ホント言うと、行こうかどうか3日ぐらい前まで迷っていた。今回のライブは、中ノ森BANDを含む3組での対バンである。しかも、どのバンドもメンバーは女の子のみらしい。つまりギャルバン3組によるライブなのだ。さぞかし居心地が悪いだろうなぁ、と考えるのは当然だろう。僕としては、高校生か20歳前後ぐらいの女の子が客の7割だと予想したのである。
以前、客の9割以上を女性が占めるライブで、こんなことがあった。スタンディングの会場で、インターバルの最中での出来事だ。最後部より少し前に立っていた僕は、不意に背中を小突かれた。なんだろうかと思って振り返ると、ものすごくニッコリと笑顔を浮かべた女の子2人が立っている。んん? どんな用件だろ? 男の客が珍しいので声をかけてくれたのか?
そう思った僕に向けられた言葉は、「ちょっとどいてもらえますか」だった。どいてもらえますか? 一瞬、耳を疑った。
さっき書いた通り、その時の僕は会場の最後部の少し前にいた。満員ではなかったので、僕の前には人が入れるスペースがまだまだ残っている。にもかかわらず彼女たちが僕に「どいてもらえますか」と言ったのは、「最後列でサクにもたれて見たいのに、前にアンタがいるから邪魔」ってことだろう。んなワガママな。じゃあ、さっさと前に行けよ。
そう思ったけど、その場で声を荒げるのもイヤなので、ほんの少しだけ僕は場所を移動した。その後もステージではライブが繰り広げられたわけだが、僕は全然楽しめなかったし、「若い女の子ばっかり集まるライブにゃ二度と行くまい」と密かに決意したのだった。
その誓いを破ってまで中ノ森BANDのライブへ行った理由は、この伸び盛りのロックバンドの演奏をナマで聴きたかったから、という一点のみである。
そして、開演時間を勘違いしていて結果的に開演ギリギリに会場へ足を踏み入れた僕は、自分の予想が大きく外れていることを知る。若い女の子ばっかりじゃないじゃん!
前の方はよく分からないが、僕の周囲を見回すと、見事なほどに年齢層が幅広い。明からに僕より年上の男性もいるし、同い年ぐらいとおぼしき女性もいる。もちろん若い連中が一番多いのだが、どちらかと言えば10代より20代の方が割合は高そうだ。男女比は半々ぐらいだろうか。
ちなみに、小さな子どもを連れた人もいた。ライブ中、足に何かがまとわりつくと思ったら、子どもが僕の足にすがりついていたのよ。これは笑えた。
さて、肝心のライブ。これが良かった! 予想以上。
とにかく演奏がお見事。音が太い。強靱。ホント、ここまで骨太かつ疾走感のある演奏をナマで聴けるとは思わなかったので、ものすごく感激した。
もちろんそれは、サポートギタリストであるJUNさんの力量に依るところが大きいだろう。この人、音楽学校のギター講師も務めているらしき凄腕なのだ。それと、音質が良いのは、E.L.L.の音響設備が優れていることが大きな要因でもあるだろう。でもさ、その2点を差し引いても(差し引く必要もないけど)、この演奏は立派。楽器を弾けない僕には技量の巧拙を判断することはできないが、これまで行ったベテラン・中堅のミュージシャンたちのライブと比べても決して遜色がないように感じたのだ。
そして、その演奏に乗っかるAYAKOの声が、実に張りがある。しかも歌詞が聞き取りやすい。
とはいえ、この「歌詞の聴き取りやすさ」ってのは、ロックコンサートにおいて諸刃の剣でもある。ほら、ボーカルを際立たせるためにそれ以外の音量を下げると、迫力が失せるでしょ? かといって、演奏の音量を上げすぎると、肝心の歌声が聴きづらくなる。なのでバランスが大切になるんだけど、この日の中ノ森BANDの場合は、それが完璧なほどにバッチリな匙加減になっているのよ。バンドの功績というよりスタッフが優秀だったおかげだろうけど、ともかくアッパレ。お見事。
特に素晴らしかったのが、ゴリゴリのロックンロールナンバー。序盤の『ポラリスピケトラ』『smile&wild』『cannonball』『Whatever』に圧倒され、中盤では『new world』に唸らされ、アンコールでは『キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)』のカバー(オリジナルはブルーハーツ)でノリまくり。
ちょうど節分だったので、アンコールではメンバー全員がステージ上で鬼のお面をかぶるなど、サービス精神も旺盛。ホント、楽しいライブだった。
<つづく>
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