SPコミックス第3巻、第4話。1969年9月作品
ゴルゴのすべてを洗い上げたインターポール(国際刑事警察機構)の刑事バニングス。彼の調査資料をもとに囮(おとり)捜査を画策した機構に反旗を翻し、一人でゴルゴを追い詰める。
ICPOインターポール
ICPOは国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)の略称である。仕事は国際犯罪の情報提供、犯罪対策のための会議開催、国際手配書の発行など加盟国への情報伝達機関としての役割が強い。ICPO内にも捜査を行う部署は存在し、国際犯罪捜査の指揮を執ることはあるが、国家主権上の問題から犯罪者の逮捕はその国が行う。また司法警察権は各国にあるので、世界中で活動する(できる)『国際捜査官』は存在しない。本部はフランスのリオンである。
国際捜査情報のデータベースがICPOの役割で、バニングスや本作で囮捜査をするような刑事はいないわけです。まあ、そこはフィクションだからいいとしておこう。
甘すぎる囮捜査
世界中でゴルゴの手口と性格を知るたった一人の刑事バニングス。その彼の調査結果から企てた囮捜査が甘すぎる。ゴルゴが狙撃のために現れるであろう資産家コーナンの邸宅には、屋敷の中に偽物コーナンとICPO捜査官3人それに警察犬4匹だけ。
ゴルゴは広い庭の一角にある樹木にタイマーで発射する狙撃銃を設置し、同時に嘔吐ガスボンベまで用意していた。邸宅内ぐらいはちゃんと見張ってろよICPO。まったく間抜けなICPO捜査官たちだ。どこにバニングスの調査したゴルゴの手口が捜査に活かされているのか、さっぱりわからん。
もともと囮往査などゴルゴはお見通しだ。まず、資産家コーナンの殺害依頼者がコーナンの妻で女捜査官がなりすまして、ゴルゴに面談する。コーナン自体はよく似た犯罪者を偽物に仕立て上げたが、女房のほうは捜査官ではちと甘い。ゴルゴの情報網ならすぐに偽物と探り当てるだろう。何しろ仕事の依頼者については事前に徹底的に調べるのがゴルゴ流だ。
まったく相手にならないインターポールであった。
ゴルゴは偽物コーナンを連れ去り、新聞記者立ち会いで囮捜査の手口を証言させテープに吹き込む。これでインターポールに逆襲か。
対決のとき
クライマックスはラストシーンのゴルゴとバニングスの対決だ。囮捜査など成功するはずもないと確信したバニングスは辞表を出し刑事をやめてゴルゴに戦いを挑む。「おまえに手錠をかける方法はただひとつ・・・・」ゴルゴ「おれを死体にしてからというわけか」

バニングスが左に跳びながら腋の下に手をいれる。ゴルゴは右に跳んでホルダーの銃を取る。バニングスのリボルバーが火を吹く。ゴルゴのセミオートが火を吹く。バニングスの方が速い!? あれ? 倒れたのは偽物コーナン。
バニングスはゴルゴではなく偽コーナンを撃った! そして自分はゴルゴに撃たれバタン。
ゴルゴのバニングスへの弔いの花束は、偽コーナンの証言テープだ。ライターで火を点け燃えていくテープ。
〝バニングス、あんたの心意気に免じてインターポールへの逆襲はあきらめるよ〟こんな感じか。
バニングスの心理
これがわからん。あんたは刑事なんだよ。ゴルゴの捜査に執念を燃やすのはいい。しかし囮捜査をするなら俺は刑事をやめてゴルゴを殺す、という心理がわからん。囮捜査なんてそんなに深刻になることなのか。逆にゴルゴに囮捜査の実体を公表されても、あんたがどうなるわけでもなし。囮捜査を画策したのは上層部のお偉方なんだから。わからん。そこまでインターポールあるいは警察の名前を護りたいのか。
ということで本作はストーリーに説得性がなく、迫力を欠く一品となりました。
ゴルゴのすべてを洗い上げたインターポール(国際刑事警察機構)の刑事バニングス。彼の調査資料をもとに囮(おとり)捜査を画策した機構に反旗を翻し、一人でゴルゴを追い詰める。
ICPOインターポール
ICPOは国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)の略称である。仕事は国際犯罪の情報提供、犯罪対策のための会議開催、国際手配書の発行など加盟国への情報伝達機関としての役割が強い。ICPO内にも捜査を行う部署は存在し、国際犯罪捜査の指揮を執ることはあるが、国家主権上の問題から犯罪者の逮捕はその国が行う。また司法警察権は各国にあるので、世界中で活動する(できる)『国際捜査官』は存在しない。本部はフランスのリオンである。
国際捜査情報のデータベースがICPOの役割で、バニングスや本作で囮捜査をするような刑事はいないわけです。まあ、そこはフィクションだからいいとしておこう。
甘すぎる囮捜査
世界中でゴルゴの手口と性格を知るたった一人の刑事バニングス。その彼の調査結果から企てた囮捜査が甘すぎる。ゴルゴが狙撃のために現れるであろう資産家コーナンの邸宅には、屋敷の中に偽物コーナンとICPO捜査官3人それに警察犬4匹だけ。
ゴルゴは広い庭の一角にある樹木にタイマーで発射する狙撃銃を設置し、同時に嘔吐ガスボンベまで用意していた。邸宅内ぐらいはちゃんと見張ってろよICPO。まったく間抜けなICPO捜査官たちだ。どこにバニングスの調査したゴルゴの手口が捜査に活かされているのか、さっぱりわからん。
もともと囮往査などゴルゴはお見通しだ。まず、資産家コーナンの殺害依頼者がコーナンの妻で女捜査官がなりすまして、ゴルゴに面談する。コーナン自体はよく似た犯罪者を偽物に仕立て上げたが、女房のほうは捜査官ではちと甘い。ゴルゴの情報網ならすぐに偽物と探り当てるだろう。何しろ仕事の依頼者については事前に徹底的に調べるのがゴルゴ流だ。
まったく相手にならないインターポールであった。
ゴルゴは偽物コーナンを連れ去り、新聞記者立ち会いで囮捜査の手口を証言させテープに吹き込む。これでインターポールに逆襲か。
対決のとき
クライマックスはラストシーンのゴルゴとバニングスの対決だ。囮捜査など成功するはずもないと確信したバニングスは辞表を出し刑事をやめてゴルゴに戦いを挑む。「おまえに手錠をかける方法はただひとつ・・・・」ゴルゴ「おれを死体にしてからというわけか」

バニングスが左に跳びながら腋の下に手をいれる。ゴルゴは右に跳んでホルダーの銃を取る。バニングスのリボルバーが火を吹く。ゴルゴのセミオートが火を吹く。バニングスの方が速い!? あれ? 倒れたのは偽物コーナン。
バニングスはゴルゴではなく偽コーナンを撃った! そして自分はゴルゴに撃たれバタン。
ゴルゴのバニングスへの弔いの花束は、偽コーナンの証言テープだ。ライターで火を点け燃えていくテープ。
〝バニングス、あんたの心意気に免じてインターポールへの逆襲はあきらめるよ〟こんな感じか。
バニングスの心理
これがわからん。あんたは刑事なんだよ。ゴルゴの捜査に執念を燃やすのはいい。しかし囮捜査をするなら俺は刑事をやめてゴルゴを殺す、という心理がわからん。囮捜査なんてそんなに深刻になることなのか。逆にゴルゴに囮捜査の実体を公表されても、あんたがどうなるわけでもなし。囮捜査を画策したのは上層部のお偉方なんだから。わからん。そこまでインターポールあるいは警察の名前を護りたいのか。
ということで本作はストーリーに説得性がなく、迫力を欠く一品となりました。