THINKING ECO

考えよう!環境問題
環境にやさしい、快適な生活を応援します。

アーティストが設立したNPO銀行「ap bank」

2008-07-30 | 身の回りのこと

「ap bank」という銀行をご存知でしょうか。

「ap bank」をご存知でない方でも、人気バンドMr. Children(ミスチル)の櫻井さんとか、世界的に活躍する坂本龍一さんといえば、ご存知の方も多いと思います。

 

「ap bank」は、2003年、音楽プロデューサーの小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの3名が、自己責任において拠出した資金をもとに、環境プロジェクトに融資を行うために設立したNPO銀行なのです。

 

融資対象は、自然エネルギーをはじめ環境に関する、地域性を生かした、ふつうに生活する人にできる、小さいけれどもアイデア溢れるさまざまなプロジェクトが中心です。小さい組織ですと、資金が足りない・・・ということも間々あります。ありがたいですね。

 

「ap bank」の「ap」は、「Artists’ Power」「Alternative Power」のAPだそうです。現在は、小林さん、櫻井さんを中心に結成されたバンド「Bank Band」や、多くのアーティストの協力を得て行うイベント、CDやDVDなどの制作物の収益金を主な融資原資、活動資金としているそうです。

 

融資の仕組みは、貸金業法に基づいており、融資額の上限は500万円、 融資期間は最長10年、融資金利は年1%の固定ということでした。

 

昨日のブログ「足温ネット」のプロジェクト「ものぐさ省エネ&節電所」の原資にも融資しています。

 

小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの『各地域の人々の小さな試みを「融資」という方法で支援することで、「自分たちの力で社会を変えていける」と思う人々が増え、その人々とともに新しい未来を作っていきたい』というあつい思いが伝わってきますね。

 

我が家には、ミスチルや坂本さんのCDが何枚かありますが、ますます応援したくなりました。

 

ap bank:http://www.apbank.jp/about/whats.html

Mr. ChildrenのHP:http://www.mrchildren.jp/

坂本龍一さんのHP:http://wmg.jp/artist/sakamoto/


足温ネット(NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)

2008-07-29 | 身の回りのこと

東京都の最も東に位置する江戸川区。その江戸川区に、地域を基盤に、市民が主体となって活動するNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」があります。略して「足温ネット」です。

 

「足温ネット」の活動は画期的で、「このようなNPO法人があるのだ!!」と驚くばかりです。主な活動は「フロンガスの回収」「市民立江戸川第1発電所建設」「ものぐさ省エネ&節電所」の3つですが、それ以外にもきめの細かい活動をしておられます。地に足の着いた力強い活動ばかりです。

 

「ものぐさ省エネ&節電所」を簡単にご紹介します。

例えば、電気量販店で、大手家電メーカーの、消費電力190kw/h、省エネ・ノンフロン冷蔵庫が10万円台で売っています。その傍では、消費電力500kw/h近い冷蔵庫が6万円台で売っています。

あなたなら、どちらの冷蔵庫を買いますか?省エネが良いことは分かっていても、電力消費量より価格を基準に選んでしまいそうですね。

 

そこで、足温ネットは、省エネによって達成できる節電料金5年分を無利子で融資し、返済も省エネ節電料金分から返済するというシステムをつくりだしたのです。

消費電力190kw/hの省エネ冷蔵庫に買い替えると、買い替え前より電気代は安くなりますね。その分を計算し、5年分を無利子で融資してもらいます。少し高かった省エネ・ノンフロン冷蔵庫も購入しやすくなります。そして、返済には、安くなった分の電気料金を当てますから、買い替え前の電気料金で、「省エネ&節電」ができるわけです。

新たな出費を作らずに、「省エネ&節電」が行えるのです。

 

素晴らしいですね。詳しくは、下記のHPをご覧ください。

http://www.sokuon-net.org/index.html        

 


「省エネ大賞」マーク ~エコ替えの参考に~

2008-07-27 | 身の回りのこと

「省エネ大賞」は、省エネルギー性、省資源性に優れた製品の開発と普及を図り、CO2などの温室効果ガスの排出量削減に貢献した製品に贈られる賞です。

 

「明日のエコでは間にあわない」と、エコ生活を心がけていても、連日の猛暑、室内での熱中症も心配になりますね。夜間は、防犯や快眠のために、エアコンが不可欠という方も多いのではないでしょうか。

 

最近の家電の省エネ性能の進歩は著しく、10年くらい前と比べると消費電力もかなり削減されています。環境負荷の小さい、地球に優しい、多彩な機能を備えた製品がどんどん開発されています。  

                                                           エコ替えをお考えの時には、省エネ性能や電気料金の目安が表示された「統一省エネラベル」や「省エネ大賞」マークを是非参考になさってくださいね。

 

省エネ大賞を受賞した製品の中からいくつかをご紹介します。

経済産業大臣賞

*蛍光灯照明器具「Wエコ 環境配慮型照明器具」松下電工株式会社

資源エネルギー庁長官賞

*家庭用ルームエアコン「東芝ルームエアコン大清快」東芝キヤリア株式会社

省エネルギーセンター会長賞

*電気冷蔵庫「栄養いきいき真空チルド」「まんなか冷凍」シリーズ 日立アプライアンス株式会社

*家庭用 冷房・暖房・除湿ルームエアコン「日立PAMエアコン ステンレスクリーン 白くまくん Sシリーズ」 日立アプライアンス株式会社

*電球形蛍光ランプ 「ネオボールZリアル 電球100ワットタイプA形」東芝ライテック株式会社*効率LEDダウンライト 「E-CORE[イー・コア]」東芝ライテック株式会社


スーパーカブ

2008-07-26 | 新しい技術
「スーパーカブ」はホンダが誇る50ccバイク。1958年8月の初代モデル「スーパーカブC100」の発売以来、今年で50周年を迎えます。現在まで世界15ヵ国16拠点で生産され、延べ160ヵ国以上で販売され、今年の4月にはカブシリーズとして世界生産累計6000万台を達成しました。

と言っても、「スーパーカブってどんなバイク?」と、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっとご覧になったことがあると思いますよ。
銀行の人が外まわりの時に、郵便局員の人が配達時に、おまわりさんが巡回の時に乗っているバイク、かなりの割合でスーパーカブなのです。アジア諸国でも庶民にとってなくてはならない「日常の足」となっているようです。

そんなスーパーカブ、「そば屋の小僧さんが片手でも運転できる、手の内に入る小さなオートバイをつくろう」と言うホンダ創業者の本田宗一郎氏の呼びかけで、57年の正月から開発が始まったそうです。

左手レバーのクラッチ操作をなくし、右足でペダルを踏みこめば変速できる「自動遠心式クラッチ」を生み出し、左手でおかもちを持って運転できるようにしました。
心臓部には、荷物を載せて坂道も上れるパワーがあり、燃料代も安い、4サイクルエンジンを開発。タイヤは「大きくて、でこぼこ道も走りやすい」と、規格外の17インチを特別に作らせ、デザインも女性がスカートでもまたぎやすいようにしたそうです。

昨年10月からオートバイにも排ガス規制が施行されました。
ホンダ技術陣は、この厳しい規制をクリアするため、エンジンの排ガスをきれいにすべく、技術的にもコスト的にも難しいと考えられていた燃料噴射装置を採用し、外観をそのまま残しつつ、進化したスーパーカブを創りあげました。テスト走行での燃費は約110km/ℓ。エンジン付き乗り物の中では世界一の燃費を誇り、環境にやさしいバイクに生まれ変わりました。

「スーパーカブ」は、本田宗一郎氏を始め、多くの技術開発者の情熱と努力に支えられ、これまでの50年間同様、これからも、世界中で愛用され続けることでしょう。

日本とハンガリーの排出量取引

2008-07-23 | 環境ビジネス
7月19日のブログ『バチカン市国のカーボンニュートラル化』の中で、「クリマファは、ハンガリー中央部の15㌶の区画に森を蘇させることによって、バチカン市国が排出するCO2を相殺」の旨紹介しました。

ハンガリーの新興企業クリマファが、バチカン市国に、「排出量」という形の寄付を行ったのですね。寄付と言えば、お金や貴重な物品を連想しがちですが、これからは、「排出量」という形の寄贈もあるのでしょうね。

ハンガリーでは、森林の荒廃がすすみ、1990年代初めには、森林の約3割に枯死や落葉などの異変がみられたため、植林計画を立て、植林に力を注いでいます。
また、ハンガリーは、京都議定書で、6%の削減義務を負っているのですが、社会主義から市場経済への移行期に経済が低迷だったこともあって、すでに目標を達成し、さらに、最大1億トン程度の余剰が発生する見通しだそうです。
余剰分は目標達成が難しい国などに排出権として売却できるため、ハンガリーは日本や他の欧州諸国と交渉を進めているそうです。

そこで、日本政府は、省エネなどの国内対策だけでは、京都議定書で定められた温室効果ガス削減目標を達成できないと見られることから、その分を補うために、京都メカニズムの先進国同士の排出量売買を決めた「共同実施(JI)」を活用し、ハンガリー政府から、温室効果ガスの排出権を買うことを決めました。

さらに、支払う代金の使い道は、「グリーン投資スキーム」活用し、ハンガリー国内の温室効果ガス排出量の削減に貢献し得る環境対策に限定されています。
日本政府は、ハンガリーが2008年に約1000万トンを売ると想定し、欧州連合(EU)の企業間市場で取引されている値段を参考に、全量買った場合の代金は200億円規模になると見ているようです。

J8サミット

2008-07-22 | 環境問題
G8の開催に合わせて、「J8サミット2008千歳・支笏湖」が行われていたことをご存知でしょうか。

J8サミットは、Junior 8(ジュニア・エイト)サミットのこと。
J8サミットは、ユニセフ(国連児童基金)等の協力を得て、G8各国の中高生を中心に、世界の問題について話し合う国際交流事業です。2005年のイギリスでのグレンイーグルスサミットからスタートしました。

今回は、外務省とユニセフの共催で、日本を含むG8の各国から1チーム(4名)とG8以外の国から7名、計15カ国39名の中高生が参加し、1)気候変動、2)貧困と開発、3)国際保健の3つのテーマに基づいて話し合いが行われました。
そこで出た意見は、「千歳宣言」と「J8アクション・プラン」としてまとめられています。

J8の様子は、テレビ報道では殆ど見ることができませんでしたが、「政府インターネットテレビ」で見ることができます。

いろいろな国の若者たちが集い、世界で起こっている諸問題を共有し、解決のために討議を重ねる様子を見て、未来には希望があり、世界は良くなると思いました。

お時間がありましたら、ご覧になってはいかがでしょうか。8分30秒ほどのビデオです。
「政府インターネットテレビ」からお入りください。
政府インターネットテレビ>21ch地球環境・サミット>「今」実行し「未来」へ引き継ぐJ8サミット

森林はCO2を吸収しています

2008-07-21 | 環境問題

IPCC第4次評価報告書によりますと、大気中の炭素量は7600億トンで、毎年34億トンずつ増加しているそうです。そんな中、植林等によって吸収される炭素量は年間14億トンだそうです。

 

森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長しています。

 

 

樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素量は一本一本みんな違っていますが、CO2排出量と森林(スギ人工林)のCO2吸収量を身近なもので考えてみました。目安にしていただければと思います。

 

1世帯から1年間に排出されるCO2の量は6500kg、スギ人工林0.8ha(スギ460本)の年間吸収量と同じくらいだそうです。100m×80mの土地にスギを460本植えた時の吸収量と同じくらいということですね。

 

人間1人が呼吸により排出するCO2は年間320kgで、スギ23本の年間吸収量と同じくらいです。

 

自家用車用乗用車1台から排出されるCO2は年間2300kg、スギ160本の年間吸収量と同じくらいです。

 

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。地球上の二酸化炭素循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。(参考:林野庁HP)

 

注)ここに掲載されていますイラストの著作権は、THINKING ECOにあります。転載はお断りいたします。


電気自動車

2008-07-20 | 新しい技術
夕方の番組「夢の扉」で紹介されていました究極のエコカー「エリーカ」には、インホイールモーター、リチウムイオン電池、回生ブレーキなどの多く技術が凝縮されているようですね。

時速370kmで走り、加速性にも優れた「エリーカ」は、タイヤのホイールに取り付けたモーターで車輪を回しています。「エリーカ」の8つ車輪すべてが駆動輪、全輪駆動車なのです。4輪駆動車が雪道でも走れるように、運動性能が良く、加速も良いのです。これはインホイールモーター方式と呼ばれ、トヨタやホンダなどの車でも採用されています。

電気自動車には電池(バッテリー)が欠かせません。日産自動車とNEC、トヨタ自動車と松下電器産業、独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機、三菱自動車と電池大手ジーエス・ユアサコーポレーションなど、自動車大手と電機大手が組んで、「エコカー」向けのリチウムイオン電池の開発・販売に力を入れています。

次に回生ブレーキです。回生ブレーキというのは、電気自動車やハイブリッドカーなどで用いられる電気ブレーキのことです。
例えば、自転車でブレーキをかけると、車輪とブレーキパッドの間に「摩擦熱」が発生しますね。「運動エネルギー」から「熱エネルギー」にエネルギーが形を変えることで、自転車は止まります。しかし、電気自動車では、摩擦熱のような形でエネルギーを捨ててしまうのではなく、電気エネルギーという形でバッテリーに回収しています。このエコロジーなシステムが回生ブレーキです。
ちなみに、2007年デビューの新型新幹線N700系は、必要なブレーキ力の全てを回生ブレーキでまかなっているそうです。新幹線はエコトレインといわれる所以ですね。

最後に、「エリーカ」は1回の充電で300kmは走れるそうです。「エリーカ」も三菱の電気自動車「iMiEV」も夜間電気を使うと1kmあたり1円で走るそうです。

ガソリンスタンドでガソリンを入れるように、短時間で充電が可能になれば、移動範囲も広がり、普及にも拍車がかかるのでしょうね。

バチカン市国のカーボンニュートラル化

2008-07-19 | 世界のこと
カトリック信者10億人の総本山バチカン。バチカンは国全体が世界遺産に登録されている世界最小の国家です。国土の面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドのテーマパークエリアは0.51平方キロメートル、皇居は1.15平方キロメートルですから、その広さは容易に想像していただけると思います。

そのバチカン市国はカーボンニュートラル化を進めています。

カーボンニュートラルというのはCO2の増減に影響を与えない性質のことです。
バイオエタノールのような植物由来の生物の燃料は、燃やすとCO2が出ますが、植物は成長過程で光合成によりCO2を吸収していますので、ライフサイクル全体でみるとCO2の収支はゼロ、カーボンニュートラルであると考えられます。

また、事業活動などで排出されるCO2を、植林によって吸収させ、実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのことも、カーボンニュートラルと呼ばれています。

バチカンは、ハンガリーの新興企業クリマファからの寄贈を受けました。
クリマファは、ハンガリー中央部の0.15平方キロメートルの区画に植林し、かつてそこにった森を蘇させ、バチカン市国で一年間に車や暖房などによって排出されるCO2を吸収させるという取り組みを行っています。

そのバチカン市国は昨年2007年の9月に世界で初めてカーボンニュートラルな国になました。

エコな飛行機

2008-07-17 | 新しい技術
エコカーやエコトレインが身近な言葉になってきましたが、航空機でも2013年には温室効果ガス排出規制の導入が予定されています。

航空機が排出している温室効果ガスの量は、全体から見るとまだ少ないのですが、航空機による輸送はこれからも増えていくと予想されています。近距離移動は、日本の新幹線のように、各国の高速鉄道などに振り替えることができますが、開発途上国ではそういうわけにいきません。また、海外へ行くときには飛行機は不可欠です。

そこで、エコな飛行機の開発が求められています。

先ず考えられたのが、軽量化です。
航空機がどれくらいの燃料を積んでいるかご存知でしょうか。
空荷の状態で236トンの機体に、86トン程度の人と貨物を積むと322トンになりますが、これを米国東海岸まで飛ばすために178トンもの燃料を積むそうです。86トンの人や貨物を運ぶのになんと2倍の178トンの燃料が必要で、総重量は合計500トンにもなるのですね。
まさに、「燃料を空中に持ち上げるために燃料を燃やす」という感じですね。

離陸時に、もっとも大量の燃料を消費するのですが、日本の複合材料、特に、炭素繊維複合材の技術はこの軽量化のために活用されています。

今、開発が急がれているのは、CO2排出量の少ない飛行機です。
アメリカのボーイングは、ジェット燃料に植物プランクトンで生産するバイオ燃料を混ぜるという計画を発表しました。水中に繁殖する緑藻が、水とCO2を吸収し光合成を通じてジェット燃料似た成分の油をつくる性質利用して、燃料になる油を抽出、ジェット燃料に混ぜるそうです。

ヨーロッパのエアバスは、燃料電池を搭載した航空機を開発しています。航空機は、機内で消費する電気をつくる発電機を燃料電池に置き換えることでCO2を削減したいと考えています。