ビジョンマネジメントな生き方

経営学(理論)と経営(実践)の
2つの現場を奔走するビジネス・メンターの独り言

闘論-「成果主義」は適切か(毎日新聞モニター)

2005年06月29日 | 経営、経営学、経営指導
 「成果主義」は適切か(2005年6月27日3面)を読んだ。株主重視経営か従業員尊重経営かという対立同様、最もホットで関心を引くテーマであり、興味深かった。
 読んでいて感じたのは「成果主義は日本型経営に対するアンチテーゼではない」という共通認識が確認されているのだろうかということである。これがないから、従来の年功序列で成功してきたから成果主義は不要であるなどという論調が幅を利かすことになる。
 成果主義の本質は、個々人の能力の適正な評価であり、それによって組織構成員のやる気を引き出すことにある。個人が持つ相対優位な能力は多岐にわたるがそれを評価して処遇に結び付けようとするものである。このこと自体に、日本型経営を否定する要素は何もない。日本企業がこれまで実践してきた人材育成の仕組みが損なわれるなどということとも別問題なのではないだろうか。
 成果主義と人材育成が相反するかのように言う人は会社に勤めたことがないのではとの北城格太郎氏の意見には頷ける。