goo blog サービス終了のお知らせ 

屋久島喫茶日記 育児編

自家焙煎珈琲と古書の店「一湊珈琲焙煎所」

陣痛読書

2009-11-15 15:20:07 | 豆太郎の新生児期
出産にあたって、「へぇ」と思ったのが、出産に何時間かかったとかとか、いろいろ聞きますが、その間ずっと痛いわけではないということ。
むしろ痛くない時間に、痛い時間が時おり短く挟み込まれる感じ。
その時間がどんどん逆転してきて、痛みも強くなってきて、グワンと痛さの大波がきて、するんと赤子が飛び出てくるのです。
これを知ったとき、どれほど安心したことか。
出産に何時間かかったとかなんとか、その間ずっと痛かったら、「早く帝王切開してくれ~」なんて気分になりそうですが、
これならなんとか耐えられそう。

もちろん、時間や痛みの個人差は激しいようですが、母の場合、陣痛らしきものが始まってから、本気で痛くなるまでちょうど1日。その間、3食とったり、寝たりしております。
それでもまだまだ「ヒマ」。

予定日より早かったこともあり、出産準備バッグを事前に用意していなかった母。自分の着替えなど、あれこれ詰め忘れたバッグの中に、なぜか文庫本2冊。藤原新也の『丸亀日記』と『東京漂流』。
「出産前後に目を使うといけない」とよくいわれていますが、あまりのヒマさに、この2冊を読みながら、産院の和室でひとり、過ごしておりました。

妊娠後期にハマった本や映画、DVD、よく聴いた音楽。
豆太郎が成長した時に、この本に既読感を抱いたら面白いなぁ。
胎児も耳は聞こえているので、映像や音楽だったら、なんかなつかしいとか、知ってる気がする、なんて。

そして、目の話。
特に視力が落ちたということはなかったけど、普段より目が疲れやすかったような。
出産祝いの差し入れに本を持っていくとしたら、字大きめ、写真多めがいいかもね。

「泣いても、いい子」

2008-10-28 14:43:59 | 豆太郎の新生児期
産院に滞在中、助産師さんのひと言です。
「今日は(あまり泣かなくて)いい子だったね~」と言ったあと、あらうっかりという様子で付け加えてくださった言葉。
確かに、泣いても寝なくてもおっぱい飲まなくても、いい子いい子。
泣かないといい子なんて、世話する側の論理です。
くじけそうになった時は、この言葉を声にして、退院後の大変な時期を乗り切りました。

まばたきの秘密

2008-10-19 14:08:11 | 豆太郎の新生児期
まだまだ新生児期の発見はつづく。

ある日、産まれて数日の豆太郎を抱きながら、父が一言「まばたきしないね」。
いわれてみれば、ほとんどしていない。まぶたの筋肉が未発達なためでしょうか。
そのかわり、瞳はいつもうるおってキラキラしています。
新生児に神様っぽい印象を受ける理由のひとつは、ここにある気がします。
映画「羊たちの沈黙」で、レクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスは、この映画の重要なシーンであえてまばたきを控えているそうです。カリスマっぽさや、この世のものではない印象を与えるためのポピュラーな演技法のよう。

最近では、新生児期の神様っぽさはどこへやら、むっちり太って、まばたきは人並み。四コママンガのキャラクターといった雰囲気の豆太郎です。

おしりにイソジン(オムツかぶれ)

2008-07-26 17:46:05 | 豆太郎の新生児期
不機嫌の理由その3 オムツかぶれ

  母乳に下剤的な働きがあるためか、うんちが出る出る。1日5回でも10回でも、オムツを替えると必ずといっていいほど、炊きたてごはんの香りの「大」が生産されています。
  当初は、オムツを替えるタイミングもつかめず、気がついたときはおしりは赤く。退院して1週間くらいのことです。
  まめにオムツを替えて、清潔にすることが肝要らしいのですが、それにプラス、イソジンで消毒することにしました。オムツ替えのつど、ぬるま湯で薄めたイソジンで、おしりをふくという方法。1週間ほどで、きれいなぷるぷるおしりになりました。緑茶でふくという方法もあるらしい。
  イソジンと言えば、うがい薬ですが、助産院で乳児湿疹に使っていたのをみていて、真似してみた次第。当初使っていた紙オムツから、義母が用意してくれていた布オムツに替えたことで、経済面の心配なく、頻繁に心置きなくオムツを使うことができました。
  また、布オムツに替えたことで、おしっこで、着物を濡らすこともなくなりました。豆太郎は小柄なので、普通の新生児用紙オムツの胴回りがブカブカだったのです。新生児期こそ、布オムツ。
  ちなみに、オムツをきっちりオムツカバーの中に入れ込むのがポイントなので、カバーは気持ち大きめの方が便利です。コットン100%で安いオムツカバーは、水分が染み出てくることがあるので、安いポリエステルの物か、しっかり防水加工が施されたコットンがおすすめ、とは、オムツマスターの友人の弁。

  近ごろでは、胃腸が発達してくるにしたがい、ウンチの回数も1日1~3回程度になり、オムツ替えの回数も減ってきました。汗を大量にかくためか、おしっこの回数も若干減っているような。今は、夏場の蒸れ対策もあって8:2の割合で紙オムツをメインに使ってます。

仔猫の豆太郎(体温調節能力の低さ)

2008-07-19 14:20:36 | 豆太郎の新生児期
不機嫌の理由その2 体温調節能力の低さ

とにかく人にくっついてないと眠れない豆太郎。
寝入ったと思って、布団に下ろすとすぐに泣き出します。
小さな豆太郎を抱いて、一緒に布団に転がっているのは、ひしめき合って眠る仔猫や仔犬のイメージ。
以前、1週間ほど、仔猫を預かったときのこと、普段は気ままに遊び回っている仔猫が、眠くなるとからだを寄せてきていたのを思い出します。豆太郎が寝ている間に、ちょこちょこ家事をこなしたいのですが、どうやらそれは叶わぬこと。
ここはもう割り切って、24時間くっついてましょう。まだまだ寒い時期だったので、湯たんぽ代わりにちょうどいい、と思った2カ月ころのある日。抱っこされたまま寝るのを嫌がって......、それ以来、不思議とひとりで寝るようになりました。
同時に、オムツ替えや着替えの時に、号泣大暴れすることもなくなりました。

その後、NHKの「すくすく子育て」で知ったのですが、赤ちゃんは皮下脂肪が薄く、体温が低下するのを防ぐために、抱っこを好むとのこと。ただでさえ赤ちゃんは体温調節能力が低いのですが、それに輪をかけて、体重は軽く、身長は標準で産まれた豆太郎は、皮下脂肪が薄く、ひとりで寝るのが苦痛?不安?だったのかと思われます。2カ月ころ、ようやくふっくら皮下脂肪がついて、人にくっついている必要がなくなったのかもしれません。
動物にとって空腹と体温の低下は、そのまま死に直結します。ふたつの不安をかかえて、よくぞがんばりました。

おさるの豆太郎(モロー反射)

2008-07-05 11:40:29 | 豆太郎の新生児期
不機嫌の理由その1 モロー反射

新生児は、しばしばヒトがヒトになる以前の能力を思わせる動きを見せます。
これらを原始反射といって、そのひとつがモロー反射です。
モロー博士が発見したので、モロー反射。キッチュな特殊メイクがおもしろいホラー?映画『モロー博士の不思議な島』のモロー博士とは無関係です。

ちょっとした物音や刺激に、両手をビンっと突っ張って、何かにつかまるよう。個人差があるようですが、とにかくこれが頻繁で、ただでさえ浅い眠りを何度も妨げられています。崖から落ちる夢を見てガクンとなるあの感じに似ているような。あれが頻繁にあると、大人だって不快です。
抱っこした状態だと、そのまま眠りに引き戻されるのですが、ひとりで寝ていると、そのまま覚醒して号泣。まさに小猿。落下の恐怖なのか、命の危機にさらされてます、といった様子なのです。
不機嫌の理由は、まだまだ続きます。

6番目の助産師

2008-07-01 16:30:15 | 豆太郎の新生児期
お腹が空いているためか、自宅に帰ってからの豆太郎はますます不機嫌になっていきました。
オムツを替えるときも号泣、着替えさせるときも号泣。寝たと思って、少しでも布団に下ろそうものなら、これまた号泣。
お客さんに抱っこしてもらう間にトイレ、夫に抱っこしてもらう間にお風呂。抱っこしてくれる相手は誰でもいいようなのですが、とにかく一人で寝るということがありません。
なんとか眠りについた豆太郎を抱きながら、ぼんやりテレビの画面を眺める日々。

そんな疲れ果てていた毎日に、救世主が現れました。
家庭訪問をお願いしていた町の助産師さんです。
「う~ん、元気がいいねぇ」優しく声をかけながら、豆太郎を裸にして身長体重を計ってくださいます。すると「母乳は十分足りてますよ」という意外な言葉。なんと豆太郎の体重は一日40gペースで増えていたのです。
それどころか、母乳が乳に溜まっていて、ほっておくと乳腺炎になるとのこと。

ここで初めて、自分が乳についてあまりに無知なことに気づき愕然。
もったいないからといって、乳を残しておこうとするなんざもってのほか。毎回、きっちり飲ませ切ることで、新鮮でおいしい乳がたっぷり生産されるという仕組み。ここら辺、携帯の充電に似ています。使い切らずに、ちょこちょこ充電していると、充電池の機能自体が弱くなってしまうというそれです。
乳のケアの方法も教わり、この日を境に、少しずつ母乳育児に自信がついてきました。

ではでは、豆太郎は何ゆえ不機嫌。
「すべてに理由はある」のでありました。

粉ミルクストライキ

2008-06-28 11:08:07 | 豆太郎の新生児期
両家の助けを得られない状況のため、とりあえず夕飯だけ宅配給食を頼みます。
家事をする時間が一切ない中、差し入れていただいたちらし寿司の味は忘れられません。
私もいつかこんな風に、新米母さんを思いやることのできる先輩母さんになれるのでしょうか。

助産院でやっていたように、自宅でも寝る前にミルクを足します。ところが、2杯目のスプーンを口に持っていくと、ピシャッと口を閉じて、明らかに拒絶している様子。なんでだ、なんでだ、と哺乳瓶から与えてみたら、泣きながらブクブクと逆流させて受け付けません。翌日も同じこと。
ミルクの種類を替えれば、、、とも思いつつ、薬局に行く気力もなく、そのままだましだまし母乳を与えつづけることにしました。

フェリー屋久島2の個室

2008-06-27 14:44:24 | 豆太郎の新生児期
島に帰るにあたり、一度利用してみたかったフェリー屋久島2の個室を予約してみました。
とりあえずは、何タイプかある中で一番安い「和室」。通常料金に加え、5000円の部屋代を支払います。
部屋は「旅館」そのもの。違っているのは、障子の向こうの水平線が移動していることくらいでしょうか。
押し入れには、毛布と枕、クローゼットにはハンガー、洗面台にはタオルもセットしてあります。新米母もうろたえることなく、ゆっくり豆太郎の世話ができました。
あとで気づいたのですが、さらに安い「娯楽室」(麻雀とかする部屋?)を個室として使う家族もいるらしい。次回はそちらも試してみたいものです。
ちなみに、この船は、「この仕事が好きだ~」という雰囲気できびきびと楽しそうに働いてらっしゃる方が多く、とても気分よく過ごせます。
甲板でイルカや飛魚を探したり、喫茶室でソフトクリーム舐めたり、食堂でうどんをすすったり、売店を眺めたりしてると、4時間はあっという間。海の向こうの屋久島が、じわじわ近づいてくるあの感じ、他の乗り物では味わえません。

5人の賢い姉

2008-06-23 17:53:29 | 豆太郎の新生児期
鹿児島中央助産院には5人の助産師がいます。
誰に取り上げられてもいいように、検診や母親学級で順繰りに担当してもらい、臨月には全員と面識がある状態になっていました。それぞれ得意分野もキャラクターも異なる5人ですが、皆に共通しているのは、ネガティブなことを口にしないという点。
からだとおなじく、こころをとても大切にして下さって、不安に陥りがちな妊婦をドンと支えて下さいました。一般的な産婦人科と異なり、検診も1回1時間程度かけてゆっくりお話しして下さいます。
生むときもそうでしたが、「助」産とはよくいったもので、あくまでも主体は母親と赤ちゃん。生んだ後の赤ちゃんのケアも、一歩下がって母親のやり方をみながら、必要に応じて、助言するという態度。
そんな頼もしい助産師さんのもとから、巣立つ日がやってきました。
波のおだやかな日を狙って、フェリーの個室を予約。
久々の娑婆は、クラッとくるほど眩しく感じました。