徒然日記

内容非保証 ひだりのカテゴリーでフィルタすると、各ジャンルの情報だけ表示できるよ!

[意見]クラウドとは機能レンタルである 場所がどこかはではない

2022-02-19 02:07:32 | 製品クラウド

------------------------------------------------------
クラウドとは機能レンタルである 場所がどこかはではない
------------------------------------------------------

クラウドというと、
   『置き場所が自社に在ってはいけなくて、どこか遠い離れた
    場所にあるコンピュータを遠隔で利用するものだ』
と思い込まれているが、そうではない。

場所は遠いどこかでも、オンプレミスでもどこでもいいのである。
重要なことは、ある『機能』を対価を払って借りて(利用して)いるということである。


ここで重要なのは、『物』ではなく『機能』を借りるために対価を払っているということである。 物を貸してくれる『レンタル』や『リース』とはこの点が決定的に異なる。


機能を借りるとはどういうことか?
機能とは、ある役務の提供である。 それをしてくれるのが機械か人かは関係ない。
たとえば、ジュースの自動販売機は購入者が欲しい商品を指示すると、その商品を渡してくれるという役務をしてくれる。 これを実現することが機能である。

機能を実現する実態は何かというと、それは、『システム』である。 
システムとは
  『所定の任務を達成するために, 選定され, 配列され, 互いに連係して動作する
   一連のアイテム (ハードウェア, ソフトウェア, 人間要素) の組合せ』
と定義されており(JIS Z 8115による定義)、これが『機能』を提供する実体であると言える。


要するに、どういうことか?というと、
  機能レンタルとは、それを借りる顧客が『これをしてほしい』と要求する
  『機能すなわち役務提供』を実現する『システム』を機能保証付きで借り
  ているということである。

機能保証付きとわざわざ書いたのは、借りるのは、システムを構成する物(ハード、ソフト)ではなく、システムが『その目的を達成し続けられる状態を維持すること』を借りているということである。


こうしてみると、クラウドサービスが提供される『場所』がどこか遠いところでなければならない必須性はないのである。 オンプレミスに、顧客が望む機能を提供するシステムを作り、それを月額いくらかで顧客に貸せばよいのである。

さて、ここまで見てくると、ひとつのことに気づく
  『それって、いわゆるシステムインテグレーションじゃないの?』

はい。その通り。
買い取り方式でなかった場合のシステムインテグレーションは『機能レンタル』であり、それはクラウドと同じなのである。 

特に、昔の汎用機(メインフレーム)時代のシステムは高額だったこともあり、買取という形態は殆どなく、ハード、ソフト、その上のシステム設計構築、機能提供状態を維持するための稼働維持。これらをセットにして、月額ナンボでレンタルしていたのである。

時代が下って、オープンシステムの時代になってからは、
  ハード、ソフト、システム設計構築は買取(一括払い)またはリース(月払い)
  機能提供状態を維持するための稼働維持役務はシステム保守の名で月払い
というスタイルに変わってきている。

 

  では、なぜ、クラウドという名前で呼ばれるのか?
  システムインテグレーションでない理由は何なのか?

それは、クラウドが海外生まれ。 システムインテグレーションが日本生まれであり、日本と海外では、システムぼ作り方が違うからである。

海外には、システムインテグレーターなどという素晴らしい代行屋は存在しない。 海外では、ユーザ自身がハードやソフトを買い、システム設計をして、インストール、設定をして、システムを作り上げる。

海外においては、クラウドとは
  『いままで、あなたがしてきた沢山のこと(ハード購入からシステム構築まで)を
   クラウドサービスがやってくれますよ!
   あなたは使うだけ!』
という訴求効果がある。

ところが。。。
日本には、その立ち位置にシステムインテグレーターがいる。

ウィキペディアには以下の記載がある。
  日本におけるシステムインテグレーターはアウトソーシングの一環として流行った
  業態である。
  システム開発を、システムのオーナーとなる会社(クライアント)から一括請負
  して、完成までの責任を負う主契約の相手(プライム)になる。
  プライムは個々の作業を副契約の会社(サブコントラクター、サブコン)
  に発注する。

つまり、日本の企業は情報システムをDIYで設計構築などせず、外注(代行屋)に業務委託するのである。 つまり、日本におけるSIerとは、クラウドと同じなのである。


日本でクラウドが海外ほど流行らないのは、すでに、SIerという先客がいるからである。
さらに以下のような理由で、頼むならSIerの方が気が利いているからである。

  日本のSIは基本的には発注元に合わせたオーダメイドであり、
  それゆえに、最適化されている 体に合わせて作られた服

  日本ならではの、融通が利くという良さがある

  その分高い


これに対しクラウドサービスは

  特定の発注元の依頼を受けてから作られるのでなく、先回りで提供元の
  独りよがり的な想いでつくられた既製品であり、発注者の意向に必ずしも
  あわない 服に合わせて体を調整(痩せるとか)する必要がある服
  
  海外生まれなので、融通も忖度も効かない

  ケースにもよるが、SIより相対的に安い


このため、クラウドは貧者のITという位置づけとなり、資金のない新興企業にとっては(金がないのでほかに選択の余地がないが)良い選択肢となるが、財力がある大企業は、(SIに比べ、窮屈さを感じるだけの)クラウドにそれほど魅力を感じない。 


クラウドに限った話ではないのだが、コンピュータの世界の技術は多くは海外生まれである。 海外の事情に合わせて作られている、そしてその事情は日本と大きく異なることが多い。 そういった事情を考慮せずに日本でそのまま売ろうとすると、いまいち受けが良くないという問題に直面するのである。 

そのあたりをコンピュータ系の会社(特に外資系)の人たちはわかっていないことが多いと感じる。 彼らはそれが生まれた祖国と付き合いすぎていて、日本の文化から乖離してしまっているからである。 海外の事例なんか持ってきても、日本では背景事情が違うので全然通用しないのである。 でも、それに気づかない。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿