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ゴルゴ13の謎 Mystery of G

ちょっと辻褄が合いません、という程度の謎の考察だよ。

ナチス鉤十字章は錆びず

2014年03月17日 | 1971年~1975年
SPコミックス第10巻、第5話。1971年9月作品

オーベルト一味からミサイル基地の在りかを聞き出したゴルゴは武器を装備してアマゾン奥地に向かう

PARTタイトル
 1 男はR地点に!
 2 思い出のマナウスに
 3 あまいグラス
 4 目には目を
 5 緊急秘密会議
 6 出発
 7 ジャングルを行く
 8 ひるがえる鉤十字旗
 9 アマゾンを赤く染めて・・・・

登場人物
■オットー
オーベルト一味のボス。黒いハットに黒のスーツ。年は相当喰っている。

■ヒルカ
オーベルト一味の女工作員。ゴルゴに近寄るが逆に正体を見破られ幻覚剤を飲まされアマゾンの秘密基地について口を割る。あとは殺され裸で道に捨てられる。

■米英仏日ソの情報機関部長
スイスに集結しオーベルト対応について緊急会合を持つ

■カルロス
武器調達屋

■総統と呼ばれる男
アマゾン奥地のミサイル基地でゴルゴと対決

ついに姿を現した大アリクイ?

■ゴルゴ
ブラジルのマナウスでオーベルト一味の女を捕え、ミサイル基地の場所や設備を吐かす。カルロスから基地襲撃の武器を調達しジープを駆ってアマゾンに向かう。

考 察




リオの葬送

2014年03月16日 | 1971年~1975年
SPコミックス第10巻、第4話。1971年9月作品

ロンドンに到着したゴルゴがそこで米ソ主要5か国の情報部長から依頼された仕事は毒ガスミサイルで世界を脅迫する元ナチSS狂人科学者の抹殺だった。

PARTタイトル
 1 遠い国から
 2 お話はロンドンで・・・・
 3 5人の依頼主
 4 荷物は届いた
 5 アマゾンの上空で
 6 死が這って来る・・・・
 7 そろえたものは!?
 8 町角に裸身をさらして

登場人物
■マイヤ・モーニカ
KGB工作員。マリエッタ・クガーノとしてゴルゴの妻役となりブラジルのリオに潜入。大アリクイ一味に捕まる。

■シャハリン
KGB部長。自分を含め5か国の情報部長を集め、ゴルゴに元ナチSSのオーベル殺しを依頼する。他の4名は、CIAフーバ局長、MI6ヒューム部長、フランス情報部オマイリー部長、日本内閣秘密調査室イシワタリ。

■ワルター・フォン・オーベルト
元ナチSSの狂人科学者。ブラジルに逃れ、そこで秘密組織を結成。米英仏日ソの5か国相手に毒ガスミサイルで脅迫。ゴールド10億ドルを要求。〝大アリクイ(独語アマイゼンバール)〟と呼ばれる70歳近くの老人。

■大アリクイ一味
マイヤを拉致し、連れの男の正体を自白させようと毒グモで責める。

■カルロス
武器仲介屋。

■ゴルゴ
大アリクイ抹殺のためパウロ・クガーノと言う名のコーヒー成金としてマイヤとともにリオに潜入。ミサイル基地探索のためアマゾン上空を飛ぶがメッサーシュミットに邪魔される。敵の装備を知ったゴルゴはあらためて武器調達に動く。

考 察
オーベルトのモデルは
元ナチSSのマッドサイエンティストならヨーゼフ・メンゲルが有名だ。アウシュヴィッツで人体実験を繰り返し行ったSS将校で医師。戦後、4年間をアメリカ軍占領地域内で過ごし、ナチスの逃亡ネットワークの助けでスイスからイタリアに入国、船でアルゼンチンに渡る。南米で実業家として成功し、ついに逃げのびて1979年2月、ブラジルの海岸で海水浴中に心臓発作で“自然死”したという。

毒ガス開発なら毒ガス戦の父と言われるフリッツ・ハーバーか。ただし、第一次大戦の話。彼はユダヤ人の血を引いていたのでヒトラー政権が誕生すると祖国ドイツを追われてしまった。アンモニア生成法でノーベル賞受賞。

ミサイルならナチ政権下でV2ロケットの開発に成功したヘルマン・オーベルト。戦後はイタリアでロケットの研究をしたりアメリカへ渡り軍事面における研究を行っている。ナチSSではなく純粋な科学者かな。

超一流のテクニック
仕事をひき受けたゴルゴはマイヤとリオへ飛び立つ。その飛行機が出るまでの2時間、女とふたりっきりの部屋でゴルゴはどのように過ごすか。超一流のテクニックとは?



鎮魂歌に牙を

2014年03月15日 | 1971年~1975年
SPコミックス第10巻、第3話。1971年8月作品

隼のイエスを倒したゴルゴはCIAに回収されるが機体はシベリアへ向かっていた・・・・

PARTタイトル
 1 回収
 2 ウォーレン北方10キロ
 3 おれは〝トナカイ2〟
 4 銃殺志願
 5 名まえは知っている
 6 殺人者への敬意
 7 へやは焼けて
 8 さらばモスクワ

登場人物
■トニー・マーカス
アラスカにいるゴルゴを回収するCIA要員。じつはKGBの二重スパイで名前はポリヤコフ、暗号名は〝トナカイ2〟。機体をシベリアに不時着させゴルゴを連行しようとしていた。しかし実態はある機関のプロスパイだった。

■シコルスキー
KGB要員。シベリア逃亡中の正体不明の男を捕える。

■ガルキン大佐
KGB幹部。捕えた男がゴルゴ13と知り、方針を変える。

■マイヤ
KGB女性要員。ゴルゴの案内役兼夫婦役としてモスクワを飛びたちロンドンへ

■ゴルゴ
アラスカから回収されるも二重スパイとともにシベリアへ。そこでKGBに捕らわれモスクワへ運ばれるが、ある時点で待遇が良くなる。

考 察
隼のイエスは何者だったか
前作「アラスカ工作員」でCIAスパイ基地要員を全滅させた隼のイエスについて、本作で語られることは一つもなかった。前作の最後にイエスホブ宛に通信してきた人物は誰だったのか。「そちらに向かった男はゴルゴ13だ。ゴルゴとは戦う必要はない。基地および施設を爆破して脱出せよ・・・・」

ゴルゴが運ばれたモスクワでのKGB幹部ガルキン大佐も最初はゴルゴの正体を知らなかった。本部に照会して初めて捕まえた男がゴルゴと判明した。

よく分からないのが、KGBたちの話にアラスカ基地やイエスホブのことが出てこないことだ。イエスホブもある機関のプロスパイなのか?

KGBが恐れるある機関
二重スパイのマーカスまたの名をポリヤコフの正体はある機関のプロスパイ。その機関の命令でゴルゴをシベリアまで連行した。ポリヤコフが死に、その目的は不明のままだ。その機関をKGBも恐れている。そこでゴルゴを手厚くもてなしたのだが、さてこの先は次のエピソードへ。

SEX管理者
マイヤと呼んで・・・・あなたのセックス管理も、あたしの任務のひとつ・・・・

こういう管理者なら大歓迎

鎮魂歌に牙を
「おれに牙をむけたやつにはレクイエムを聞かせてやる・・・・かならず・・・・」という意味でのタイトルなら『牙むく奴に鎮魂歌を』だろうか。


アラスカ工作員

2014年03月13日 | 1971年~1975年
SPコミックス第10巻、第2話。1971年8月作品

アラスカの氷原で、悪魔と恐れられるKGB工作員に闘いを挑むゴルゴ

PARTタイトル
 1 Aのワン・ペア
 2 無人の基地
 3 隼のイエス
 4 挑戦者がやって来た
 5 攻防その①
 6 攻防その②
 7 攻防その③
 8 But・・・・Why!?

登場人物
■マイク&エリック
二人はCIAの切り札。連絡の途絶えたアラスカの諜報基地を調査。しかし彼らも消息を絶つ。

■隼のイエス
本名はニコライ・エフゲネウィッチ・イエスホブ。KGB非合法工作員の№1。西側スパイ殺害の数は膨大。殺しの手口は残酷極まりなく悪魔のように恐れられている男。CIAアラスカ基地要員を皆殺し。

■ゴルゴ
隼のイエスを倒せる唯一の男としてCIAより仕事をうける。

考 察
アラスカ基地全滅の謎
AのペアはCIAの切り札。それなりに優秀な局員だったはず。「基地の中は暖房が効き、コーヒーの匂いさえ残っている。たった今まで何人かが働いていたようだ」と言わせている。

このアラスカ・スパイ基地が連絡を絶ったのが6週間前。要員20名から音信途絶。いったい何が起こったのかもわからない。そのあと1ダースもの調査員が基地に派遣されたが全員が神隠しにあったように連絡を絶つ。まさにミステリー。

そして最後の切り札2人も消えた。

いかに恐るべきKGB工作員といえど1人で基地要員20名を一度に抹殺できるのか。何か異常が起これば本部に連絡が入るだろう。20人同時にどうやって殺害したのか。謎である。

その後の調査員12名と最後の2名の抹殺も謎である。今まで何人も働いているように見せかけるのも一人でできる仕事なのか。

なぜ、CIA諜報員34名が音信もせず消えてしまうのか。すべて隼のイエスの仕業か? 謎である。

CIAの中に二重スパイがいてCIAの行動はイエスに筒抜けであったにしろ、イエスひとりで秘密裏に34名の諜報員を始末するのは不可能と思うよ。普通のサラリーマンじゃないんだから。

ゴルゴによって明らかになる抜け穴から忍びこんで基地の隊員をつぎつぎと抹殺していった、という謎解きも納得いくものではない。次々と消えていくなら、そういう連絡が本部に入るはずなのだ。

たいしたことがない隼のイエス
ゴルゴとの息詰まる攻防ではあるが、ゴルゴいわく「射撃の腕はもうひとつ」。それに最初に犬ぞりのゴルゴを狙撃したのも納得いかない。簡単に自分の居場所を悟られている。ゴルゴが照明弾を打ち上げた時、なぜボサーッと明かりの下で突っ立っていたのかもわからない。俺を撃ってくれ、と言ってるようなもの。

意外と弱かったイエス

死体の始末は
CIA要員34名の死体処理方法は最後に明らかになる。だがこの生き物は清掃屋ではないし、人間が操れるものでもない。また好き好んで人間を食する生き物でもない。

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ちぐはぐなストーリーだった本作「アラスカ工作員」は「レクイエムに牙を」につづく。


Dabbie!

2014年03月07日 | 1971年~1975年
SPコミックス第16巻、第2話。1973年1月作品。

人種差別のはびこるアメリカ最南部で仕事を終えたゴルゴは、自警団に追われる中でひとりの黒人少女と出遭う・・・・

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 PART タイトル
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 1 吊し首の丘
 2 白く長い線上の標的
 3 撃たれたのは白人
 4 河を渡って来た少女
 5 地獄の納屋
 6 銃口は・・・・
 7 追われる野獣
 8 ジャクソン・シティ
 9 恐怖のKKK団
 10 野獣は傷ついた!
 11 雨の中へ去った少女
 12 デビィ!!
 13 野獣は起き上がった!!
 14 去る時は、いつもひとり・・・・

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 登場人物
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■ネッド
KKK団に殺されて吊し首にされる黒人

■クリストファー・ドレイク
黒人たちの人権を守る協議会(COFO)の幹部でありながら一方でKKK団の団員。ゴルゴの標的。ミシシッピー流域の町グリーンビルに居住。

■ランディ
COFOの幹部。裏切り者ドレイクの始末をゴルゴに依頼。同時に州警察に犯人がゴルゴであることを密告する。

■デビィ
セントルイスから兄ネッドを尋ねてきた黒人の少女。

■ビル
KKK団の幹部。自警団をつくり手配中のゴルゴを追う。

■ハリィじいさん
自警団のひとり。ゴルゴに脅されジャクソン・シティまでクルマを運転。

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 珈琲タイム
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黒人少女の命
本作のタイトルが〝Dabbie〟とあるように主人公は黒人の少女デビィだ。お父さんが病気になったので兄に知らせようと、ひとりでセントルイスからミシシッピ川を船にのってやってきた。その兄はひと足先にKKK団によって殺されている。そんなことも知らず、夜中にのこのこと白人の荒くれ者たちの輪のなかに入ってきて、「たき火を少し使わせてもらっていい」とトウモロコシを炙り出す。このシーン、あまりにも無防備すぎる少女だが、かわいい。

ここは最南部(ディープサウス)だ。人種差別の最も激しい地域。当然のごとく男たちはデビィをレイプしようと近くの納屋に連れ込む。男たちの誤算はそこに仕事をすましたゴルゴがクルマごと隠れていたことだ。ゴルゴには少女がどうなろうとわれ関せずなのだが、ズボンを下ろした男が納屋の奥にあるクルマを見つけたことでリボルバーが火を吹いた。五人の荒くれどもは、またたく間にドタマを撃ち抜かれてぶっ飛んでしまう。

さて、次は、この少女をどうするか。殺しの現場を見られたからには生かしてはおけない。それが誰であろうとだ。



Dabbie じゃなく Debbie
女性の名前のデビィはどうも Debbie と綴るみたいだ。