ドンとマインド

バンド THIS IS JAPANの歌と運動、杉森ジャックのブログ。

vol.23 "レポマン" 【カルト&オルタナティブ 第三回】

2016-11-11 18:00:23 | 映画
こんばんは。
カルト&オルタナティブ、楽しんでもらえてるか!今回はウシジマ君よろしく、借金のカタに車を持ってく男の話。『レポマン』です。パンク青年の主人公がひょんなことから借金のカタに車を差し押える"レポマン"という仕事につきます。仕事をこなしていく中、高額の懸賞金がかけられた車が!しかし中には宇宙人の死体が積まれていた…!

あらすじからしてハチャメチャです。こういうのって好きな人はめっちゃ好きなんじゃないでしょうか。

映画に流れる雰囲気としてはパンクがブイブイ言わせつつもオフビートでゆるい感じ。
冒頭のスーパーマーケットでのバイトの場面からなんとも言えない空気感が流れます。名作"バス男"でも似たようなシーンがあったのでオマージュかもしれません。前半は青年が"レポマン"業を通して大人になっていくお話。いろんな人のところに車を差し押さえにいくのは感情移入しやすく楽しいです。競合他社や頼れる上司、パンク仲間(強盗)…と脇を固めるやつらもイカれてます。ピストル打ちまくり!主人公の家族も変。というか普通の人が1人も出てきません。後半からは宇宙人話も絡んできていよいよカオスになります。ストリートな世界に突然出現する宇宙人関係者。中でも博士っぽい人のビジュアルが最高です。車をとったりとられたり、すぐ死んだりと適当展開の乱れ打ち!我々が信じられるのは主人公のみです。レポマン密着ドキュメンタリーからのSF(すこし不思議、の方かも)で、ダラダラしながらも退屈はしないで楽しめます。
大筋はよくあるハードボイルドものですが、ゆるいやつらの独特の時代感=アフターパンク感のおかげでクセになる匂い…。キタナシュラン的な良さがあります。そして後半SF色を出し始めてからのぶっ飛び方がザ・カルト映画!
ヘンテコカッコいいシーンの羅列を、個性的なキャラクター達でなんとか1つにまとめ上げてると思いました。店内銃撃戦とラストは最高です。
パンク青年が大人社会と宇宙人の間で成長していくSF青春モノ!タランティーノ好き、ジャームッシュ好きにはオススメです。
750点ハードボイルド!

ちなみに監督アレックス・コックスはこの後、"シド&ナンシー"を発表。やっぱりパンクが好きなんだなこの人。

また来週。

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next THIS IS JAPAN…

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