タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪『釧路新聞』<巷論>(09年7月11日)≫

P1040597 こちら毎度お馴染み、古紙回収の□□商店・・・ではなかった、『釧路新聞』<巷論>の毎度毎度でお馴染みの例の執筆者を俎上に乗せる。
 政府の「アニメの殿堂」計画を揶揄し「マンガは四コマ、『起承転結の文化』がいい」と断言した者の筆に成るとは思えない支離滅裂の<巷論>。
 <巷論>と<余塵>と<番茶の味>の区別もつかないような者に<巷論>を執筆させ購読料を取るとは、釧路新聞社も阿漕ではないか。編集部の見識を疑いたい。いいかげんにせんかい。
 ○○論と銘打たれた書き物は、内容とともに、論旨の展開に破綻がないことが肝心であって、必ずしも起承転結の形式に拘る必要はない。書こうとする内容を読み手に伝える形式を工夫し、論理的に組み立てるところに書き手の醍醐味と苦しみがあるということだ。推敲の跡のない文章は読むに耐えない。
P1040642 今回の<巷論>の欠陥は、第一に、タイトルと内容との乖離である。「つれづれなるままに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつく」(『徒然草』序段、冨倉徳次郎 編『徒然草・方丈記』〈角川書店〉)る随筆の類でも、このような散漫・支離滅裂は珍しい。サミットの方向どころではない。
 第二は、論旨の展開だが、論評するに値しない。
 第三は、今回の極めつけ・・・だろう。「サミットを欠席した主席、どうか少数民族を守ってください」には驚き入った。国際問題を扱う力量もないのにサミットを論じるから、すぐ馬脚があらわれる。胡錦濤がラクイラ・サミットを欠席して急遽帰国したのは、政治局常務委員会を開催し、暴動を早期に武力鎮圧するのが目的であり、ウイグル族を保護するためではない。新聞の「ウイグル暴動徹底摘発」(7月10日付『讀賣新聞』第1面)という見出しは、胡錦濤政権に対する世界の常識的認識である。

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