タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

ガマの穂綿と因幡の白ウサギ

<幌呂原野の牧草地灌漑用水路の水際に生えたガマ>

大黒さま
作詞: 石原和三郎  作曲: 田村虎蔵
文部省唱歌「尋常小学唱歌 第二学年 上」(明治38年)

1 大きなふくろを かたにかけ
大黒さまが 来かかると
ここにいなばの 白うさぎ
皮をむかれて あかはだか

2 大黒さまは あわれがり
「きれいな水に 身をあらい
がまのほわたに くるまれ」と
よくよく教えて やりました

3 大黒さまの いうとおり
きれいな水に 身をあらい
がまのほわたに くるまれば
うさぎはもとの 白うさぎ

4 大黒様は だれだろう
おおくにぬしの みこととて
国をひらきて 世の人を
たすけなされた 神さまよ

※ HP「世界の民謡・童謡」で、曲を試聴できる。
URL www.worldfolksong.com/songbook/Japan/daikokusama.htm

 釧路湿原に隣接する幌呂原野南東部の湿地には、かつて造成された牧草地の水はけをよくするため、要所要所に灌漑用水路が掘られ、水際のアシの中にガマが生えているのをよく見かける。

 ガマの円柱形の花穂は、雄花と雌花が上下に分かれている。雄花の花粉で結実した雌花は、秋になると、綿屑のような冠毛を持ち密集する微小な果実が肥大し、竹輪形のガマの穂を形成する。この穂が風で崩れると、いわゆるガマの穂綿が辺り一面に飛散する。

 10 月19 日、幌呂川支流でクレソン摘みを終え、灌漑用水路に沿った農道を走行していると、 たまたまガマの穂綿が風で飛んでいるのが目に入ったので、車を止めてもらって撮影した。ガマの穂綿で思い出すのは、小学生の頃に覚えた「大黒さま」の歌、あの「赤裸にされた因幡の白うさぎ」である。

追記 】数日前、あるブロガーの方から、歌の中の「がまのほわた」は、秋に綿のような冠毛をつけて風に飛ばされるモフモフとした微細な種子ではなく、正しくは、初夏に雄花穂から出る蒲黄と呼ばれる花粉を指す、とのことです。赤裸の兎は、薬効のある蒲黄に包まって傷を癒して元の白兎に戻ることができたのですね。花粉のこととはつゆ知らず、ただ穂綿とばかり思っていました。どのような方か存じ上げませんが、ご親切に対して心からお礼申し上げます。( 2017 年4月10
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