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ゴルゴ13の謎 Mystery of G

ちょっと辻褄が合いません、という程度の謎の考察だよ。

ROOM・NO.909

2013年11月17日 | 1971年~1975年


SPコミックス第11巻、第1話。1971年10月作品。

マンハッタンの高層ビル31階、地上100mの高さで、窓越しにマフィアの大物が頭を撃ち抜かれて殺された。駆けつけたニューヨーク市警のサム・シャイアンはガラス窓と壁の弾痕から犯人の狙撃方向を割り出す。その方向には80メートルと230メートル先に二つのビルがあった。しかし、ビルのこちらに対面する側には窓が一つもない。犯人はどこから撃ったのか?

そこへパトロール中の警官が見つけたという薬きょうを別の刑事が持ってくる。狙撃のあったほぼ同じ時刻に拾ったという。発見場所は直線で500m以上先の路上。

早速、そこにあるビル(アパートメント)に行き、909号室の男を捜査。ゴルゴに会ったサムは一目で「こいつはプロだ」と確信する。そしてビルのゴミ溜めから狙撃ライフルを発見。お前が犯人だ!

狙撃を実証するためベランダに出たサムがライフルを構えスコープを覗く。事件のあったハリソン・ビルをキャッチできたのか?

なんとスコープの中は、ビルとビルの隙間を通してハリソン・ビルがかすかに見えるだけ。「こ、これでは・・・・」

そのとき署から電話。頼んでおいた午後5時前後の気象の回答だ。「東の風、風速6.2」

犯人は間違いなくやつだ。だが、
・6.2メートルの横風
・目測を誤りやすい日没間ぎわの時刻
・500メートル以上の遠距離
この悪条件で12人の陪審員を納得させることができるか。

『ノットギルティ(無罪)』だ!!

ゴルゴは無言で去る。

そんな凄腕のプロがなぜ薬きょうを落とすようなミスをしたかって。
「あれは俺たちをからかったのさ」(サム)
刑事たちを乗せたクルマはマンハッタンの夜景の中に消えていく。

実際は狙撃の瞬間、背後で猫が音を立てた。本能でゴルゴは次の弾を準備。ボルトハンドルを引く。薬きょうが飛び出し非常階段を転がり落ちていく。

まあ、こんなストーリだ。

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疑問はスコープ。倍率は10倍もないと思うが、10倍なら距離500mなら50m先に見えるようになる。ゴルゴが狙撃のとき照準のT字線は標的の男のおでこにまで拡大されて描かれている。それがサム刑事だと標的のビルが遠くに見えるだけ。これでは肉眼と変わらん。絵の描き方がおかしいのでは。まさかゴルゴの視力がいいので男の顔まで見えたわけではあるまい。

現在では倍率の変更できる(10倍~50倍)スコープもあるようだが、ゴルゴの使ったウェザビー・マグナム・マークVに付いているとは思えない。ついていればサム刑事も使うだろう。

狙撃のプロはスコープなしで300mならヘッドを撃てると言うから、ゴッドハンドのゴルゴなのでスコープつけたら横風6.2メートルでも500メートル先の頭を撃ち抜くだろう。

ゴルゴとサム、スコープの見え方の違いが???

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登場人物ではやはり刑事サムが際立つ。黒人みたいだが、シャイアンという氏からインディアンの血をひく男かもしれない。



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1ユニットの短編だが読み応えのある出色の作品。

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