ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vol.34"バトル・オブ・シリコンバレー"【カルト&オルタナティブ第14回】

2017-01-27 18:00:57 | 映画
こんばんは。
観たいけど観れてない新作群…ネオン・デーモン、ドント・ブリーズ、この世界の片隅に…などなど。終わる前に行きたいです。

今週はこちら。
"バトル・オブ・シリコンバレー"です。パソコン界の巨人2人についての実話を基にしたフィクション。windowsのビル・ゲイツとmacのスティーブ・ジョブズのお話。

世の中には1人よりも2人の方がより個性が際立って面白い…ということが時々ある。ロックにおいてもストーンズとビートルズ、オアシスとブラー、リバティーンズのピートとカールetc…。漫画だとバクマンの2人が近年印象に残ってます。


この映画の見所は、誰もが知っているパソコン界のビッグ2人を、見事に真逆の人物として描いているところ。


スティーブ・ジョブズ。
彼はスーパーイケメンでナルシスティックでぶっ壊れた天才肌の才人としてスクリーンに君臨します。若い頃はヤクをやったり学生運動に参加したり自分探しの旅に出たり…経営者になってからはカリスマ性を武器に、自分の作ったパソコンを「芸術品」として見事にブランディングしていきます。頭が良くドライでありエゴイスト、だけどあなたが好きですスティーブ・ジョブズ!!!となります。


かたやビル・ゲイツ。
彼は全世界のヲタ代表と言わんばかりに、そのナード性を惜しみなく垂れ流していきます。シャツのシミがひどい…と言われシャツを交換した後です。ヲタク仲間と活動を続け、並々ならぬ情熱を武器にジョブズに負けず頑張ります!
ジョブズと違い、一般人寄りに描かれていますが、プライドを捨てた男の意地、窮鼠猫を噛むと言わんばかりに商才を発揮していきます。
俺たちのゲイツ!!!!


前半は2人がそれぞれ仲間達と会社を立ち上げるまで。人となりが丁寧に描かれます。
そして後半。全てが真逆である2人の人生が徐々にクロスしていきます。
マッキントッシュを完成させ見せびらかしているジョブズと絶対に追いつきたいゲイツです。

この2人の物語としても見応え十分ですが、我々が日常生活でみているパソコンやがどうやって生まれたのか、ってのもわかって面白いです。
(世界仰天ニュースやアンビリーバボーみたいな、出来の良い再現VTRを見てる時の充実感)
余計な説明も少なく、タイトに丁寧に作られていて観やすいです。
若干テレビ的というか映画らしくなさすぎる感はありますが、好みの範囲。映画っぽいのがみたければソーシャルネットワークとかもありますし。時期も同じくらいです。

IT界のビッグスター2人の伝説がスクリーンに!あなたはジョブズ派?ゲイツ派?
イケメンvsヲタク(どっちもヲタク)の天下分け目の対決にしびれる90分。
700点!

ちなみにジョブズ本物、ちゃんとイケメンでした。
こちらはゲイツ本物。ちゃんと

また来週。

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THIS IS JAPAN MV from "DISTORTION"

"GALAXY"
https://youtu.be/6jU-GSHDwhI
"D.I.Y."
https://youtu.be/WNMz-_yQG6g


vol.33 "26世紀青年" 【カルト&オルタナティブ第13回】

2017-01-20 18:00:08 | 映画
こんばんは。
2017年、早くも1ヶ月が過ぎようとしている。
THIS IS JAPANは大阪・京都ライブを終え、今週は下北から水戸へライブしに行きます。ドライブスキル!

今週はこれぞ珍作。「26世紀青年」このジャケットに不安しかない上に、日本でのキャッチコピーは「20世紀少年×WALL・E÷2=26世紀青年」とさらに不安を煽る。タイトルにはもはや清々しさすら感じる投げやり具合。
ドロ舟にのった気持ちであらすじを確認!

2005年、アメリカ陸軍は極秘裏に人間の冬眠実験を開始する。実験体に選ばれたのは平均的な能力を持った軍人ジョー・バウアーズと売春婦のリタ。1年間の計画だったが、極秘実験の責任者が麻薬不法所持と売春あっせん容疑で逮捕されたため忘れ去られ、二人は500年後の未来に目覚めることになった。500年の間、賢い者が子作りを控える一方で知能の低い人間が野放図に子供を作り続けた結果、平均IQが低下し堕落した社会となっていた。ゴミがひたすら積み上げられ、砂嵐が吹き荒れ、農作物は育たず、水の代わりにスポーツドリンクが供給されていた。元の時代に戻るためにタイムマシンを探すジョーは、周囲から馬鹿にされたり刑務所に収監されたりしながらも、この世界の生きている人間の中で一番のインテリであったため、内務長官に任命され、農作物の復活と砂嵐を止めさせられる羽目になる。

これはドストライクなあらすじだ…
冬眠した結果、自分が一番頭が良いという世界で目覚め、そのインテリジェンス(本来は並くらい)を活用し、ヒーローへとのし上がる!ワクワク!

しかし、その世界は予想以上にidiot!!!!!だれも掃除しないから世界中ゴミ屋敷。博物館ではチャップリンとヒットラーが誤って展示されている。中でもヤバイのがテレビ番組のOW!MY BALLS!。ひたすらに男の大事なアレを蹴り上げるだけの番組が大人気です。ただ蹴り上げられて、オーマイボール!と叫ぶだけのジーザスな番組。

出てくるキャラももちろん負けていません。
この世界ではポルノスターが大統領だ!衣装も髪型も装備もすごい。圧倒的なカリスマを感じさせます。オスの匂いだ…!

もうこの時点で大満足でしたが、中身もなかなか面白かったです。
出てくるやつが全員バカという設定を生かし、主人公がいともかんたんにウルトラC級のミッションをクリアしていきます。
たとえば、前回紹介した"パピヨン"が嘘のように、主人公が簡単に脱獄します。
「今日出所なんだ、出口はどこかな?」
「誰だお前!…そうなのか、こっちだよ」
こんな感じだったか。
そんなバカのヒットパレードといえる本作ですが、現代のいろんな引っかかりをデフォルメして描いてるニュアンスもあり、その一つ一つに主人公がツッコミを入れてくストーリー展開はなかなかに風刺が効いてます。
いやでも風刺とかじゃなくてただバカなことをやりたいだけかな?どっちなのかな?ん?
そんな本気なんだか冗談なんだかわからないのが愛らしいという奇特な映画。
ス◯バが風俗店になっててツボに入りまくった
ちなみに原題は"IDIOCRACY"。まるで劇中の人々がつけたようなヤレヤレな邦題に反してクールなタイトル。バカによる民主主義、なるほど。

真面目とおふざけの狭間をラリーする、底知れないバカルト映画。
個人的には大好きなので、この類が好きな人はぜひ!800点IDIOT!!!!!

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THIS IS JAPAN next live…


■1/21(土)@下北沢BASEMENTBAR

キムラフミカ企画 “箱の中の猫 vol.5”

w/ ナードマグネット / 明日、照らす / THE MASHIKO

開場/開演:18:00/18:30
前売/当日:共2500+1drink
(THIS IS JAPANは18:30~)



■1/22(日)@水戸ソニック

“Beat Burn ch73×ハラフロムヘル1st album「みのほど」レコ発

w/ハラフロムヘル / しまだあすか(band set)/Ytterbium Fuckin’ Brothers / Slimcat

開場/開演:17:30/18:00
前売/当日:¥2,300/¥2,800
※高校生以下2名以上の予約で無料(別途D代)


ご予約はhttp://thisisjapan.netよりどうぞ。


vol.32 "パピヨン" 【カルト&オルタナティブ 第12回】

2017-01-13 18:00:30 | 映画
こんばんは。
明日からTHIS IS JAPANは大阪、京都と関西へ行きます。関西の人!!!!

vol.32は脱走モノの傑作。スティーブ・マックイーン×ダスティン・ホフマンの"パピヨン"です。このジャケットに全然そそられなくて、観るのをためらっていたのですが、板尾創路さん他いろんな方がオススメしてることを知り観ました。

あらすじ〜
1930年代のフランス。胸に蝶の刺青を入れていることから“パピヨン(蝶)”と呼ばれる主人公は、金庫破りで捕まったはずが殺人の罪を被せられ、終身刑の判決を言い渡される。南米ギアナのデビルズ島で過酷な強制労働を科せられたパピヨンは脱獄を決意し、偽札作りの天才ルイ・ドガと手を組むが…。

実話モノです。脱走モノは数あれど、パピヨンはズバ抜けてグッときましたよ…!

まず、囚人生活の描写がこれでもかってくらいリアル。特に、主人公パピヨンが、独房に入れられるシーンは強烈です。自分が独房入ったらこんな感じだろうな…と体験できる上、本作の独房は普通のよりかなりハードなので、誰でも簡単に独房絶望体験できます!大変辛い。

独房だけじゃない!
映画的な見せ場も多数あります。とにかく画がダイナミック!話の大半は囚人生活ですが、ジャングルから海まで、贅沢なロケーションが楽しめます。一生の間にこんなとこいかないだろうな…みたいな場所しか出てこないので、場面が変わる度に「新しいステージキタ!」という感じで退屈しません。あと人が結構死にます。お気に入りはジャングルステージと、ルパン三世ライクな脱走シーンです。

ここまでで十分、エンターテイメントとしては平均点以上なのですが、加えてこの作品は心情描写がとにかく緻密!
登場人物が少なめなこともあり、各々のキャラクターの表情や仕草から、台詞を言わずともエモーショナルが伝わってきます。台詞があったらあったで、名台詞ばかり!
友情だとか諦めない心とか、言葉にするとクサくて吐き気がするよな素材を、名優二人が華麗に料理します。真の名演に台詞なんて野暮だな…とすら思いました。対照的な2人のキャラクターにより、夢に向かって挑む人、現実を見据えしっかりと歩む人、そのどちらにもエールを送る構造になっているのがニクい。

囚人体験脱獄エンタテインメントに人生のテーマをぶっ込んだ最強ハイブリッドムービー!!!!!
ちょっと長いところ以外文句がないです。
脱獄王900点!!!!

来週はくだらない方のカルトでもみよう

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next THIS IS JAPAN…

■1/14(土)@南堀江knave

おしゃれキャッツ♪♯企画”宇宙規模のOKGAKU vol.3″

w/ ハンブレッダーズ / SATORI / yEAN / 雨先案内人 / いくみ(from加速するラブズ)

前売/当日:¥2500/¥3000(+1drink)
※U-25割(要身分証等):¥2000/¥2500(+1drink)

(THIS IS JAPANは20:30~)



■1/15(日)@京都VOXhall

“京都VOXhall×the seadays
『三条ヶ原の合戦』”

w/the seadays / 白線の内側(名古屋) / 笹口騒音ハーモニカ

前売/当日:¥2,000/ ¥2,300(+1drink)


ご予約→thisisjapann@gmail.com

vol.31"スペース・ゾンビ/吸血ビールス大襲来" 【カルト&オルタナティブ第11回】

2017-01-06 18:00:45 | 映画
あけましておめでとうございます。
THIS IS JAPAN、ワンマンたくさんのご来場ありがとうございます。
映画ブログ、今年も毎週更新予定!
新年早々、カルトすぎる映画を観てしまったので報告です。

「スペース・ゾンビ/吸血ビールス大襲来」
バタリアンやバイオハザードといった作品にも影響を与えた(かもしれない)名(迷)作。

あらすじ→
ある日、突然ゾンビと化した農夫たち。
実は魔のゾンビ・ビールスによって空気感染した犠牲者達だったのだ。
次々とゾンビ化する村人を青年ジェフと不良少女ジュリーが追う。
その頃、米軍のサンダース将軍はゾンビ壊滅作戦を実行するため、大統領に核兵器使用許可を嘆願するのだが・・・


確実にB級だとわかっていて観ましたが、完全なるB級映画…!!
あらすじだけだと、しっかりした大人のゾンビ映画かな?とすら思えますが、最高にチープでツッコミ所しかない愛らしい作品。
見所は既存のゾンビ像とかけ離れたゆるゆるゾンビ&史上最高に頭が悪いアメリカ軍曹。
ゾンビはメイクと血糊のみの手作り仕様。まぁそこまでは予算の都合でしょうがないかもですが、基本的に襲ってこない所が革命的だ!ゾンビのくせに人間としての人格をほぼ残しているため、一生懸命ゾンビになることを勧めてきます。自分の知りうる限り初めてのゾンビ営業マンです。
中でも主人公の友人がゾンビになってしまうお約束シーンがあるのですが、もともと友人なだけあって優しさがすごい。
「おれは君のこと襲わないけど、ゾンビになることはおすすめです!よかったら!」
暴力では何も解決しないことを知っているニュー・ゾンビの誕生です。(1983年作品)
案の定めちゃくちゃ弱い。ゾンビに対抗するアメリカ軍も負けず劣らず、すさまじいパワープレイを展開!!
大統領に核兵器仕様許可を電話一本で申請。
さすがに最初は大統領もゴネますが、軍曹の熱意に根負けし「めんどくさいから小さめの爆弾ならいいよ」とのこと。
軍曹はゾンビに侵された街を消し飛ばそうとするのですが、テンションの上がりすぎた軍曹は誤って隣町に落とします!隣町がキノコ雲に包まれる中、ゾンビ達は平和に仲良く暮らしました!!!!主人公達はここでキスシーン!!

ゾンビ達1番の見せ場。ここより怖いシーンはないので、怖がりなあなたにもオススメです。
終始ツッこんでいいのかわからない微妙なギャグが続き、怖ろしさを感じないどころか優しさを感じるゾンビ達と余りにもマッシブなアメリカ軍の対決。
ほとんどダメダメだけど、なぜか愛せる不思議な魅力…半分どころか9割がやさしさで出来ている、毒にも薬にもならないゾンビ映画!500点!

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new!! THIS IS JAPAN movie!!!!

『D.I.Y.』(from "DISTORTION")

『カンタンなビートにしなきゃ踊れないのか(LIVE)』 (from "DISTORTION")

now on sale!!!!!
http://thisisjapan.net