<12月24日付『讀賣新聞』第11面の記事の見出し参照> どの研究分野でも、研究者は、学術論文投稿や学会発表を通して評価を受けることによって、学界で自らが拠って立つ確固たる基盤を地道に築き上げる。しかし、近年、研究遂行に膨大な費用がかかる医学や生命科学のような分野では、研究費獲得のための熾烈な競争が繰り広げられている。 STAP 騒動も、研究者の自由にならない研究費獲得競争の心理的プレッシャーの下で発生した、というのが同新聞記事の趣旨だが、当然ながら、だからといって不正が許容されるわけがない。私は、不正発生の根本的原因は、科学そのものの論理体系に内在するのではないかと思量する。