東京リサーチ日記

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「ドイツの節約の勧め」

2020-12-18 00:00:00 | 日記
 2020年12月18日、ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏債務問題の解決策として各国に「節約の勧め」を説き、ドイツ国内での支持率上昇につながったが、足元ではドイツ国民自身が2015年現在、借り入れを大幅に増やしている。ドイツの信用情報会社シューファによると、ドイツ人は2014年、平均して8700ユーロ(約9650ドル)の融資を受けており、2013年と比べ約10%増加した。2015年もさらに増加すると予想されているのだ。ドイツ人は伝統的に借金を嫌い、倹約・貯金を旨としてきた。実際、ドイツ語で「債務」を意味する言葉は、同時に「罪」という意味も持っている。ところが、その堅実な国民性に最近、変化が生じているのだ。メルケル首相と独政府はユーロ圏危機に伴い、債務を増やして景気浮揚を図るのではなく、財政健全化を優先すべきだと主張。ショイブレ財務相は、ギリシャ支援交渉で経済改革など厳しい条件をつきつけた。こうした姿勢はメルケル首相の国内での人気を高めたが、ユーロ圏諸国の不興をかった。またユーロ圏諸国は、輸出で潤うドイツが財政支出に積極的でないことに不満を持っており、欧州で最も裕福なドイツ国民がどんどん消費し、域内の景気回復を後押しすべきと考えている。ドイツ国民は今や、「もっと支出を」というユーロ圏諸国の要求に応えつつある。ドイツでは労働市場が堅調、賃金も上昇するなど、景気は力強さを増しており、これに意を得たドイツの消費者は、金利が非常に低いこともあって、積極的に借り入れを増やし消費に励んでいる。家計や消費経済を専門とするボン大学のミハエル・ブルクハルト・ピオルコフスキー教授は「経済や賃金が安定していることから、安心して先々の計画を立てることができる。金利も低いため、融資の条件も良い」と指摘し「借り入れが流行しているのもうなずける」としている。シューファのデータによると、新規融資の件数は昨年、若干減少したが、平均借入額は増加した。新規の分割払い融資では初めて、1万ユーロを超える大型融資が1000ユーロ未満の小型融資を上回ったのだが、2020年現在は ・・・(井森隆)