ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vo.35"キング・オブ・コメディ"【カルト&オルタナティブ第15回】

2017-02-03 18:00:17 | 映画
こんばんは。1月のディスジャパライブラッシュも明け、今週は久しぶりに映画館に行きました。ドント・ブリーズ、まさしく望んでいた通りの快作だったのでホラー好きの未見の方ぜひ。


カルト&オルタナティブ第15回。
今週はロバート・デニーロ×マーティン・スコセッシの大傑作"キング・オブ・コメディ"です。デニーロ×スコセッシといえば映画界の名コンビで、多数の名作を残してます。"ミーン・ストリート"、"タクシードライバー"、"レイジング・ブル"…孤独な男の葛藤が炸裂する名作多数。
自分はタクシードライバーが映画にのめり込むきっかけになった作品で最高にシビれたわけですが、その相似性からタクシードライバーの双子と言われることも多い本作。デニーロの怪演が炸裂します。あらすじ…
コメディアンを目指すルパート・パプキンは、有名コメディアン、ジェリー・ラングフォードを熱狂的ファンの群れから救い出し、強引にコネをつける。「今度事務所に自演テープを持って来い」と言われて、有頂天。もうスターになった気になり、昔から好きだった黒人女性リタにも接近するが……。


前半は主人公パプキンのとにかくイタいシーンの応酬。有名人と友達だぞ!俺もスターになるぞ!って自慢しまくるものの、周りの人には仲良くないのが見透かされ、赤っ恥をかき続ける。そんなシーンの連続に思春期の悪夢が蘇ります!
しかし彼はそんじょそこらのやつとはレベルが違うことが徐々にわかります。事務所にアポなしで上がり込む!別荘に無断でのりこむ!妄想も加速し続け、自分とジェリーで番組をやることになっています。
妄想があたかも現実のように描かれる演出も主人公のサイコ具合が感じられて良い。実家の母に怒られて妄想が中断する演出にニヤニヤ。名シーン。壁に向かって1人ジョークを披露する主人公。

と主人公のヤバさばかりを説明しましたが、虚構と現実の境界が薄れていく主人公が後半、事件を起こし事態が急転します。
主人公が社会とコネクトしていく過程が描かれ、そこで初めて汲み取れる主人公の背景。
気付くとサイコパスだと思っていた主人公に少しだけ感情移入しているかもしれません。

実家在住妄想癖アリの勘違い男が、情熱と行動力だけを武器に革命を起こす…
まったくもってコメディではないですが、何かを志す人全員に見て欲しい名作です。ルサンチマンの苦悩が爆発!
解釈も多数あるので、見た人は一緒に語りましょう。900点!

また来週。


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THIS IS JAPAN 企画

"NOT FORMAL vol.4"
〜alternative party〜

2017.4.19.@下北沢BASEMENTBAR⇆THREE


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