野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

奥武蔵へようこそ 2023年12月10日 朝日稲荷神社を訪れる 正丸駅から吾野駅

2023年12月14日 | 奥武蔵へようこそ
(御岳山頂上)

先月の山歩きで奥武蔵ロングトレイルの整備によってできた新ルートと三社から御岳山へのルートが積み残しとなっていた。今年から厳冬期の山は歩かないことにしているのだが、週末は暖かいという予報となっていたのでこれら積み残しの部分のみ歩くことにした。

正丸駅から三田久保峠を経て中組
先月と同じ電車に乗って正丸駅に降り立つ。前回は紅葉のハイシーズンの割に天気が悪くて思ったより人出が少なかったのだが、今日は正丸駅を降りる登山者が意外と多い。季節外れの暖かさに誘われた人が多いのだろうか。まずは国道に出て林道北川正丸線の入口である神平を目指す。それなりに長い舗装路歩きで夏場はしんどい思いもさせられる道も、真冬の今日は足取り軽く、出発から15分ほどで神平に着く。

(お馴染みとなった神平)

今日は集落内を通らずに林道を10分歩いて三田久保峠への分岐に着く。沢沿いの山道を上がっていると自分以外の鈴の音が聞こえてくる。振り返るとボクの後を一人の登山者が登ってきていた。あまり人の歩かないルートと思い込んでいたのだが、ツツジ山から三田久保峠が整備されたこともあって歩く人は増えているのだろう。沢沿いから朝一としては厳しい九十九折を登り切ると三田久保峠に着く。標識がある以外には何の変哲もない尾根の一地点という雰囲気は相変わらずだが、昨年見かけた奥武蔵ロングトレイルの標識が無くなっていたのが少々気になる点ではある。

(林道北川正丸線を上がる 国道方面を見下ろす)


(沢沿いの道を行く 基本左岸に道があるのだが一か所右岸に渡る所がある)


(三田久保峠 今日は正面の尾根を行く)

前回はズルして林道を使ってしまったが、今回はできるだけ奥武蔵ロングトレイルのルートに沿って歩くことにしたい。そこでまずは548m峰を越えていくことにする。三田久保峠は訪れることが多いのに対して548m峰を訪れるのは2016年以来だ。整備が入ったこともあってか道は明瞭で特に迷うことなく548m峰の頂上に着く。以前と異なるのは頂上を示す赤テープが無くなっていることくらいだ。

(548m峰の頂上 山頂を示すものが無くなっていた)

548m峰からは狭い急坂を下る。2016年の際には登りに使ったのでこの急坂には面食らってしまった。岩場の細い尾根なので慎重に下っていく。トレイルランのルートにしては危険な道という感じはする。急坂を下り切ってホッとしたのも束の間、今度は東の擁壁に付けられた石段に向かって道を探す必要がある。東側を見つつ下ると奥武蔵ロングトレイルの標識が付けられ、擁壁への道が延びている。ここも急な道で擁壁上へ出る直前辺りの状態がかなり悪い。北川正丸林道に下り立つとガードレール脇にまたも標識がある。一応わかりにくいと感じる所に標識は付けてあるようだ。

(狭くて急な下り坂 見た目以上に歩きにくい)


(東の擁壁へと下る所に標識がある)


(林道に下り立つ 擁壁に石段があるが・・・)


(石段の向かいにも標識がある)

林道を南へ下っていくと513m峰へ尾根を乗り越す地点の手前に林道が延びている。奥武蔵ロングトレイルの標識が立てられ、ここが中組へと下る道で間違いないようだ。ちなみに奥武蔵ロングトレイルが整備される以前から正丸駅や天久保山へ向かう登山者によって利用されている道であり、奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)に掲載されている入口でもある。林道を入ると左手に伐採地が見えてくる。ここは東に延びる尾根の分岐で迷い込まないように木で道が塞がれている。道なりに進むと今度は513m峰への尾根が分岐する。

(ここから再び奥武蔵ロングトレイルに入る なお天久保山への縦走路もここから入る)


(入口からすぐの所にこの分岐がある ここは道なりに)


(道なりに進むのが奥武蔵ロングトレイルのルート 右の尾根道は513m峰へ至る)

513m峰への尾根を見送って513m峰を巻く林道を下っていく。すると正面に尾根道、右手にトラバース道という分岐に出る。ここは真東に尾根が延びている所で、前回正丸駅からの尾根道に接続するトラバース道を延々と歩いた末に辿り着いた所でもある。北から林道を下ってくるとトラバース道側にロープ柵の残骸が落ちているのが見えるので、やはりこの尾根道が中組へ下りる道で間違いないようだ。尾根道を下っていくと尾根を乗り越してトラバース道へと変わる。道なりに下ると尾根を掘り割った切通が見えてくる。切通を通ると尾根道とトラバース道に分岐するが、前回と同じくトラバース道に入る。九十九折に下っていくと谷筋を下る道が見えてくる。これは前回谷入へと下ってしまった道だ。中組への道は谷入への道を見送って大きく登り返している。ここからは初めて歩く道だ。かなり急な登り坂が続いて体力的に厳しい。ここを登り切ると比較的緩やかなトラバース道が続く。尾根を二ヶ所越えると道は九十九折に下っていく。途中トラバース道が分岐する所には奥武蔵ロングトレイルの標識が付けられている。久しぶりにこの標識を見た気がする。

九十九折から谷筋を下る道へと変わり、薄の藪を抜けると民家が見下ろせる辺りまでやって来る。道が二手に分かれるが左のほうに一筋の踏み跡がある。踏み跡を辿っていくとロープを張ったゲートが見えてくる。ゲートを回り込むと今歩いてきたルートはNPO法人奥武蔵グリーンリゾートが管理する道で環境整備料を徴収している旨書かれた看板が掲げられている。ボク自身は入山料という考えには賛成で奥武蔵でも人の多いルートは徴収したほうが良いと思っているのだが、他方簡易に支払える場所は確保してほしいところではある。とりあえずゲートを通過したが支払場所がわからない。ウロウロしていると地元の山仕事の男性に声を掛けられる。事情を話したところ今回はそのまま通過してよいという。ひとまず了解は得たものの許可を得ないで歩いてしまっているので、今回はルートのあらましだけ記すことにして写真は掲載しないものとした。また一般の利用は許可を得ない限り出来ないものと考えたほうがよいだろう。

(中組の入口にこの看板が掛けられたゲートがある 通過するだけなら入山料は100円以上とのこと)

三社から御岳山を経て秩父御嶽神社
ゲートから出た所はちょうど谷入への分岐がある辺りで、中組から三社までは長い舗装路を歩く。今日は舗装路歩きが長くなるのを予定してトレランシューズを履いてきたのだが、三社の集落に入る頃には固い舗装路のせいで足の裏が痛くなってしまった。最初の分岐である薬師堂公園を見送り、前回と同じく龍岩公園までやってくる。前回は公園の中を通り過ぎただけだったのだが、国道から見ると公園にある小山の上に石碑があるようだ。石段を登っていくと頂上は広場になっていて大きな忠魂碑が置かれている。周囲は成長した木々に囲まれているが、木の間越しに三社の集落を見下ろすことができる。

(中組の自治会館 この近くから北川の岩場へも行ける)


(西武秩父線を見上げる)


(白山神社)


(高畑川 右岸沿いの道を行くと不動三滝へと出られる)


(椚平の自治会館 西吾野駅から国道へ出る道の途中にある)




(薬師堂公園)


(国道沿いに我野神社の碑がある)


(龍岩公園 東林寺の向かいにある)


(龍岩公園からの景色 左に見えるのは吾野の公民館 中央奥は吾野小学校)


(小山の頂上には大きな忠魂碑がある)


(南西側の様子 三社の集落を見下ろせる)


(吾野小学校も見える 山の紅葉は既に終わっているようだ)


(三社・御岳山周辺地図 出典:国土地理院発行2.5万分1地形図 地理院タイルに赤文字等を追記して掲載)

忠魂碑のある頂上から西へ下ると我野神社の裏手に出る。拝殿へ回ると神社のしおりが一部だけ置いてあるので中身だけ撮影することにした。しおりを読んでみると先ほど訪れた忠魂碑のある小山には亀井山という名があるという。また社殿は権現造という様式で建てられているという。飯能市の山中には拝殿と本殿の二棟の建物が一体化したものを見かけることが多いのだが、これらを権現造というらしい。

(我野神社の社殿 権現造という様式だそうだ)


(神社のしおりはこんな具合 著作権の問題もあるので画像は小さめ)

社殿の正面にある鳥居を出て左に進むと橋が見えてくる。橋の下を流れるのは高麗川だ。河原へ下ってみると川の水が随分と澄んでいる。冬場で水が澄んでいるのは当然ともいえるが、今年は秋に台風や大雨が無かったことも影響しているように思う。橋を渡ると川側に休暇村奥武蔵、山側に朝日稲荷總本社登拝口がある。奥武蔵登山詳細図を見ると神社から御岳山へと向かうことができるようなので、登拝口から神社まで登ってみることにする。

(我野神社の鳥居 国道にあった石碑から来るとここに出る)


(橋の下の河原から高麗川を望む)


(右岸から見る橋の様子)


(朝日稲荷總本社登拝口)

石造の鳥居を潜ると右手に石段が延びる。傾斜は緩いのでそれほどきつくない。石段を登り切ると狐の像が出迎えてくれる。その奥の鳥居を潜ると道が二手に分かれる。右手は急な石段が拝殿まで続いている。左手の道は緩い石段が延びている。赤い鳥居を潜って左の道に入ると石段はすぐに土留めの木段になる。木段は痛みが激しい所があるものの、急な石段を登るよりは遥かに歩きやすい。九十九折に登っていき、最後は手すり付きの石段を上がる。石段を登り切った先には山中にしては大きな社殿が立っている。こちらは権現造にはなっておらず、渡り廊下で社務所と一体になっている。web上で検索してみると現在は朝日稲荷神社と称するのが一般的であるようだ。

(鳥居を潜りまずはこの石段を上がる)


(鳥居の手前にある夫婦の道祖神)


(狐の像)


(右の鳥居は急な石段へと通じる)


(左の赤い鳥居 ここから登る)


(九十九折の道はこんな感じ)


(最後は石段を登る)


(朝日稲荷神社の社殿)


(社務所)


(社殿と社務所が渡り廊下でつながっている)

先述したように奥武蔵登山詳細図や地形図を見ると朝日稲荷神社から御岳山へと道が延びているように描かれている。社務所の奥に道が延びているのかと探ってみるもののトイレしかない。神社の周囲を見回すと拝殿の左手裏にフェンスの切れた所があり、そこから下から上がってきた林道へ出ることができる。この林道は休暇村奥武蔵の入口脇にあった東郷公園への道が上がってきたものだと思われる。林道を上がるとすぐに御岳山を示す真新しい道標がある。簡素ながら確りとしたつくりなので山の管理者が立てたものかもしれない。

(社殿の左手裏にフェンスの端がある)


(朝日稲荷神社から林道に出る)


(九十九折は結構急な道 右手に道標が見える)

傾斜の急な坂を登り切ると林道は尾根を越えてトラバースしながら更に延びていく。尾根道も分岐するが案内などは特に無いので道なりに林道を進む。今度は林道が上下に分かれるがここには東郷公園を示す道標がある。傾斜が緩く下草も無い林道を進んでいるとまたも道が分かれる。御岳山を示す小さな標識のほかに地面に倒れた東郷公園を示す道標もある。奥武蔵登山詳細図でも東郷公園へ向かう道は御岳山を経由していないので、ここが分岐で間違いない。御岳山を示す小さな標識に導かれるままに林道を更に道なりに進んだのだが、これが間違いだった。

(林道にも分岐があるがそこは道標が完備している)


(御岳山・東郷公園の分岐)


(分岐にはこの道標がある よく観察すると尾根道があるのだが見落としていた)

林道は傾斜を増しながらトラバースを続けていく。何の疑いもなく登っていくと道の中央に檜の幼木が現れる。一応脇を人が通れそうなスペースはあるが、幼木は途切れなく植えられており、どうも人が通ることを予定していないように感じる。幼木の枝や下草に行く手を阻まれつつ何とか進む。しかし一向に山頂らしきものが見えないだけでなく、尾根の上に出る様子もない。そこでスマホのGPSアプリを使って現在地を調べると吉田山(445)の北東斜面にいることがわかった。どうやら東郷公園への道を分ける所で尾根に上がらなければいけなかったようだ。藪の中を戻ると途中尾根に向かって踏み跡が延びている。おそらくボクと同じく道を間違えた人たちが使っているのだろう。踏み跡は薄いが何となく上に向かっており、できるだけ傾斜の緩い所を選んで登っていくと正規の登山道に出る。そこから3分ほど登れば御岳山(現地標識にて標高370m)の頂上に出る。東郷公園への分岐から20分もかかってしまった。

(分岐から林道を上がってくると檜の幼木に道を阻まれる ここで引き返していれば・・・)


(林道の途中に何となく踏み跡を見つける 道を間違えてここから上がらざるを得ない人が多いのだろう)


(正規の尾根道に出た 結構急な坂)


(御岳山の頂上)

御岳山から秩父御嶽神社へは明瞭な道が延びる。傾斜もそれほど急ではなく、5分で秩父御嶽神社の大きな建物の裏手に着く。奥社かとも思ったのだが、秩父御嶽神社のwebsiteを見る限りではここが本来の拝殿という扱いであるようだ。拝殿の前には下から続く長い石段があるが、今日はこれを避けて九十九折のスロープを下る。紅葉のピークはとっくに過ぎているものの、観光客は多く、息を切らせながら拝殿へと登って来る姿を見かける。下っていくとまだ色付いた葉を残す木もあり、今年最後の紅葉を楽しむ。石段の下に着いた後も麓の芳延集落に出るまではまだ10分ほどかかる。麓まで下ると社務所と里宮遥拝殿があり、100円を賽銭箱に入れることにする。今日は山中にある境内を通ってきたので前回の入山料代わりとして納めることにしたのだ。

(御岳山から秩父御嶽神社への道 山頂直下以外は緩やか)


(秩父御嶽神社の社殿)


(名所ともいえる急な石段)


(今日はスロープを下る)


(紅葉が残る所もある 見えている建物は三笠山神社)


(日本武尊の祠からの眺め)


(祈祷殿)








(祈祷殿付近の紅葉)




(石段が終わるとスロープが続く)


(ここを下ると里宮に出る)

境内を出て前回と同じく高麗川沿いの歩道を行く。この前見かけた民家前のモミジ林はすっかり色褪せていた。吾野駅に着くと駅前のモミジ並木も紅葉を終え、観光客の姿も疎らだ。それでもホームで電車を待っている内に結構な数の登山者がやってきて車内の席が埋まるほどになった。ボクにとっては今年最後の山歩きとなったが暖かくて歩きやすい一日だった。入山料の未払いや御岳山での道迷いなど心残りはあるが、これらは来年以降時期を見て解決していきたいと思っている。

(芳延集落の紅葉)


(民家前のモミジは紅葉が終わっていた)


(ちょうどラビューが通り過ぎていった)


(西武秩父線沿いの歩道)

DATA:
正丸駅7:11→7:27神平→7:51三田久保峠→7:59 548m峰→8:10林道北川正丸線→8:19 513m峰との分岐→9:09中組集落→9:22白山神社→9:27高畑川→9:41西吾野駅下(椚平自治会館)→9:58我野神社・龍岩公園10:12→10:18朝日稲荷總本社登拝口→10:25朝日稲荷神社10:29→10:37東郷公園への分岐→10:57御岳山11:01→11:06秩父御嶽神社・東郷公園11:33→11:55吾野駅

地形図 正丸峠 原市場

交通機関
西武池袋線 小手指~正丸 419円
西武池袋線 吾野~小手指 387円

関連記事:
 平成28年5月1日 天久保山から松尾山を経て顔振峠
 2021年10月16日 周助山から吉田山
 2023年11月26日 高山不動の紅葉 正丸駅から吾野駅

林道北川正丸線から中組へと下る林道は入山料(100円以上)の支払が必要とされています。正丸駅から513m峰を越えて林道北川正丸線へと至る尾根道については現状範囲外であると思われます。
三社から御岳山を経て芳延へと下るルートは道を間違わなければ軽いハイキング程度です。ただ御岳山から三社へは山頂直下がやや急なので、心配な人は三社から芳延へと抜けるのが安全だと思います。

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