おはようございます。
必ず行政書士と司法書士事務所を開設する千葉県茂原市茂原市在住の山本 徹です。
本日の第二弾。久々の豆知識です。所有権と占有権の話になります。(正しくは、専門家に確認してくださいね。)
所有権は、物権の中で最強の権利です。正に、スペードのA(エース)です。即ち、所有する目的物の使用価値・交換価値の全てを全面的に支配できる権利だからです。従って、存続期間に制限はなく、消滅時効にかかることもありません。しいて言えば、民法162条で、取得時効(長期間(20年、他人の物と知らなければ10年)所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を所得する.)の規定があるぐらいです。
占有権も、かなり強い権利です。なぜなら、物の所持という事実的支配状態を保護する権利だからです。従って、時には、ワールドカードにもなります。例えとして適切ではありませんが、「北方領土は、日本の国土(所有している)でも、実行支配は、ロシア(占有)がしている。」とのイメージでしょうか。
占有には色々区分がありますが、その代表的な区分けに、「自主占有」と「他主占有」があります。
自主占有とは、所有の意思をもって物を支配する占有です。他方、他主占有とは、他人の所有権を認めて物を占有することです。他主占有の例として。物を借りている賃借人やホテルや劇場の等で、物もを預ける受寄者が挙げられます。
当然、 他主占有では、所有権を獲得することはできません。もし賃借人や受寄者に所有権が移転するとしたら、誰も賃貸や寄託はしないでしょう。
でも、元々他主占有だったのに所有権を取得する可能性があるのです。以下が、その一例です。
原則、物を賃借していても借りているだけですから、当然、所有する意思はないので、仮に30年占有していても取得時効にて、所有権を獲得することはありません。但し、「賃借人が死亡し、その相続人が、現実の占有開始時点で、所有の意思をもっていたことが客観的に明らかであれば、民法185条(他主占有から自主占有に変更する要件規定されています。)の後段にある「新たな権原」にあたるとの判例があるのです。
占有権はワールドカードになりえると言えないでしょうか・・・