コンプレックス』をモチーフに、少女たちの禁断の恋を描いた青春ドラマ……らしい。
※上映館/センチュリーシネマ/中川コロナシネマワールド
◎『モーニングセット、牛乳、春』(日本)85分
中年サラリーマンが若い女性との出会いを通じて若き日の情熱を取り戻そうとする姿を描いた人間ドラマ……らしい。監督は主にピンク映画で活躍してきたサトウトシキで、主演は平田満。
※上映館/中川コロナシネマワールド
◎『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』(アメリカ)89分
元泥棒の老人と超高性能ロボットが友情を育んでいくさまを描いたヒューマンコメディー……らしい。
※上映館/センチュリーシネマ
◎『ホワイトハウス・ダウン』(アメリカ)?分
ホワイトハウスが謎の武装集団に占拠されるそうです。同じような設定の映画、少し前にもありましたよね。こっちの監督は『インデペンデンス・デイ』『2012』などのローランド・エメリッヒ。
※上映館/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
○『エンド・オブ・ウォッチ』(アメリカ)109分
犯罪組織から命を狙われる羽目になった警官コンビの運命を描いたクライム・アクション……らしい。
※上映館/109シネマズ名古屋
○『スマイル、アゲイン』(アメリカ)106分
サッカーの元スタープレーヤーが、別れた家族との絆を修復するために奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ……らしい。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ
『陸軍登戸研究所』(日本)180分
第二次大戦中に様々な秘密兵器を開発していた旧日本陸軍登戸研究所をめぐるドキュメンタリー……らしい。
※上映館/シネマスコーレ
時間がなくなってきたので以下は説明文省略。
『ノーコメント by ゲンスブール』(フランス)99分
※上映館/名演小劇場
『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』(アメリカ)100分
※上映館/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
『劇場版「NHKスペシャル 世界初撮影!深海の超巨大イカ」』(日本/アメリカ)?分
※上映館/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
『アート・オブ・ラップ』(アメリカ)112分
※上映館/センチュリーシネマ
『スヌープ・ドッグ/ロード・トゥ・ライオン』(アメリカ)96分
※上映館/センチュリーシネマ
『異国に生きる 日本の中のビルマ人』(日本)100分
※上映館/名古屋シネマテーク
『ポドリ君の家族残酷史X 韓国の夜と霧』(韓国)73分
※上映館/名古屋シネマテーク
『高速ばぁば』(日本)?分
※上映館/シネマスコーレ
『ジョーカーゲーム 脱出』(日本)80分
※上映館/伏見ミリオン座
<ロマン・ポランスキー特集 女優図鑑>
『水の中のナイフ』『反撥』『袋小路』『ローズマリーの赤ちゃん』『ロマン・ポランスキー 初めての告白』の5本。
※上映館/名古屋シネマテーク
『太陽がいっぱい』(フランス/イタリア)118分
※上映館/名演小劇場
北乃きいが伏見ミリオン座に来るそうです。『上京ものがたり』の舞台挨拶だって。
http://www.eigaya.com/event/2013/08/08/jyokyo-movie-0825million/
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じゃ、この1週間で観た映画の感想を。
●終戦のエンペラー
数年前、『太陽』という映画が公開されたでしょ? あれを観た時、僕はすごく安堵し、なおかつ感動したもんです。なぜかっていうと、昭和天皇が「愛すべき存在」として描かれていたから。
多少奇矯な部分はあるものの、日本国民のことを第一に考えて苦悩に苦悩を重ねた誠実な人柄がよく伝わってきたからです。で、「ああ、ロシア人がこんな風に天皇を好意的に解釈してくれていたなんて」と感激したわけです。
そして数ヶ月後、今度は『硫黄島からの手紙』を観て、今度は「こんなにも日本の軍人を好意的に描いてくれるなんて」と感動しました。
※『太陽』の感想→http://gold.ap.teacup.com/toppa/436.html
※『硫黄島からの手紙』の感想→http://gold.ap.teacup.com/toppa/544.html
というわけで、根っから単純で単細胞な僕は、日本に好意的な外国映画を観ると素直に感動したり喜んだりするわけです。そういう意味では、この『終戦のエンペラー』も文句のない内容。軍部に関してはともかく、昭和天皇は『太陽』と同様に誠実で愛すべき存在として描かれていますし、日本人女性も慎み深く凛とした佇まいで登場していました。
にもかかわらず、この作品には『太陽』や『硫黄島からの手紙』のようなありがた味は感じられません。なんちゅうか、「こう描けば日本人が満足するだろう」という下心みたいなものがどこかに感じられてしまうのよ。アメリカ人は日本人を接待するために作ったような感じ、ってのは言い過ぎでしょうが、そんな風に感じてしまったのが正直なところです。
あと、すごく不自然に思えたのは、敗戦国である日本の軍人たちが、アメリカの軍人たちに対してものすごく高飛車であること。実際あんな感じだったのかどうかは僕には当然分かりませんが、観ている限りはどうも説得力が感じられませんでした。やたらとアメリカ人を弱腰に描くことで、当時のアメリカ軍部のイメージを塗り替えようとしている風に思えた、なんて考えるのは穿ち過ぎ?
と、なんか批判っぽい言い方ばかりしちゃいましたが、戦争について改めて考えさせる作品でありました。一見の価値は大いにあります。
●ローン・レンジャー
鉄道を使ったアクションシーンは、大昔のサイレント映画を現代風に甦らせたような趣き。「んなアホな」の連発ですが、だからこそ大いに楽しめます。
ただ、それ以外の場面が無駄に長いのよ。全体を回想形式にする必要もなかったように感じるし、どのキャラクターも魅力不足。アメリカであんまりヒットしなかった、というのも当然のように思えます。とはいえ、やっぱり鉄道でのアクションは一見の価値あり!
本はいろいろ読みました。簡潔に感想を。
●ホテルローヤル/桜木紫乃
直木賞受賞作。一軒のラブホテルが誕生し、やがて廃墟になるまでが連作形式で語られます。登場人物は、ままならない人生を送っている者ばかり。生きていくことの悲哀さがしみじみと味わえる作品でした。
●聖痕/筒井康隆
幼い頃に性器を失った男の物語。あまりの痛ましさに最初のうちは陰鬱な気持ちで読んでいたんですが、中盤からはひたすら愉快。これほど豊饒で幸福な読書体験は、そうそうあるもんじゃないでしょう。超オススメ。
古語をふんだんに使った文章は少々読みづらいものの、ちゃんと注釈があるので意味は大体分かります。お盆休みがヒマ、という方はぜひとも読んでみてくださいませ。
●クリエイティブ喧嘩術/大友啓史
『龍馬伝』で名を上げ、今や日本映画界を代表する映画監督になりつつある大友啓史が語る指南書、というか、仕事に於いての心構えを綴った書。自分の我を通すのではなく、周りのスタッフや役者の意見を取り入れる姿勢が素晴らしいです。
●abさんご/黒田夏子
芥川賞受賞作。横書きで平仮名多用、それに固有名詞を排した表現が続くという難解さが話題になりましたよね。尻込みしていた僕もやっとこさ挑戦してみたわけですが……シンドかった~。ものすごく読みづらくて、3ページぐらい読んでは休む、という繰り返しでした。
興味深かったのは、50年近く前に書かれた短編。鬱屈した心情を抱えた少女が学校をサボって山や海でぶらぶらと過ごす姿が描かれ、のどかな味わいを楽しめるわけですが、最後の2ページで、その安穏さは覆されます。思わず「ええっ」と声を出してしまいました。