タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

30年間も読み続けた徳大寺有恒の自動車評論

徳大寺有恒 著 『間違いだらけのクルマ選び』
穂積和夫 挿画/平野甲賀 装丁
株式会社草思社(1976 11 15 日 第1刷発行)

 徳大寺家は、平安時代の左大臣・藤原実能を祖とし、清華家の家格を有する公家。徳大寺有恒とは罰が当たりそうな大仰なペンネームである。本名は、杉江博愛、1939 年生まれ。レーシングドライバー、自動車用品会社経営を経て、自動車評論家として活躍、公家の名を冠して恥じない業績を斯界に残した。2014 年没、享年 74 歳。

 1976 年から 2006 年の最終版まで各年版(05年夏版は休刊)の刊行が続いた 30 年間のうち、初めの 10 年は、私が自動二輪車から三菱ギャランの中古車に乗り換え、クルマいじりの楽しみを覚えた時期、中間の 10 年は、日産セドリックの中古車の修理と塗装にのめり込んだ時期、最後の 10 年は、軽トラックとの新しい車生活が始まった懐かしの時期と重なる。

 メーカーに阿諛追従しない、ユーザー視点に基づく辛口の評論に共感し、買い求め続けた 35 冊( 79 年版欠落 )が今も書庫に並んでいる。
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