屋久島喫茶日記 育児編

自家焙煎珈琲と古書の店「一湊珈琲焙煎所」

秋のビール

2005-09-30 17:55:01 | 屋久島喫茶日記
寒い。
南大東島沖を通過する台風の風で、ビーチサンダルの足がかじかむ今日この頃。薄手の長袖、長ズボン的陽気であります。
夏に扱っていたオリオンビールではさっぱりしすぎということで、10月からのビールはサンフランシスコのアンカー社の「アンカー・スティーム・ビール」(650円)と軽井沢のヤッホー・ブルーイングの「信州燦燦オーガニック・ビール」(500円)。
できるだけ近くで生産されたものを扱いたいと願う我が店にとって、太平洋を挟んだ遥か彼方のサンフランシスコなど!という気持ちもありますが、甘みのあとに苦みが広がる秋らしい味わいと、「小さいことはよいことだ」というアンカー社のモットーに惹かれて、入荷してみました。港町つながりでもある。青地に金色の錨が描かれた王冠のデザインもかわいい。アルコール分は約4%。
もう1本は、よなよなエールで有名なヤッホー・ブルーイングのオーガニック・ビール。ホップと大麦が描かれた金色のデザインが秋の実りを感じさせます。苦みとコクのはっきした味。アルコール分は約4.5%。どうぞよろしく。

風庵(尾之間)

2005-09-29 17:17:37 | 屋久島喫茶日記
海老もちうどん 950円
尾之間温泉バス停側のペンションハローのわきを入って100mほど、小さな看板が目印の手打ちうどん+コーヒー+手作りアクセサリーのお店です。
麺やだしの製法がのったメニューを読みながら、つきだしの昆布の佃煮をつまみながら、たのしみに待って運ばれたのは、みるからに美味しそうなつるつるぴかぴかのうどん。冷たいうどんにおろし大根としょうが、あげたての海老3尾とひと口大の切り餅をさっぱり味のだしにからめていただきます。うどんののどごしと海老の歯ごたえ、もちのねばり。だしにしみ出た油のコクに大根おろしのさわやかさ。相反するものを口の中で一体とするよろこび。
夏の熱気を残した屋久島の9月に最適の昼食となりました。1日30食限定、火曜定休とのこと。次にうかがう時は、かけうどんにしようか、はたまた同じひと皿か。早くも悩みはつきないのです。

尾之間569-20
tel.47-3955

ヤクスギランド(安房)

2005-09-24 14:20:57 | 屋久島の見所
協力金 300円
水筒にお茶を詰め、予約しておいた弁当をもってヤクスギランドへピクニック。おやつは黒糖キャラメルひと箱。山に行く時は必ず飴かキャラメルを持っていくようにいいつけられているのだ。
服装は長ズボンにTシャツ、首にタオル、足元はビーチサンダル。斜めがけバッグの中に長袖パーカー1枚。スニーカーとリュックが理想ですが、近くになかったもので。
雨が少なかったにもかかわらず、山はしっとりと水気を含み、涼しい空気が肌を包む。荒川を囲むように設けられた歩道には6つのつり橋が架かる。小学校の国語の教科書にあった長崎源之助氏の『つり橋わたれ』では、小学生のトッコがゆれるつり橋を渡れなくて苦労していたけれど、太いケーブルで支えられたつり橋は、揺れも少なくほどよいスリルが楽しめます。80分以上のコースだと沢へおりられます。冷たい水に足を浸し、顔を洗ってしばしお弁当タイム。首に巻いたタオルは当然手ぬぐいとしても使えるし、食事の際は膝にかけてナプキンになるし、微妙な温度調節もできるし、南の島の強い日差しから首の後ろを守ってもくれる必需品です。
山歩きといっても整備された歩道は歩きやすく、運動不足の身にとっても80分の行程は苦になりません。ところどころ急な傾斜があるので、思わず苔をつかんでしまわないように気をつけて。
空になった水筒にはお土産に川の水を詰めて。ヤクスギランドからさらに車で15分ほどのぼった道沿いにある紀元杉の近くの湧き水ならなお良し。

あさひ弁当(安房)

2005-09-22 11:19:28 | 屋久島のごはん
葉っぱ弁当 750円(要予約)
おむすび3つ(うめぼし2+ゆかり1)に、小さなつきあげと焼き塩鯖ひと切れ、ゆで卵半分、小さな海老フライ1本、ソーセージ1本、たくわん2枚が、おむすびとおかずに分かれて月桃(げっとう)の葉に包まれたお弁当です。大きな笹の葉のような形の月桃は防腐効果と香り高さから、おだんごを包んだり、お弁当箱に敷いたりと、食品の側で活躍してきました。島の北では月桃とよく似たアオノクマタケランが、その役割を果たします。笹によく似た清涼な香りを吸い込んだおむすびは、プラスチックの容器に入ったものより、はるかに美味しく感じます。
ヤクスギランドに向かう途中の右手にあるので、ピクニックのお供に。
安房2402-221
tel.0997-46-2066

十五夜

2005-09-20 12:07:06 | 屋久島喫茶日記
山の後ろから大きな月が出ると、綱引きの始まりです。
刈りたての茅で編まれた綱は直径50センチほど、昔は倍の太さだったといいます。一湊では住んでいる地区ごとに二手に分かれて、歌にあわせて綱を担いで西東に歩き、合図と同時に大人も子供も入り乱れて綱を引き合います。スニーカーは必須、気合いの入った人は軍手まで。
沖縄と違い、新暦で動くことが多い屋久島の年中行事なのかで、稀少な旧暦の行事です。歌に耳を傾けていると「殺された」だの何だのと物騒な文句が並びます。これは「おつや口説(くどき)」という敵討ちの物語りだそう。種子島や鹿児島の坊津、佐賀の唐津や熊本の水俣あたりにも残っているとのこと。歌詞は集落ごとに微妙に異なり、屋久島の南、栗生集落では70番ほど続く長い口説が歌い継がれているそうです。
どこをどう伝わって屋久島にたどり着き、綱引き歌として歌われるようになったのか、十五夜の夜になぞは深まるばかり。

彼岸花

2005-09-17 15:26:28 | 屋久島喫茶日記
彼岸花とはよくいったもので、秋のお彼岸を前に店のわきにパチンパチンと彼岸花がふたつひらきました。ヤクシマフヨウの薄紅やツワブキの黄色、コオニユリの橙など、これから11月にかけて屋久島は花の季節。日ごとにとりどりの花が県道わきを彩ります。

建築中

2005-09-16 15:47:27 | 屋久島喫茶日記
テラスのわきに建築中なのは、コーヒーを焙煎するための小屋。1畳ほどの小さな小屋です。
骨組みだけプロにお任せして、あとはもらってきた建材でペタペタ。屋根も窓もちぐはぐな感じがいいのです。お手本は写真集『小屋の肖像』(メディアファクトリー)。チョコレート色のトタンに青い釘で途中経過は上々。

2005-09-16 15:24:35 | 屋久島のおみやげ
屋久島の砂浜を歩くと、米びつに手を差し込むようにザクザクと気持ちよい感触に足裏を刺激されます。濡れた肌についてもさらっと落ちるかわりに、ビーチサンダルで歩くとサンダルと足裏の間に砂が入り込んでゴリゴリ痛い。かつては鯖せんじを濾過するために使ったり、盆と正月にお墓の線香立てに盛ったり、墓や家の周囲に撒いたり、門松の根元を支えたり、岳参りという風習では年に一度、集落ごとに信仰を寄せる山の頂上に砂をひと握り運びます。
1ミリはあろうかという大粒の砂は白、半透明のうす黄色、黒で構成されています。白は長石、うす黄色は石英、黒は黒雲母。島の地盤となる花崗岩を構成する鉱物です。川の上流には大きな岩、中流には水に磨かれた丸い石、河口には砂、と形を変え、島のあちこちで目にします。磨かれ砕かれた花崗岩は石になって砂になって、何万年も先には屋久島の体積は少なくなっていつか島そのものも消えていくのかな。

サンドペーパー

2005-09-10 17:13:13 | 屋久島喫茶日記
台風が過ぎ去った6日昼過ぎ、雨戸を開けると表に停めていた車の前に巨大な選挙掲示板、横に街灯の傘がドンとおちてました。奇跡的に車は無傷。海辺に車なんぞ停めてた果てには、砂にもまれて車体の色がかわること必至です。
それでも毎年のこととて、たんたんと後片付け。屋久島の木々は台風のたびにぽきぽき折れるので、幹がより太くたくましくなっていくのだ。なんて金八先生の台詞みたい。7日のうちに県道の砂は防火用水で流され、折れた木や飛び散ったゴミは回収され、雨戸を干して、建材を買い走り……。店でもテラスのスレートが半分吹き飛び、昨日今日と吹き替え作業に追われました。補修した部分は水色。補修のつど別の色を継ぎ足して。