ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

引っ越しました

2019-10-14 02:42:00 | 日記

ゾンビとスマイル

2019-10-11 18:36:03 | 日記
前作、"FROM ALTERNATIVE"を発売し、ツアーを初めて回った。ハイエース、高速道路からみた青い夏の景色は今も鮮明だ。
確かな充足感と心地よい疲労感。みんな日々働きながらのバンド活動だったが、初めてのことの連続で楽しかった。


そんな諸々がひと段落した後、次のバンドの音を探すべく曲を書き始めた。
…なんて言うとかっこいいが、今思うと、何も書けていなかった。

当時は、そんなわけねぇ!俺はできる!と思いながら、がむしゃらに曲を書き続けていたが、多分何も形になっていなかった。なんということだ。
そして今思えば、自分の歴史史上、類稀なるふさぎこんだ日々をこの時期は過ごしていた。




あまり落ち込むことに免疫のなかった俺は、憂鬱の影から逃げるように、気晴らしに近くの公園で深夜徘徊するようになった。
アコギを弾いてヒャォ!!と歌ったり、あ!思いついた!などとつぶやきながら鼻歌で曲を作ったり、わけもなく走ったり、ジャングルジムに登ったりした。

しかし、どれもこれも帰る頃には手応えはなくなっており、決まって最後はハトがパタパタ歩いているのを眺めながらタバコをふかし、とぼとぼ帰る日々だった。



そんな数週間、いや、下手したら数ヶ月が過ぎ、これはどうにかして元気を出さなきゃやばいぞと思い、いろんなことをやってみた。

職場のフットサル大会に参加したり(できない)、慣れない酒を飲んだり(飲めない)、サウナに足繁く通ったり(これは最高)など。

しかしどれも根本的な解決には至らず、しまいには人と話す時、あ、あ、と言いながら、頼まれてもない0円スマイルを繰り出す男になっていた。




ある日、ガン・アクション映画が好きなことを同僚に伝えると、サバゲーにいきませんか?と誘われた。
彼はEXILE風のイケメンだったが、その顔面とは裏腹にナイーブな一面を持っており、アメリカンスナイパーになりたいんです…と狂ったように愛銃をカスタムし続けていた。
彼の手引きもあり、御徒町のガン・ショップでハンドガンとマシンガンを買い、フィールドに向かった。


サバゲーとは、その日出会った全くの見ず知らずの他人も含め、2チームに分かれて電動ガンやガスガンで撃ち合うなかなかイカれたゲームである。装備も本格的で、手榴弾(無数のBB弾が弾け飛ぶ)もあるし、暗視ゴーグルなんかもある。自衛隊風の人からバイオハザード風、カウボーイ風などスタイルも様々。



初めてのサバゲー。壁に隠れ、仲間と協力し、敵陣に突っ込んだり、大声を出したり、這いつくばったり、誤って味方に発砲したりした。
何より撃たれまくった。BB弾じゃなかったら即死。撃たれるたび死に、試合が終わると生き返り、また戦場へ向かう。他のことを考える暇もない。

フィールドもクソ田舎のだだっ広いキャンプ地もどきだったり、今にもゾンビが襲いかかってきそうな薄汚れたビルだったりした。現実から俺たちを遠ざけることにかけては完全なる場所だった。


徐々にコツを掴み、終盤の試合で、女兵士との一騎打ちとなった。
いつか映画で見たシーンのように、転がりながら愛銃・デザートイーグルを撃ち続けた。その様はカメラ越しにベテランゲーマーに笑われていたので、さぞや無様だったと思うが、その銃弾で女兵士を仕留めた。
俺は誰よりもでかい声で咆哮した。俺はニキータになった。試合終了のベルが鳴る。




初めて自分がその試合でMVPになった時、味方からも敵からも拍手された。スポーツマンシップのようなものはサバゲーにもあるのだ。
運動音痴な自分はあまりこういった経験をしたことがなく、照れ臭かったが、久しぶりに嬉しいなと素直に思えた瞬間だった。






30曲作ろうキャンペーンの時期。
デモをまた作り始めた。
歌詞はうまくかけなかったが、音はイメージがいくつかあったので、力任せに作り続けた。

その内の何曲かに、かわむらが反応し、歌詞と歌をつけてくれた。

"apple me"と"グルメ"と名付けられた2曲。どちらも明るい曲だとは思わないが、希望も絶望もごちゃ混ぜにして飲み干そうとするエネルギーがあった。



ああ、バンドを始めた頃の俺は、こんな気持ちだったのかもしれないなんて勝手に思った。かわむらは俺のことを誰よりよく知っている。



骨抜きゾンビとなっていた自分がこのバンドをまだやれていることに感謝し、0円スマイルはその日からやめた。






vol.40 "40歳の童貞男" 【カルト&オルタナティブ第20回】

2017-03-24 18:00:32 | 映画
こんばんは。
今回は記念すべき第40回ということで、40にちなんだ作品です。
「40歳の童貞男」(原題:the 40year old virgin)。

電車男、バス男、さまざまな男シリーズの中でも最終兵器といえる本作。なかなかインパクトのあるタイトルですが、ハートフルなコメディです。

あらすじ→
家電量販店の店員アンディは、気のいい人当たりのよい男で、同僚たちからの評判も悪くない。しかし彼には、フィギュアなどのオタク趣味と、40歳にして未だ童貞という秘密があった。
ある日、同僚で悪友の3人の友人たちとポーカーに興じていると、話題は下ネタ、それもセックスに関するものになってしまう。話を振られ、作り話をするアンディだったが、彼らにセックス体験が全くないことを見破られてしまう。アンディに童貞を卒業させるべく、協力することを申し出る友人たち。そしてアンディに出会いが訪れる…!


この手の作品で最も重要なのは登場人物の魅力ですが、家電量販店の仲間たちが全員最高というミラクル!!


線の細いナルシスト、ちょいワルのイケメン、話術のあるポッチャリメンという3人。ここに40歳の童貞男が加わります。まるでアベンジャーズのようなオールスター感。
中でも最高なのはモテるべく行ったメンズエステでの脱毛シーン。
ポッチャリメンの着てるTシャツがオルタナすぎます。



ソニックユース!!!!!
いまだかつてソニックユースと脱毛シーンが共存する映画を俺は知らない。

こんなやつらいたら仕事楽しそうだな…というガイズ達との職場パートだけでも魅力ですが、ヒロインとのラブコメパートも良いです。
お気に入りはヒロインとの喧嘩シーンでアメリカのオタク魂が爆発するシーン!燃えるぜ!



オタク魂と彼女の間で揺れる主人公に少年の心を持った大人達はゆさぶられることうけあい。

もちろんヒロインも現実にいそうなところがとても素敵です。手が届きそうで届かないあの感じが妙にリアルさを作品に加える。

最高のヒューマンドラマには、最高のコメディが不可欠であることを体現する作品。
下品だけどたくさん笑っているうちにあなたも主人公を応援しているはず。

純愛コメディ800点!!笑えます。



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next THIS IS JAPAN…



いざ大阪へ!!
http://thisisjapan.net

vol.39"ソーセージ・パーティー" 【カルト&オルタナティブ第19回】

2017-03-17 18:00:59 | 映画
こんばんは。
先週も金曜ライブの為更新お休みしてました!観てくれてる人ごめんなさい。
今週は久しぶりの更新ということでパンチのある映画を。その名も"ソーセージ・パーティー"。ポスターからこのブログ史上最低の映画の匂いがするな!ピクサー風の高解像度3Dアニメ(15禁)です。あらすじ→

郊外のスーパーマーケット「ショップウェル」の食材たちは外の世界が楽園だと信じ日々買われることを夢見ていた。そんなある日、結ばれることを夢見ていたソーセージのフランクとパンのブレンダはお客のカートに入れられて喜ぶが、外の世界の真実を知りパニックを起こしたハニーマスタードがカートから転落したことでカートが事故に合い、フランクとブレンダ達は店に取り残されてしまう。しかし、その後カートで生き残り購入された食材たちは、驚愕の事実を知ることになる…

話だけ読むとなかなか面白そうですが、冒頭からトンデモ下品なジョークが5分に一回のペースで繰り出される気まずすぎる作品です。仕掛け人は"40歳の童貞男"という知る人ぞ知る名作を手がけたセス・ローゲン。今回声優でも参加してます。weezer感強めである。

ソーセージパーティが子供向けなのはアニメなところのみで、あとは完全に大人向けのブラック&下品なコメディ映画です。

主人公。

ヒロイン。

悪役。

仲間達。
見た目的にもうアウトなのもチラホラいますが、なんとか可愛らしいビジュアルを保っているところが唯一の救いか。

こんなカワイラシイキャラが出てくる本作ですが、お下品ネタだけに飽き足らず、スプラッター描写も炸裂します。アニメだからなんとか観れますが、苦手な人にはショッキングだと思うシーンも。合わせて名作のオマージュもチラホラ。
前半は彼らからみたスーパーマーケットの世界の紹介でシニカルな笑いが続きます。
そして物語は後半に進むに連れ、いよいよやりたい放題に!子供どころか友達や恋人と見てても気まずくなりそうなシーンが雨あられ。これを一緒に見れるやつは心の友と言えそうです。クライマックスなんて本当に最低だ!
必ずやあなたの親にみられたくない映画ランキング上位に食い込むことでしょう。


散々ネガティブなことを言いましたが、エンタメとしての見所も結構あります。
スーパーマーケットの食材側からみた世界の話なので、"トイストーリー"のように設定の一つ一つが分かる度にクスっと笑えます。
たとえば酒類の棚がクラブ会場だったり、長老的な人が賞味期限のない保存食品だったりとトンチが効いてる。ドラッグもキメます。

各キャラクターやエピソードも寓意に満ちていて、世の中のタブーと呼ばれる問題に対してアニメの名の下に次々と問題提起をします。
下ネタさえ除けばカッコいい評論ができそう。全編下ネタだけど!


政治、宗教、性、ドラッグ…世の中のタブー全てに対してジョークを放ち、それを子供風アニメというオブラートでなんとか世の中に出してしまった超問題作。真にオルタナティブなものとは、ポップな皮をかぶっているのかもしれません。
なんてお下劣700点!!!!!

また来週。

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THIS IS JAPAN 自主企画やります。


ご予約→http://thisisjapan.net

vol.38"スカーフェイス"【カルト&オルタナティブ】

2017-03-03 18:00:00 | 映画
こんばんは。
2週間ぶりの更新です。今回は名優アルパチーノのマフィア映画「スカーフェイス」です。このジャケットみたことある人も多いのでは?
劇中FUCKと言った回数ランキング世界ベスト3に入るであろう名作。その生き様がヒップホップにも影響を与えているトニーモンタナの成り上がりマフィア物語。監督はキャリーやミッションインポッシブルでも有名なブライアンデパルマ。

映画解説・あらすじ
 ハワード・ホークスの「暗黒街の顔役」を現代風にリメイク。キューバからアメリカに渡った青年が、死に物狂いで暗黒街にのしあがっていく姿を描く。3時間近い長尺を徹底したバイオレンスとスラングの洪水で埋め尽くし、アルパチーノの力演共々、比類なき迫力を持って観る者にせまる。


アルパチーノといえばゴッドファーザーを筆頭にマフィア役を演じることが多いですが、本作もさすがのキレキレっぷりです。
マフィアといえば威厳があって落ち着いた大物…と思いきや今作は小物感満載のチンピラマフィア。しかしマフィア界のカリスマ、アルパチーノの手にかかれば立派な主人公です。
今作の主人公トニーモンタナはすぐ怒るし、すぐビビるし、ずっとギャーギャー騒いでいる。赤ちゃん。
が、もちろんそれだけではありません。彼の既存のマフィアにはない、人間的な弱さが垣間見えるところが魅力的。
成り上がりたいという野心だけを武器に、サクセスしていく中で感情が少しずつほつれていく…欲望にまみれた街で暮らし豊かになったはずが、心は貧しくなっていた…!
暴力的だけど友達や妹のことは大事にするし、仁義もある。小さい頃は優しい少年だったんだろうなぁ…となること請け合い。
そんな愛すべきバカであるトニーモンタナ。OASISのギャラガー兄弟好きならわかってくれると思います。
そしてヒロインはこの人!ミシェルファイファー!マフィアの女を完璧に演じてます。とにかくクールで感じが悪い上にヤク中です!存在!
思いの外銃撃シーンは少ないですが、さすがデパルマ監督、めちゃくちゃカッコよく効果的に出てきます。カットがいちいち変態的だし音がリアル。マフィア映画らしく突然銃撃戦が始まるのもGOOD。ラストなんて銃撃シーンランキング世界10位には入ります!アルパチ先生!前へ進むために失うことを厭わない人の物語といえば、レイジングブルがありますがそれに近いものがあります。デニーロとアルパチーノってやっぱり2大スター。
自分はこの鼻にコカインついちゃうシーンが性格を表してるみたいで好きです。
欲望の先に何があるのか?全てを手に入れた男の3時間。
880点パチーノです。


また来週。

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THIS IS JAPAN久しぶりの自主企画やります。
ご予約はhttp://thisisjapan.netにて受付中。

■4/19(水)@下北沢BASEMENTBAR⇆THREE(往来自由)

THIS IS JAPAN 企画
"NOT FORMAL vol.4"
〜alternative party〜

THIS IS JAPAN
The Taupe
羊文学
URBANフェチ
BALLOND'OR
逃亡くそタわけ
タグチハナ

当日/前売:2000円