メガに勝てない地場プロバイダの戦略(CTCのクラウドテクノキュービック0)
2015年頃には既に「メガクラウド以外」のプロバイダは生き残れないといわれてきた。
これは「同じことをする限り規模の勝負で負ける」ということだ。
つまり、違うことをしないといけないのだが、多くのプロバイダはそれに気が付かず
結局負け路線になっている。
とは言え、違うことを考え始めたプロバイダもある。これはそのひとつの良い例だと思う。
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TechnoCUVIC Zero|クラウドNG企業にとっての最適解
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このCTCのクラウドは日本でしかウケないだろう。
しかし、それでいいのである。 日本という地域の文化に密着すれば日本には受け入れられる。
同時にメガはそんな地域独自の文化に合わせる余裕はない。
その隙間(敵が攻めてこれない領域)で地位を確保するということである。
「クラウドNG企業にとって…」という着眼点が良い。
クラウドOK企業は所詮はメガクラウドに行く。
日本の場合、寄らば大樹の陰意識が強いので、欧米以上に、「クラウドならメガ」となるのは必定。
皆が買っている大手のスーパー、百貨店がいいという発想。
安心だから、メガバンクに口座を持とうという発想。
ゆえに、メガ以外が参考にすべきは
大規模店舗に負けずに生き残った地元商店街
メガバンクがあっても何とかやってる信用金庫
これらの作戦であろう。
これらがなぜ生き残れたのか?といえば、
①地域事情に立脚した需要に密着したサービス
メガは全国展開なので特定地域だけの需要に合わせた品揃えができない
②ターゲットを絞れることを活かしたきめ細かいサービス
メガは全国展開かつ多数顧客を抱えるので顧客個別対応が難しい
③大規模店舗に何らかの理由で行かない行きにくい顧客の取り込み
大規模店舗は郊外にある場合が多く、商店街は駅前や古くからの繁華街にある
遠出を嫌う顧客に地の利を活かしやすい
であろう。
これをクラウドサービス事業で同じように実現すればいいのである。
順に考えてみよう。
①地域事情に立脚した需要に密着したサービス
日本対ワールドという考え方になる。
日本という地域の独特の需要はなにか?
それは、DIYが嫌いで餅は餅屋というプロへの委託意識の強さである。
ゆえに日本には「ITのプロであるSIer(日本にしかない)」がある。
日本の企業はITを導入するときに、ほぼ必ずSIerに相談する。
ゆえに、企業需要に対応するにはSIerとじっこんになる必要がある。
つまり、SIerにウケるクラウドサービスであれば良い。
②ターゲットを絞れることを活かしたきめ細かいサービス
AWS等のメガクラウドは吊るしのサービス(部品)を揃え、客がDIYで自己責任で
部品を買い、組み合わせて何かを作る前提。
つまり、個客の個別の相談に乗る体制はない。
SIerは元々訪問営業なので個客の個別需要に合わせて商品を選んでくれる。
ゆえに、SI的なきめ細かい「相談に乗ってあげる」クラウドサービスであれば良い。
③大規模店舗に何らかの理由で行かない行きにくい顧客の取り込み
年寄りや忙しい金持ちは金はあるが、自分で手を動かして買い物するのは好きではない。
誰かの提案を求める傾向がある。
これは日本の企業のITに対するスタイルとも一致する。
日本の企業はグローバルと国内を分けて考えないと、まず、負けるだろう。
ここ20年くらい、日本の企業はアメリカ的発想を持ってきて国内で事業をする傾向がある。
しかし、これだと国内の文化に合わない。
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