<大相撲1月場所14日目、白鵬・稀勢の里戦>
※ 画像は、1月 24 日付『讀賣新聞』第 24 面から転載。
二天一流・宮本武蔵 敵より我の方にかかる時の先、是は、「待の先」と云也。
北辰一刀流・千葉周作 夫剣は瞬足、心気力の一致。
北辰一刀流・千葉周作 夫剣は瞬足、心気力の一致。
宮本武蔵が云う、「待の先」いわゆる「後の先」とは、相手に攻撃をさせ、それを捌くと同時に瞬時に攻撃に移ることであり、 充実した心気力の一致を前提とする。
白鵬の場合は、心気力の一致が叶わなくなり、立ち合いに苦し紛れの愚策を弄するのを、 自慢げに「後の先」と言うが、実態は、体力の衰えを隠すための目くらまし戦法で、 先場所の栃煌山戦における「 ねこだまし」はその最たるものである。
今場所の稀勢の里戦では、 無気力な立ち合いの後、稀勢の里の鋭い出足に後手を取り、為す術もなく無様な敗北を喫した。 相手の肩に両手を当てるだけで、 その後に瞬時の攻撃がなければ、「後の先」も単なる紛い物でしかない。白鵬の落日は目前に迫っていると見た。