<女房の故郷の防風雪林>
同日投 稿の「シウリザクラの樹と花」と「斜里岳の清岳荘」に記したとおり、6月 19 日は、 小 雨のため田 舎 家の草 刈り作 業ができないので、 国道 244 号 沿いにある、 女 房が卒 業した小 学 校を訪れたところ、 僻 地小規模校にもかかわらず、廃校にならず残っていた。小学校に隣接して保育所があり、 農道沿いの防風雪林にカシワがあったという女房の記憶を頼りに小道を歩いていると、 なんとカシワとミズナラの大木が混生しているではないか。 上掲写真の中央左がカシワ、 右がミズナラである。遠目にはほとんど区別がつかないが、近寄って葉の形状を比べると明らかに違う。
女房は、少女の頃を思い出したらしく、「あ、これがカシワよ」と感慨深げだった。 私が生まれ育った田舎家の山林でも、 現在住んでいる釧路近辺の山 林でもカシワは自 生していないので、 カシワのドングリは見たことがない。 辻井達一・梅沢俊・佐藤孝夫『新版北海道の樹』(北海道大学図書刊行会)に、「ミズナラとは、 葉の裏面の毛が蜜に生える、 葉の先やぎざぎざの先はとがらない、ドングリの帽子の総苞片が長いことで区別できる」と記されている。 左右の写真で葉の形を比較すると、 まさしくそのとおりである。 釧路近辺にはミズナラしか見られないので、 今回は、天気予報が当たらなかったおかげで、 貴重な体験となった。 秋にもう一度ここを訪れ、ドングリの形状を比較したい。