随所で外国技術のコピーに飾られた中国初の空母「ワリャーグ」が、八月十日、大連周辺の海域で試験航行(大連港に停泊中のワリャーグ=写真上段は、8月11日付『讀賣新聞』第5面<青山謙太郎氏撮影>から転写)を行った。空母保有は、南シナ海から西太平洋までの海洋権益の確保を目的としたもので、その背景には、資源開発を視座に尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海の実効支配の拡充と、西太平洋やインド洋での存在感の増大を念頭にした海洋覇権戦略がある。
海の覇権は、清朝末期の屈辱の近代史を踏まえ、中華民族の偉大なる復興を掲げて強大な中華帝国を建設しようとする中国の野望と重なっており、今や米国と真っ向から対峙するまでに拡大(中国海軍の増強を巡る動き=写真中段は、同新聞から転写)している。
今回の試験航行は、エンジンを稼働させた自力航行テストと思われるが、今後は、艦載機の洋上での発着訓練、防空ミサイル駆逐艦(南シナ海の実弾演習でミサイルを発射する中国艦船=写真下段は、1月14日付・同新聞・第6面から転写)・フリゲート艦・潜水艦など支援艦艇との合同訓練を積み重ね、得られたデータは、既に上海で建造が始まっている国産空母に反映されるだろう。国産空母完成の暁には南海艦隊の海南島基地に配備され、既に就役しているワリャーグとともに、二個空母戦闘群が整い、周辺諸国を威圧することになる。国威は大いに発揚し、まさにシナ恐るべし。
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