高ボッチ高原と鉢伏山

高ボッチ高原と鉢伏山は『八ヶ岳中信高原国定公園』内にあり、松本盆地の東南部に位置しています。

鉢伏山に関するデータ

2006年04月06日 | 概略
鉢伏山の位置

岡谷・塩尻・松本の3市にまたがっている鉢伏山 は筑摩山地の南側に位置し、鉢を伏せたような山容であるため「鉢伏山」と呼ばれています。 
西の松本盆地と東の岡谷市横河川の浸食谷との間にある南北方向に走る山地として、松本市誌・塩尻市誌では「鉢伏山地」という言葉もあります。
鉢伏山地の主峰は当然のことながら鉢伏山になります。
東方に二ッ山(標高1826.4m)、三峰山(標高1887.m)、南方に横峰(標高1670m)、高ボッチ山(標高1664.8m)、東山(標高1429.5m)を経て塩尻峠(標高1011.4m)があります。


鉢伏山の標高

鉢伏山 ---標高1928.5m
前鉢伏山--標高1836m


鉢伏山と水

この東方南方に延びている尾根筋が日本海と太平洋の分水嶺となっています。
西斜面に降った雨は日本海に注ぐ犀川・信濃川水系、東斜面に降った雨は太平洋に注ぐ天竜川水系となっています。。
また、松本平を流れる薄川・午伏寺川・田川、諏訪湖に流れ込む横河川はこの鉢伏山を源としています。


鉢伏山の山容

松本市誌によると鉢伏山は明治初期まで山頂は亜高山体針葉樹林に覆われていましたが、度重なる山火事とこれに加えて乱伐・盗伐により山頂付近は現在の草原状になったようです。
草原状になってからは農家の採草地・放牧地に利用されました。


鉢伏山と宗教

鉢伏山頂には雨乞いの神様として鉢伏大権現が祭られています。
かつては真言宗金峰山午伏寺の普賢院が置かれており、山岳仏教の霊場となっていたそうです。


鉢伏山の雪形

松本平から見て東側に有る山で唯一雪形の観察できる山が鉢伏山です。
鉢伏山頂からの松本平の眺望の良いことは有名ですが、このことは、松本平の各場所からも鉢伏山がよく見えるということとなります。
そのため同じ雪形を見ていても見る場所により、また、時期により違った雪形に見えます。
一般的に言われている雪形は「鶴」・「雁」・「鎌」、「マ」「ハ」・「ス」の字等です。
私は松本に住んでいますが、我が家からは「杯」に見えます。
雪形は農耕作業の時期を知るための印となりますが、鉢伏山の雪形が「マ」の字に見えたら豆を蒔け、「ス」の字に見えたらスイカの種を蒔け、「ハ」の字に見えたら籾を蒔け、というようなものが有るそうです。
いずれにしてもこの雪形は鉢伏山頂が現在のような草原状になった明治初期になってからのものと思われます。


鉢伏山○○名山

 花の百名山(田中澄江氏 文春文庫)
 新・花の百名山(田中澄江氏)
 ビデオ版花の百名山(NHKビデオライブラリ)
 信州百名山(清水栄一氏選定)  
 日本三百名山(日本山岳会編集委員会)
 甲信越百名山(山と渓谷社)


その他の「鉢伏山」

 福島県耶麻郡熱塩加納村  標高1576m
 富山県高岡市   標高200m
 富山県東礪波郡庄川町 標高510m
 石川県輪島市、柳田村 標高544m
 福井県敦賀市、南条郡今庄町 標高762m
 福井県南条郡今庄町  標高762m
 長野県伊那市、上伊那郡高遠町 標高1454m
 兵庫県養父郡(やぶぐん)関宮町  標高1221.1m
 大阪府羽曳野市 標高211m
 大阪府茨木市 標高299m
 大阪府箕面市 標高604m
 和歌山県西牟婁郡大塔村 標高798m
 和歌山県海草郡下津町 標高200m
 兵庫県神戸市 標高240m
 香川県善通寺市 標高99m
 徳島県板野郡板野町 標高439m
 高知県高知市、南国市 標高210m
 鳥取県東伯郡東郷町  標高514m
 島根県能義郡伯太町 標高140m

参考図書  松本市誌第一巻 自然
        塩尻市誌第一巻 自然
        近田信敬著「信州雪形ウォッチング」


高ボッチ高原に関するデータ

2006年04月06日 | 概略

高ボッチ高原の位置

塩尻・岡谷・松本市にまたがっている高ボッチ高原は筑摩山地の南側に位置しています。
塩尻市誌では「高ボッチ高原」を高ボッチ山頂から四沢山の平坦地と定義していますが、ネット等では、鉢伏山から高ボッチ山周辺の平坦地としていることが多いようです。
私のHPでは塩尻市誌と同様に「高ボッチ高原」を高ボッチ山頂から四沢山にかけての平坦地としています。
高ボッチ高原の主峰高ボッチ山は松本平からみると三角形をした山頂部がわずかに見える程度です。
前にある四沢山を高ボッチ山と勘違いしている方が多いようです。


高ボッチ高原の標高

高ボッチ山 ---標高1664.9m
四沢山   ---標高1617.3m


高ボッチ高原と水

高ボッチ高原一帯の尾根筋が日本海と太平洋の分水嶺となっています。
西斜面に降った雨は日本海に注ぐ犀川・信濃川水系、東斜面に降った雨は太平洋に注ぐ天竜川水系となっています。
塩尻峠にはこの事に関しての説明版が設置されています。


高ボッチ高原の草競馬

毎年8月第一日曜日に開催されている草競馬は、日本一標高の高い所で開催される草競馬大会で、既に50回を数えるにいたっています。


高ボッチ牧場

JA塩尻市中央営農センターが運営している牧場です。
5月下旬より10月中旬頃まで乳牛、サフォーク等が放牧されています。


高ボッチ山の民話

関東地区に多い巨人伝説によると思われる民話があります。
「だいだらぼっち(でいだらぼっち)」と呼ばれる巨人がその昔、京都にある山を信濃まで運ぼうと藤の蔓でその山をしばり、背負って持ってきたのだそうです。
途中、高ボッチのあるあたりで藤の蔓が緩んでしまったため、しばり直そうと腰をおろした山が高ボッチ山、立ち上がる時に踏ん張って出来た足跡が諏訪湖、再度背負った山からこぼれた土が小泉山、大泉山になったということです。
因みに、「四沢山」と「東山」の間には「荷直峠」があります。


その他の「高ボッチ」

福島県西白河郡西郷村熊倉に「高ボッチ」という地名があります。


参考図書  松本市誌第一巻 自然
        塩尻市誌第一巻 自然


高ボッチ高原と鉢伏山の位置

2006年04月06日 | 概略


高ボッチ高原・鉢伏山は筑摩山地の南端に位置しています。
地形図を見てお分かりのように筑摩山地は長野県のほぼ中央に位置しています。


≪使用している地形図は、長野県庁交通政策課が「カシミール3D入門」(実業之日本社刊の付属ソフトで作成したもので、長野県庁交通政策課のご了解を頂いて使用させて頂いております。≫