ひかりとしずく(虹の伝言)

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韓国ドラマ『シグナル』~もう一人の私

2020-12-06 | ともこレポーターによる記事
「過去と未来は、現在は、どうつながっているのか・・・?」これがテーマの
『シグナル』という韓国ドラマを題材にした韓国社会の今を読み解くという講座、昨日受けました。
このドラマは韓国内での実際に起きた未解決事件や、変わった社会問題を孕んだ事件をドラマの中に使い脚色されていたことで、ドラマが放映されたことで新たに目撃情報が出たり警察がまた捜査を始めて(世論に押されて)捜査が進んだという現象まであったとのこと。驚きました。
ドラマ内の一つ、ハニャン大橋が崩壊してバスが落ちて行くシーンはリアルで悲惨でした。あの事故も本当にあり、現実は朝の通学バスに乗っていた学生が多数亡くなったとのこと。現実では、警察官の乗った車の方が先に道路と一緒に落下して、警察官は無事で、その後で、バスが転落して、乗客が重傷を負って、下にいた警官たちが対応をしたという事態があったとのこと。
また、手を後ろでくくったまま首吊りをした死体が発見された事件や、女子誘拐の犯人が意外な人物であった事件などなど。
主演イ・ジェハン刑事を好演したチョ・ジヌンさんが『シグナル』に出演を決めたのは
「20年後も…そちらも同じですか?
権力と金があれば守られて、無ければ守られない。
それほど時間が経てば何か変わっているでしょう?」
というセリフで。と。
大韓民国の一国民として投げかけたかった言葉だったと。

チョン・テイルさんの映画も紹介あり、濃い2時間でした…。
労働組合を作ってデモをしても繰り返し阻止されて、とうとう、自ら灯油をかぶり労働基準法の本を先に燃やして「俺たちは機械じゃない!」と叫びながら焼身自殺で訴えた方です。
焼身自殺するなんて、よっぽどこの世界に、自分の命を持って訴えたかったのです。
彼は、自分一人ならそこまで困窮していない暮らしであったはずなのに、日本の錦糸女工のように飲まず食わずで働き肺炎になって死んでいく女工たちのことを訴えていたと、昨日知りました。
今は、あの頃よりは、一般的に生活がレベルは上がっているけれど、正規雇用の割合は下がっています。
50年前の彼から、電話や無線機で、
50年後の世界はどうですか?と、聞かれたら…
講師のイ・ヨンチェさんは、韓国では、
キャンドルデモがなされて、政権交代があり、まだ、良かった。と、言っていました。
翻り、私はこれからもまだまだ頑張らなくては…。
米軍基地のこと、原発のこと、大規模風力発電のこと、食の安全なこと、環境問題、労働環境のこと…暮らしにくさはあちこちに潜んでいます。
過去と未来の間の現在(今、ここ)が問われているのですね。


過去と未来は、現在はどうつながっているのか。今、現在に生きている人にとって過去と未来はどんな意味があるのか。
現在にとって、どういう意味があるのか。
現在の生き方によって、過去も未来も変えられる。

このドラマの脚本家はキム・ウンヒという人で、この人の作品でイ・ビョンホンとスエ主演の映画『夏物語』、『サイン』『キングダム』『幽霊』があります。『夏物語』は大好きな映画です。『シグナル』も大変楽しめたので、他の作品も追々鑑賞したいと思います。



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