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[共感] シャープが国内社員全員に配った「感謝のしるし」の演出が憎い程にうまい
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14日にシャープの戴正呉社長は国内の全社員に「感謝のしるし」として金一封(2万円)と自社製品購入に使えるクーポン券(1万円)相当を配布したとの事です。 金一封は戴正呉社長のメッセージを裏面に記載した封筒に入れて手渡しされたとのことです。
朝日新聞の記事によれば、封筒は郵便の定型封筒のような感じで、白地に朱色の文字で右上に小さく、東証一部復帰記念、中央に大きく、感謝のしるしと書かれ、裏面には8行にわたる社長のメッセージが記載され、最後にサインが書かれています。
朝日新聞の記事 2017/12/14
シャープ、全社員に「3万円」 戴社長「感謝のしるし」
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20171214004843.html
社長のメッセージの内容が気になったので封筒の写真を探したところ、上記記事の写真はメッセージの全文を判読できるものでした。
画像は上記記事より。
これを見て感じたことは、感謝の気持ちを表すやりかたが非常にうまく、士気の向上に与える効果が大きいであろうという点です。 具体的に、列挙してみましょう。
(1) 「感謝のしるし」が現金+封筒という形あるもので表されている
(2) さらに、それが振込ではなく、本物の紙幣を手渡しする
という現物主義で行われている
(3) 手渡しに使われた封筒の東証一部復帰記念の文字は小さく、
感謝のしるしの文字は中央に大きく書かれている
(4) 封筒が白地に朱文字という、いわゆる紅白のデザインであり
日本で伝統的に慶事に使われる色彩を採用している
(5) 裏に書かれている社長のメッセージが8行という長すぎず、
短すぎない量になっている
(6) メッセージの中に書かれた言葉
こうした感謝の気持ちをこめて、ここに「感謝のしるし」
をお渡しします
日頃、皆さんを支えて頂いているご家族や友人へのプレゼ
ントや親睦会費用等にご活用いただければと思います。
全員一丸となって「人に寄り添うIoT(AIoT)」と「8Kエコ
システム」の実現に取り組んでゆきましょう
現金を封筒に入れて手渡す。というスタイルはお祝儀やお布施では当たり前に存在しますが、会社で行われることは最近少ないのではないでしょうか。 IT企業の効率感覚からいえば、
・現金は振込
・感謝のしるしを配布する通達はWebやメール
・社長のメッセージはWebに掲載
となるのではないでしょうか。 しかし、そうした場合、受け取った人の心に何かを残す効果はあるでしょうか? たぶん、あっという間に忘れ去られるのではなかろうかと思います。
封筒のデザインも良く考えられています。 配布のきっかけは東証一部復帰なのでしょうが、それはあくまで小さく、「感謝の気持ち」という言葉が最大の主人公として封筒の中央を占拠しています。 それも白地に朱色で。 これが黒文字だったらどうでしょうか?
社長のメッセージも読んで長すぎず、中身が空虚になる程短すぎず、封筒の裏面を使って2つのテーマを上手に伝えています。 最初のテーマは業績回復を支えてくれた社員への「感謝の象徴」として感謝のしるしを配布すると言うこと、用途を規制せず自由に使ってほしいという趣旨が書かれています。 後半では、これからも共に頑張ってゆきましょうと書かれています。
ここで感心した事は、社長のメッセージに重要なひとつのテーマが込められていると感じたことです。
それは、
「どんなに優秀なリーダーであっても、
その人ひとりではたいしたことはできず
共感し支えてくれる人たちが多数いるから
大きなことができる」
という事です。
もし、メッセージが
"東証一部復帰を記念して"、報奨金をお渡しします
全員一丸となって「人に寄り添うIoT(AIoT)」と
「8Kエコシステム」の実現に"取り組んでください"
と書かれていたらどうでしょうか? 受け取る側へ与える効果(士気の向上、一体感の醸成)はずいぶんスポイルされるのではないかなと思います。
今回の「感謝のしるし」の現金やクーポンは消費されて消滅するかもしれませんが、入れ物に使われた紅白の封筒は「感謝のしるし(象徴)」として各人の手元に残ります。 表面を出して飾るもよし、裏面を出して飾るもよし、両方を見せて飾るもよし、良い記念の品になるのではないかと思うわけです。
この発案が社長自身のモノなのかは情報がありませんが、たぶん本人の発想ではなかろうかと思ったりしています。
クサいとか、自己顕示的だとか言う人もあるかもしれませんが、リーダーシップで重要な要素には「演出」があるのです。 リーダーに重要なのは牽引力よりも求心力なのです。
[共感] シャープが国内社員全員に配った「感謝のしるし」の演出が憎い程にうまい
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14日にシャープの戴正呉社長は国内の全社員に「感謝のしるし」として金一封(2万円)と自社製品購入に使えるクーポン券(1万円)相当を配布したとの事です。 金一封は戴正呉社長のメッセージを裏面に記載した封筒に入れて手渡しされたとのことです。
朝日新聞の記事によれば、封筒は郵便の定型封筒のような感じで、白地に朱色の文字で右上に小さく、東証一部復帰記念、中央に大きく、感謝のしるしと書かれ、裏面には8行にわたる社長のメッセージが記載され、最後にサインが書かれています。
朝日新聞の記事 2017/12/14
シャープ、全社員に「3万円」 戴社長「感謝のしるし」
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20171214004843.html
社長のメッセージの内容が気になったので封筒の写真を探したところ、上記記事の写真はメッセージの全文を判読できるものでした。
画像は上記記事より。
これを見て感じたことは、感謝の気持ちを表すやりかたが非常にうまく、士気の向上に与える効果が大きいであろうという点です。 具体的に、列挙してみましょう。
(1) 「感謝のしるし」が現金+封筒という形あるもので表されている
(2) さらに、それが振込ではなく、本物の紙幣を手渡しする
という現物主義で行われている
(3) 手渡しに使われた封筒の東証一部復帰記念の文字は小さく、
感謝のしるしの文字は中央に大きく書かれている
(4) 封筒が白地に朱文字という、いわゆる紅白のデザインであり
日本で伝統的に慶事に使われる色彩を採用している
(5) 裏に書かれている社長のメッセージが8行という長すぎず、
短すぎない量になっている
(6) メッセージの中に書かれた言葉
こうした感謝の気持ちをこめて、ここに「感謝のしるし」
をお渡しします
日頃、皆さんを支えて頂いているご家族や友人へのプレゼ
ントや親睦会費用等にご活用いただければと思います。
全員一丸となって「人に寄り添うIoT(AIoT)」と「8Kエコ
システム」の実現に取り組んでゆきましょう
現金を封筒に入れて手渡す。というスタイルはお祝儀やお布施では当たり前に存在しますが、会社で行われることは最近少ないのではないでしょうか。 IT企業の効率感覚からいえば、
・現金は振込
・感謝のしるしを配布する通達はWebやメール
・社長のメッセージはWebに掲載
となるのではないでしょうか。 しかし、そうした場合、受け取った人の心に何かを残す効果はあるでしょうか? たぶん、あっという間に忘れ去られるのではなかろうかと思います。
封筒のデザインも良く考えられています。 配布のきっかけは東証一部復帰なのでしょうが、それはあくまで小さく、「感謝の気持ち」という言葉が最大の主人公として封筒の中央を占拠しています。 それも白地に朱色で。 これが黒文字だったらどうでしょうか?
社長のメッセージも読んで長すぎず、中身が空虚になる程短すぎず、封筒の裏面を使って2つのテーマを上手に伝えています。 最初のテーマは業績回復を支えてくれた社員への「感謝の象徴」として感謝のしるしを配布すると言うこと、用途を規制せず自由に使ってほしいという趣旨が書かれています。 後半では、これからも共に頑張ってゆきましょうと書かれています。
ここで感心した事は、社長のメッセージに重要なひとつのテーマが込められていると感じたことです。
それは、
「どんなに優秀なリーダーであっても、
その人ひとりではたいしたことはできず
共感し支えてくれる人たちが多数いるから
大きなことができる」
という事です。
もし、メッセージが
"東証一部復帰を記念して"、報奨金をお渡しします
全員一丸となって「人に寄り添うIoT(AIoT)」と
「8Kエコシステム」の実現に"取り組んでください"
と書かれていたらどうでしょうか? 受け取る側へ与える効果(士気の向上、一体感の醸成)はずいぶんスポイルされるのではないかなと思います。
今回の「感謝のしるし」の現金やクーポンは消費されて消滅するかもしれませんが、入れ物に使われた紅白の封筒は「感謝のしるし(象徴)」として各人の手元に残ります。 表面を出して飾るもよし、裏面を出して飾るもよし、両方を見せて飾るもよし、良い記念の品になるのではないかと思うわけです。
この発案が社長自身のモノなのかは情報がありませんが、たぶん本人の発想ではなかろうかと思ったりしています。
クサいとか、自己顕示的だとか言う人もあるかもしれませんが、リーダーシップで重要な要素には「演出」があるのです。 リーダーに重要なのは牽引力よりも求心力なのです。
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