宮記念の前に、どうしても勝負したくなるのが今年の日経賞だ。当然、春天を見据えてのステップレースではあるが、今年は例年になくメンバーが充実していて、面白くなりそうだ。
春天連覇を目論むタイトルホルダーは、ここで結果を出して有馬惨敗の不安を払拭したいところ。当然、負けられない一戦だ。
菊の覇者、アスクビクターモアも、無様な負けは許されない。タイトルホルダーと一騎打ちに持ち込むのが理想の展開だろう。
とはいえ、相手関係が決して楽なメンバーではない。GⅠ勝ちこそないが、展開一つで勝ち負けに持ち込める重賞の常連が、虎視眈々と大物食いを狙う。
紅一点のライラックはエリ女2着で弾みがついた。長距離で、オルフェの遺伝子が覚醒すれば面白い。
ディアスティマとキングオブドラゴンは、タイトルホルダーとどう折り合うかが鍵だ。タイトルホルダーが意地の逃げを見せれば、出番はなさそうだが、ディアスティマが単騎の逃げに持ち込めば、流れ込むチャンスはある。
ヒートオンビートは、鞍上との相性も良く、実績では刺客の一番手。長距離の安定感は抜群で、上位2頭のデキひとつで、一角崩しが見えてくる。
そして、復活が待たれるのがアリストテレスだ。前走では、負けはしたが久しぶりにコンマ差以内の競馬をしたことが、復活のきっかけになるかもしれない。鞍上が菅原明良というあたりも、何かやってくれそうな気配がしてしょうがない。
つまり、両馬とも気の抜けない一戦というわけだ。それというのも、タイトルホルダーの前二走の敗戦ががすべてで、せめて有馬で首位争いを演じていたなら、アスクとの一騎打ち、二強の首位争いは揺るがなかっただろう。
阪神大賞典のように、二強が結果を出すのか、それとも伏兵が淀の春天に名乗りを上げるのか、すべてはタイトルホルダーのデキにかかっている。
本音はタイトルホルダーに相応しい横綱相撲を期待しているのだが、伏兵の台頭がある気がしてならない。