自然林における樹木の生長は、地面に種子が落ち発芽することから始まるが、笹地の場合は発芽はほとんど期待できない。発芽には裸地が必要で、発芽しても周囲に樹木が生い茂っていれば、日陰で幼木は生長を阻害され、枯死に至ることが多い。笹地に倒木更新あるいは切り株更新が多いのは、倒木や切り株が発芽と生長の条件に恵まれているからに外ならない。写真上段<左>のトドマツと<右>のアカエゾマツは、草地においても、倒木や切り株は種子の発芽と生育にとって優位にあることを示している。 トドマツとアカエゾマツの生育地は重複するが、識別は容易である。顕著な違いは樹皮と球果の付き方。トドマツは灰白色で平滑、アカエゾマツは黒赤褐色で不規則な鱗片がつく。トドマツの球果は上向き、アカエゾマツは下向きでトドマツの二倍の大きさになる。
葉は、トドマツの方が幅広で長く、先端が二裂し柔らかい。エゾマツとアカエゾマツの違いは微妙だが、エゾマツの葉は、トドマツと同じく裏に白い気孔線があるので、アカエゾマツと区別できる。弟子屈町川湯のエコミュージアムセンター裏にアカエゾマツの自然林がある。
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