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タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪北海道教育大学教員の講義シラバス≫

P1150482_2 知人の子息が教員志望で、北海道教育大学釧路校を受験するという。ウェブで北海道教育大学を検索し、〝受験生の方→大学紹介→釧路校の履修基準→教員養成課程→学校カリキュラム開発専攻→シラバス検索〟という順に進んで、英語の免許状を取得するために必要な科目のうち、試みに「比較文化」という授業科目のシラバスを開いてみた。
 なんと驚くなかれ、実現不可能な講義内容、重大な記述の誤り、理解不能な言葉が堂々と並んでいるではないか。私は、英独仏語など外国語の専門家ではないが、一応は大学の〝文学部文学科〟を卒業し、英語と独語はある程度読めるので、このシラバスが形だけ整えたデタラメだということぐらいは分かる。
■【イギリスの『ファウスト博士の悲劇』(マルロー)】→正しくは【イギリスの『フォースタス博士の悲劇』(マーロウ)】→まさかアンドレ・マルロー?
■【イギリスの『ファウスト博士の悲劇』(マルロー)に文学化され、人形劇・伝説に変身し、『ファウスト』(ゲーテ)で最高点に】→正しくは【実在と思しきファウストなる人物の伝説がドイツで民間に流布、その伝説を基にイギリスでマーロウが『フォースタス博士の悲劇』を戯曲化、後にゲーテが『ファウスト』を完成
■【5 マルローの『ファウスト』を英語と日本語で読む】→正しくは【マーロウの『フォースタス博士の悲劇』を英語と日本語で読む】だが、5週目1回でこの作品を読むことは不可能だし、英語と日本語で読んでも「比較文化」にはならない。
■【ゲーテの『ファウスト』をドイツ語と英語と日本語で読む】→この大作を、6週目から7回で読めるものなら読んでみるがよい、読めやしない。万一読めたとしても、ドイツ語と英語と日本語でただ読むだけでは「比較文化」にならない。
■【到達目標は5種類】→シラバスのどこを探しても、五つの到達目標は見当たらない。見当たらない目標の到達度といわれて、受講生は困惑するだろう。この講義担当者は、半期15回でどれほどのことができるかを考慮しないで、ただファウスト的なものに独善的に酔いしれているに過ぎない

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