ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vol.24"オール・ザット・ジャズ"【カルト&オルタナティブ第4回】

2016-11-18 18:00:20 | 映画
毎週金曜18時更新。フライデーナイトのお供にどうぞ。THIS IS JAPANの杉森です。
カルト&オルタナティブ第4回
"オール・ザット・ジャズ"です。

SF、ラブコメ、青春ときて今回はミュージカルです。実はミュージカル苦手ですが、カルト&オルタナティブを標榜する以上、避けて通れないジャンルである…

ざっくりあらすじ→
ブロードウェイの演出家として成功している主人公が、その不規則な暮らし、ショービジネスのプレッシャー、薬物への依存で段々と破滅していく。ショービズ界の光と闇。
って感じのお話。

特筆すべきはまさしくカルトで前衛的なシーンの数々。
中でも見所のダンスシーンはいわゆるミュージカルのポジティブさとは真逆のダークでセクシャルなステージ。カッコイイ。
子供はみちゃダメ!どうでもよいけど劇中主人公のタバコ吸う本数が半端ないです。ほぼずっと吸ってます。咳き込んでも吸い続けます。なんならそれを診察する医者も吸ってます。何かに依存しないと自分を保てない、キワドイ主人公の精神状態を表してるのかもしれませんね?嫌煙家さん憤死しそう!主人公が夢で見るミュージカルも他にない妖艶で耽美な世界観だし、ほのぼのした親子のシーンですら何か含みを感じる。主人公はもちろん出てくる人も大体ぶっ壊れてます。中盤以降はミュージカルっていう形式も相まっていよいよカオスに。
そんな彼の決めゼリフは"さぁショータイムだ!"そんなショービズ界のエキセントリックな側面と対極に、後半は主人公の苦難が描かれます。子供のような純粋さの代償は、体をだまし心を騙す屈折した生活。しかも好きでやってる仕事なのでどんなにブラックでも誰にも止められません。
華やかな舞台の裏にはいつだって孤独と忍耐。あんた死んじまうよ!


主人公もトんでるし、出てくる人もトんでるし、空気もトんでるのでつかみどころがない映画だなぁ〜とも思いますが、根底にあるのは自分の生涯をショービズに捧げた男の物語。
ありったけを仕事にぶつけ続けるのって大変だけど、その人にしか見えない世界が確かにあるんだなーって思える作品。ミュージカルなんかださい…って思ってる人は観たら考え変わりそう。

700点イッツショータイム!!


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next THIS IS JAPAN

■ 11/21(月)@新宿LOFT

“ekoms presents OUT OF STEP”

w/ Maison book girl / BILLIE IDLE® / 羊文学
開演19:00
前売¥3,000

(THIS IS JAPANは20:50〜)

ご予約→http://thisisjapan.net