二重権威は「あり得ない」 ご結婚の眞子さまに「幸せな家庭」望まれ
2017.11.30 05:00
(問1)
--殿下にお伺いします。6月に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立、公布され、天皇陛下が退位されることが決まりました。率直な受け止めとともに、両陛下はお代替わりのその日まで、どのようなお気持ちで活動をされていくと思われますか。陛下の退位後には、天皇と上皇が併存することになり「二重権威」を危惧する声も聞かれますが、今後の皇室の在り方についてはどうお考えですか
殿下「昨年夏のお気持ちを表明されて以降、様々な意見がありましたけれども、この6月にその法案が通って、それで公布されたことをですね、私たち家族はそのことについて一様に安堵(ど)しております。今まで80を過ぎても非常に多くの務めをしてこられました。譲位をされた後は、できるだけゆったりとした時間を過ごしていただきたいと私は思います。またその次の質問についてですけれども、このことについては私のことではありませんし、私がお気持ちを忖(そん)度して何か言うことでもないと思います。それについては、直接にお二方に聞かれるのがよろしいのではないかと思います」
--二重権威について
殿下「二重権威についてですけれども、権威という言葉には幾つかの意味が含まれているように思います。その人にいわゆる何て言いましょうか、その人に元々付いているものもあるかもしれません。一方で、その権威によって何かこう、例えば人を従わせるとかそういうような意味合いもあるかもしれません。もし、今私がお話をした後者の方であるとするならば、陛下は元々譲位をするときには、それまでされていた国事行為を始め、全ての公的な活動を次の天皇に譲るという気持ちを持っておられました。そのことからも、そういう二重権威という言葉が適当であるとするならばですが、心配する若しくは危惧するという向きがあったとしても、そういうことはあり得ないと私は、それははっきりと言えます。(記者に質問を確認されて)もう一つは?」
--今後の皇室の在り方
殿下「今後の皇室の在り方については、恐らく今まで皇室が続いてきて、ずっと以前から(続いていて)続けていった方がいいもの、そういうものももちろんあると思います。また一方で、時代というのは変わってきます。やっぱりその時々の求められることというのもまた変わってくると思います。そのことを常に念頭に置いておくことが必要ではないかと考えます。もちろん、これは陛下もおっしゃっていたと思いますけれども、「国民と苦楽を共にし、国民の幸せを願いつつ、務めを果たしていく」、ということがその最も基本的なところにあると考えます」
(問2)
--殿下にお伺いします。皇太子さまが即位されると、殿下は皇位継承順位第1位の皇嗣となられますが、抱負をお聞かせください。今後、皇太子さまの公務を引き継ぐことが想定されます。ご一家を支える皇嗣職の在り方とともに、これまで務めてこられたご活動の分担についてもお考えをお聞かせください
殿下「これは今までに例が見られないことでもあり、なかなか抱負といっても、まだ想像がつかないところもかなり多くあります。実際にそういう形になって、そしてそれが始動していく中で様々に試行錯誤をしていくことになるのではないかなと思います。また、皇嗣職の在り方についてですが、これも始まってみないと分からないところがあると思います。その職という一つの組織の在り方ですので、当然そのハードな面とソフトな面とあると思いますけれども、実際にはその規模であったりとか、人員配置であったりとか、そういうことは役所の方(ほう)もいろいろ考えていることと思います。また、その職の内容については、先ほど言いましたように、どういう職の在り方がふさわしいかというのを追い追い考えていく必要があるとともに、ある程度前もって方針を考えておく必要があるように考えます。(記者に質問を確認されて)もう一つは分担?」
--活動の
殿下「活動の分担ですね。これは、皇太子殿下とも話合いをしながら進めていかなければいけないと思います。ただ、そういう代替わりがあって、恐らく皇太子殿下の方から私の方へ、譲るというものがかなりあるのではないかと思います。それらのものについては、できる限り私の方で引き受けたいと思っております。一方、私が以前から行っているもの、そしてまた、団体の総裁であったり、名誉総裁をしているものもあります。実際に全体としてその物理的にどこまで可能なのか、このこともよく考えていかないといけないなと思っています。そして、もう一つは私が今しているものを今度は譲る先がないという事情もあります。その辺りも含めて、追い追い皇太子殿下ともご相談をしていきたいと考えております」
(問3)
--両殿下にお伺いします。眞子さまのご婚約が内定しました。お相手の小室圭さんについてどのような印象をお持ちで、お二人にどのような家庭を築いてほしいとお考えですか。ご婚約内定以降、眞子さまのご結婚について、両陛下からどのような言葉を掛けられ、その際のご様子はどのようなものであったでしょうか。ご結婚により眞子さまが皇籍を離れ、皇族が減少することについても併せてお考えをお聞かせください。
殿下「まず、小室さんの印象ですけれども、(妃殿下をご覧になって)初めて会ったのは、いつ頃でしょうか」
妃殿下「(殿下を振り向かれて)いつ頃でしょう」
殿下「多分、2013年ぐらいかと思いますけれども、そのときが、初めてになります。そのときの印象は、大分その、緊張していたということもあったかもしれませんけれども、非常に真面目な人だというのが第一印象でした。そして、その後も何度も会っておりますけれども、その印象は、変わっておりません。また、娘のこと、娘の立場もよく理解してくれていると思います」
--結婚後、どのような家庭を築いてほしいとお考えですか
殿下「どのような家庭というのも、なかなか、私から言うのも難しいですけれども、本人たちが幸せだと思う家庭であれば、それでいいなと思います。(妃殿下をご覧になって)どうでしょうか」
妃殿下「初めの印象についてですが、初めてお会いし、話をしましたときに、丁寧で穏やかな印象を受けました。そして今も、同じような印象を持っております。先日になりますが、小室さんのピアノを聴きたいと話をしましたところ、快く応じてくださり、小室さんの優しいピアノの音色を聴きながら、私たちは心和むひとときを過ごしました。これから、二人が歩み、築いていく生活が幸せであるよう、心から願っております」
--両陛下からは、どのようなお言葉を
殿下「そうですね。両陛下からは、おめでとう、良かったねという趣旨のお言葉がありました。大変うれしそうなご様子でした」
妃殿下「両陛下は、長女の眞子が初めての孫であり、大切にお見守りくださり、結婚する相手に会ったことを、大変お喜びくださりました」
--皇籍を離れて、皇族が減少することについては、いかがですか
殿下「今の制度では、女性の皇族が結婚をすれば、皇籍を離れることになります。一方で、皇室の中で、女性の占める割合が非常に多いわけです。結婚して皇籍を離れるというのは、制度の問題ですので、そのことについて、私が何か、ここで言うことではないと思います。よくその、皇族の数が少なくなると、いろいろ活動に支障が出るのではないか、ということを耳にすることがあります。しかし、それぞれの皇族の活動の中で、もちろんその、共通、共通というのは同じという意味ではなくて、皇族としてのその仕事を、何と言いましょうか、例えば、ある行事に出席する、宮中の行事に出席するとか、その他もろもろあるわけですけれども、それ以外に、かなりの部分で、個人に帰属しているものも多いですね。そのことを考えますと、これは飽くまで、個人に帰属してしまいますので、仮に人数が減少したとしても、そこには、その点に関しては、それほどの影響は出ないのではないかと思います。先ほども申しましたように、これは、今の制度では少なくなっていく、これは、そのとおりなわけですけれど、私は、以前もお話ししたかなと思いますが、やはり現状では、その人数の中で、できる範囲、できる仕事をしていくのが、適当ではないかと思っております」
妃殿下「よろしいでしょうか。(殿下に確かめられる)長女が結婚しましてからも、(私は、宮様とご一緒に)お互いに健康に気をつけながら、期待される皇族としての大事な務めや、さまざまな活動を、心を込めて努めてまいりたいと思います」
殿下「これは、あなたがですね」
妃殿下「はい。私たち、そうですね」
(問4)
--両殿下にお伺いします。英国に短期留学中の佳子さまの現在のご様子とともに、将来のご活動やご結婚についてどのようにお考えかお聞かせください。天皇陛下の退位に伴い、皇位継承順位第2位となられる悠仁さまには、今後どのようなことを経験し、成長してほしいですか。現在、小学5年生ですが、中学以降の進学先のお考えについてもお聞かせください
殿下「(妃殿下をご覧になって)ここはあなたから」
妃殿下「次女の佳子は今年の秋から英国に短期留学し、元気に過ごしているようです。詳しいことは帰国してから話を聞くことになると思いますが、今は大学でいろいろな講義を受け、充実した学生生活を送っているようで、うれしく思っています」
--佳子さまの将来のご活動やご結婚についてどのようなお考えをお持ちでしょうか
殿下「(妃殿下をご覧になって)私から。(少し間をおあけになって)この9月にイギリスの方に次女は渡りました。これは長女のときもそうでしたが、私は余りこちらから何か用事があったりとか、向こうから何か聞きたいことがあったりして連絡があるとき以外は、できるだけ連絡を取らないようにしています。つい先日イギリスからメールが入ってきましたけれども、それを読む限りでは元気に過ごしているのではないかと思います。また、将来の活動、恐らくイギリスから帰ってきた後のことだと理解いたしますが、今はこの1年弱という短い期間現地での様々な講義を聴いたり、そちらの方に集中していることでしょうから、帰国してから話合いをしながら、どういう活動をしていくかということを決めていくことになるのではないかと思います。結婚については、長女のときもそうでしたけれども、私はできるだけ本人の意志を尊重したいと、そのように考えております」
妃殿下「将来の活動については、今は留学しておりますが、それを終えて日本に帰国しましてからも大学生の生活が続きますので、大学生としての勉学などを大事にしながら、長女と同じようなことになると思いますが、勉学に差し支えのない範囲で、公的な活動などを一つ一つ大事に果たしてほしいと思っております。結婚については、そのような話がありましたときに、そのときに大事に考えていきたいと思います」
殿下「(記者に質問を確認されて)次は」
妃殿下「(殿下を振り向かれて、うなずかれながら)これから決めていくことに…」
殿下「(妃殿下とうなずかれて)これからですね」
妃殿下「長男は高学年になり、大事な時期を迎えていると思います。このような中で子どもと保護者と一緒に、学校で進路について話を聞く機会もありました。これからも、長男自身そして私たちも、進学先を含めた進路について丁寧に向き合って、長男が培ってきたものを大事にして、更に考えを深めてまいりたいと思っております」
(問5)
--殿下にお伺いします。この1年を振り返り、印象に残る出来事とご感想をお聞かせください
殿下「いろいろな印象に残ることがありましたが、主として私自身が関係したことの中でお話をしてみたいと思います。今年も大変これは残念なことなのですが、自然災害が非常に多くありました。日本のみならず海外でもあったわけですが、私たちは、この9月に大きい豪雨の災害があった、福岡の朝倉市を訪ねました。そこで、そこを流れる赤谷川の橋の所からその被害の状況を見たのですが、いわゆる雨、豪雨ですね、豪雨により山腹が崩壊して流木が流れ、それによって非常に大きい被害が出ましたが、実際にその場所に行ってみて、水、そして流木の影響というか、被害というのがいかに大きいかというのを実感しました。また、そのときには、その地域の人たちとも話をする機会がありましたけれども、一旦被害が、大きい災害が起こることによる影響というものが、大変なものがあるということを強く感じましたし、また、今後も起こるであろうこのような災害について、どのように防災、それから減災をしてくのがいいのか、そしてまたその重要性について考える機会になりました」
「また、これは少し遡ること4月ですけれども、舞鶴にある引揚記念館を訪れました。比較的最近リニューアルされたんだと思いますけれども、そこには抑留しているときの生活などが展示をしてあります。収容所での生活などを再現したものなどもあるのですが、そこで実際に収容所生活をした人からも話を伺いました。もちろん本で読んだりする機会はありますけれども、実際に体験した人からそういう話を聞くというのは、そのときの状況が本で見て知っているもの以上に大変過酷な生活をしていたということについて、改めて認識する機会になったと私は思います。やはり実際に体験した人、それからもう一つ前にお話しした災害を受けた場所なども自分で実際に見てみるということはとても大事だなと感じました」
「あと、いろいろありますけれど、これは日々の報道等で感じることですけれども、今年くらいですね、学校のいわゆる部活動について、話題が多く出たことが今までなかったのではないかなと、ちょっと勘違いしているかもしれませんけれども、そういう印象がありました。よく記事に出ているのは、運動部活動が多いように思います。私自身は今まで学校のいわゆる運動部系の活動に触れる機会、それから自分の経験もほとんどないので、その辺りは実感としてないのですが、例えば私が毎年行っている全国の高等学校の総合文化祭、あれは文化部の活動ですね。それから学生科学賞というのもあります。そういうところで生徒の発表、作品を見ると、それから研究ですね、本当にすばらしいものがあります。そのことに驚くとともに、また、それを指導している先生のそれに対する熱意もそうですが、負担、それから労力も、これも大変なものがあるのだなということを感じます。しかし、学校教育の中でそういう活動が行われているということは、大変私はすばらしいことだと考えますし、そういう中から将来非常に優れた人たちも出てくると思うのですね。そのような意義がある活動が非常にいい形で行われていけばいいなと印象を強く持っております」
「また、今年はデフリンピック、耳の不自由な人たちの大会ですね。デフリンピックの夏の大会がありまして、(妃殿下をご覧になって)トルコでしたね。トルコのサムスンで行われましたが、日本は過去で最も多いメダルを取りました。確か27個だったと思いますけども。いつもそれに参加する人たちに会う機会を持っていますが、今回、非常にメダルの数が多かったということもあって、とても出席した皆さんうれしそうでしたし、それからそこで会った人は、1番多い人は水泳の選手ですけれども、9個メダルを取っているのですね。そのメダルを全部首に掛けて会いに来てくれましたが、そういう人たちの活躍に接することができたことを大変私はうれしく思います」
「あと、日本とチリの外交関係樹立120周年という機会にチリを訪れることができたことも、私にとっては2度目になりますけれど、良い思い出になっています。特に、日本とチリが、先ほど防災の話をしましたが、両方とも同じ課題を持っている両国が防災分野で協力をしている、そしてまた防災分野以外にも医療であったりとか、その他、養殖などかなり多くの分野で協働しているということを今回改めて認識しました。チリというのは非常に北から南、長い国で様々な気候帯があります。その一端に触れることができたことも自分にとって印象的なことでありました」
「そしてもう一つは、先月になりますけれども、タイの前国王陛下、プーミポンアドゥンラヤデート前国王陛下のご火葬式の献花をする行事に私たち二人で出席できたことが印象に残っております。近年はお身体のお具合が悪かったので、お目に掛かる機会がなかったのですが、以前お訪ねすると、本当に自分の子供たちが来たという形で接してくださっていました。また、私がタイでいろいろな活動をすることを非常に温かく見守ってくださり、そのお陰で今まで活動ができたのだと思います。前国王陛下との最後のお別れの機会に私たち二人で出席できたことは大変光栄なことだったと感じております。以上です」
(関連質問)
--殿下にお伺いいたします。天皇陛下のご退位に関するもろもろのニュースの陰で、若干忘れられている感もあるのですけれども、現在の皇室が抱えてる大きな問題として、皇位継承の在り方という問題がございます。これは現状議論がほとんど進んでないという現実がございますけれども、制度の中身について具体的に殿下がお話しになれないというお立場は承知しているのですけれども、議論が今停滞していてほとんど進んでいない現状に関して皇族としてどのようなお考えを持っていらっしゃるでしょうか
殿下「今おっしゃったように、これは飽くまでも制度の問題になりますので、私からなかなかお答えすることはできないですし、議論が進んでいない、確かに進んでいないのですけれども、そのこともやはりこれはある意味で政治との関係にもなってくるわけですね。つながってくると思います。ですので、今ここではちょっとお話をするのは控えようと思います」
長すぎてgooの文字制限を超えそうなので、私の感想は後日。疑問なんだけど東宮夫妻が、誕生日でこういうきちんとした記者との質疑応答なんて今までありましたっけ?天皇皇后は常に文書回答だし、東宮に至ってはやたらと遠い距離で書かれた文章を読むだけだったような?秋篠宮様も隔靴掻痒のお答えだけれど、誠実に答えているところは評価出来ますね。
今日の一言
婿は座敷から貰え、嫁は庭から貰え