♪あなたと結ぶ福祉の輪♪

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いっぽいっぽ-まどか10歳-9

2007年12月20日 | Weblog
「こんにちは」教室に入ると、既に生徒たちが席について待っていた。
真剣なまなざしに、思わず緊張してしまう。

 神奈川県立相模原高校での「出生前診断を考える」
という特別授業に、私ともう一人、ダウン症の子を持つ友人が招かれた。
医療現場で働く人や障害者とともに、生きる人から話を聞き、命の尊さを
考えるのが狙いという。

 出生前診断は、妊娠中に、胎児に障害があるかないかを検査することだ。
その是非をめぐり、生徒たちからインタビューを受けた。
最終的に、先生と9人の生徒たちが冊子にまとめ、授業の教材として
使うとのこと。

 私も友人も出生前診断は受けていない。授かった命を生まれる前に
選択すべきではないと強く思っている。
今回のテーマに的確に答えられるかと不安だったが、障害の子どもと
ともに歩み、学んだことを未来を築く若い人たちに、是非聞いて欲しい。
そう思った。

「産む選択は正しかったと思いますか」
「障害のある子を持って苦労したことは」
「障害を今、どのように捉えてますか」・・・。

生徒たちからは様々な質問が出た。

もちろん答えは「産んで良かった」である。
きれいごとを言いたいのではない。無知でいることの怖さを
伝えたかった。まどかと出会う前の私が、もし妊娠中に医師の勧めで
検査を受けていたら、まどかはこの世に誕生していなかったと断言できる。

出産時こそ、ショックに打ちひしがれたが、一緒に暮らしていくうちに、
ダウン症の子のピュアで優しい性格を知った。
まどかは、我が家にとって、なくてはならない、かけがえのない存在だ。

それを考えると、おなかに命が宿った瞬間から、命はその子のものであり、
親や周りが選んではいけないとつくづく思う。
生徒たちが最後に言ってくれた言葉に、とても感激した。

 「出生前診断を機械的に考えていたが、障害のあるわが子を産んで
良かったという言葉を聴いてよかった」

「まずは知ること、共感することが大切だと思いました」

「優しい社会をつくることを僕たちも手伝いたい」

もうすぐ受験で大変なときに、あえてこの問題に取り組もうと
考えてくれた生徒たち。心が温かくなった1日だった。


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