「メジャーの打法」~ブログ編

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ナックル(20)

2008年06月10日 | ナックル
 球を押す。

 では、普通の投法に指の動作を組み込んで、ナックル投法が出来上がるのか?

 ウェイクフィールドのインタビューには
Even though you're using the mechanics of throwing, it's more of a shove to the plate than a throw to the plate. The shove is what keeps the ball from spinning.

投げていることに変わりはないが、投げるというよりもむしろ突き出す(shove)という感じで、それが球の回転を抑える。


という表現がある。ニークロはテレビレッスンで動画2のようにやって見せ、押し出すことを強調していた。ナックル投手に押し出すあるいは突き出す感覚を与えているのはどういう動作なのか?

 押すという言葉の日常的な用法に沿って素直に解釈すれば、「上腕三頭筋を使う」ということになるだろう。砲丸投げなどの突き型(pushlike m.)では何の問題もない。ところがナックルのばあいは打ち型(throwlike m.)だ。肘の伸展に三頭筋が使われているのか? 

 投球では肘の伸展に対する三頭筋の寄与は小さいとされている。Feltnerら(1986)が動作解析法を用いてそのことを明らかにしたのは有名な話で、「投げる科学」p103にも引用されている。このことはもはや常識となっていて、「ではなぜ伸展するのか?」がひところ話題になったのはご存知のとおりだ。

 ナックル投法が三頭筋を使っているとなると、普通の投法とはかなり趣きが違ってくる。

 (続く)



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