ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vol.7"ズートピア"【杉森ジャックのハズさない新作】

2016-06-14 22:00:57 | 映画
こんばんは。THIS IS JAPAN企画、"NOT FORMAL vol.1"きてくれた方々thanx!!!
小休止ということで、ディズニーの新作『ズートピア』を観てきました。たくさんの動物達が仲良く暮らす街、"ズートピア"に事件発生!新米警官ジュディと詐欺師の狐ニックのコンビが捜査の先に辿り着いた真実とは…!
とありきたりなあらすじですが、自分としては今年一番心打たれた作品となりました。まず、ズートピアをステレオタイプなディズニー映画だと思ってみると面食らいます。
大人もクスクス笑えるコメディ満載。
そもそも、ここ数年でディズニーの映画像は大きく変わりました。自分達が築き上げた"ファンタジー"を、自虐的ともいえるスタンスで笑いに使う。今回もセルフパロディの応酬にギリギリのブラックジョーク。海賊版のDVD売っちゃいます。デッドプールもびっくりです。ダンボよろしくトリッピーなシーンもあるし、ゴッドファーザーのオマージュも最高だ。内容としても、警察物のサスペンスとして十二分に秀逸だしアクションもいい。主人公の成長物語、家族愛…と感動パートも魅せます。何より映像が圧倒的で、これだけで子供を熱狂させられるからこそ、子供にはわからん大人な笑いをどんどんぶっこめたのかなと納得。看板一つ一つにも遊び心を几帳面に込めてくストイシズム。ここまででもう十二分にズートピアは楽しい作品です。しかし、ズートピアが大傑作だと感じた理由は、この映画の持つメッセージ性にあります。

個人的にはここ最近、というより結構前からディズニー映画は"平等"を演出する作品作りをしてきたと思います。
シンデレラのような王道ストーリーを世界中の舞台やキャラクター像で作って、誰でも主人公になれる希望を表現してきたのかなと。たとえばアラジンは今までと雰囲気が違うアラビア調だし、ポカホンタスは異人種間の恋愛物語。ノートルダムの鐘は醜い男が主役です。今回のズートピアは生まれも姿形も何もかもが違う動物達が互いに尊重し共存する世界。誰もが主役であり何にでもなれるというポジティブなメッセージをいつも通り伝える反面、今回はそれゆえに生まれる差別にまで踏み込みます。
作中の動物達がスマホを使い、ipodを使い、まるで人間だと思わせるほどディテールにこだわっていることがここで効いてくる。
人間社会を連想せずにはいられない反面、逆にもし人間の実写でやったら、ショッキングであろうシーンも動物のおかげで子供もみれる感じに仕上げているのがすごい。面白い映画を自在に作れるようになったディズニーは、テーマを重厚でタブーなものにしてもヒットさせられる…そんな挑戦作。それがヒットどころか、実写映画ではクリアできないレベルでテーマを伝えることに成功していて戦慄。
これはディズニーの作り上げたピュアなキャラクターにしかできない新しい役割だと思う。表情がすごいんだよな。

伝家の宝刀の圧倒的ポジティブさを、現代のネガティヴな問題とぶつけ、それを極上のファンタジーで包み込む。
ディズニー映画は、本当の意味で大人も子供も楽しめる段階に到達したと思いました。泣ける。
死ぬまでにあと5回は見ます!900点(あと1000点満点)

また今週金曜日に。


THIS IS JAPAN 杉森ジャック
http://thisisjapan.net

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